becquerelfree’s blog

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「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」道北連絡協議会が原子力機構に申し入れ

昨日、2022年8月21日「道北連絡協議会」が原子力機構に申し入れた。以下に内容を記す。

(下川町在住フリージャーナリスト 滝川康治さんの報告から)

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8月20、21の両日、「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」が豊富町内で開かれた。2010年から続けてきたが、コロナ禍で中断し3年ぶりの開催。「寿都・神恵内を『概要調査』に行かせないために」がテーマで、道内外から50人余りが参加した。
初日は、現地報告や参加者との意見交換。
主催者を代表して、東  道〔あずま・おさむ〕さん(道北連絡協議会の共同代表)が、幌延問題の歴史などを紹介し、次のように指摘した。
・処分事業者が「幌延国際共同プロジェクト」が参入することで、「幌延にはNUMOを入れない!」という根本が今、なし崩し的に変えられようとしている。北海道が(処分地選定のための)概要調査にあいまいな形で対応すると、「市町村が調査に応募してもいい」という感覚がもたらされてしまう。
・(政府やNUMOが概要調査前に)自治体の首長の意見を聞く時、知事が「ダメだ!」と言えば調査は前に進められない。幌延での処分研究をこれ以上進めないためにも、寿都や神恵内の人たちとともに、概要調査に行かせない運動をしていきたい。
寿都町で「文献調査」に反対し、行政のあり方に異議申し立てた槌谷和幸さんは、この問題では初めて道北を訪れた。
報告要旨は以下の通り。
・今年4月に開示された公文書によって、2019年には「エネルギー勉強会」が4回開催され、(文献調査の応募に向け)階段をゆっくり上っていたことが分かった。議員が何の疑問も持たずに「勉強会」に参加し、新聞報道に至るまで住民に情報提供しなかったのは大きな問題。「役場や議員に任せておけばいい」という町の雰囲気が、そうさせた原因だと思う。
・議会リコールをめぐり、21年1月から直接請求署名の受任者を募ったが、町内の若い人の雇用先は役場や福祉施設が多く、成立のハードルは高い。しかし、我々はあきらめていない。
幌延での研究と寿都・神恵内での調査は、問題点が共通している。おかしいと思うことに声を上げないと、なし崩し的に進められてしまう。歯止めが効く、きちんとした法律が作らなれないと国民は守れないだろう。
・一介の住民にできることに限界はあるが、運動は信念があれば死ぬまで続けられる。自分の住むところで、「核ゴミは一部の町の問題ではないよね」「法律のあり方がおかしいよね」「公の場で議論することが大事だよね」と言える運動も、皆さんの活動の一ページに加えてほしい。
主催者の山路弦太さん(「豊富町民の会」代表・酪農家)は、豊富の全農家が「核のゴミ拒否!」のミニ幟(1,000円)を購入してくれたことを紹介。「『自分たちの暮らしを守るために核のゴミに反対するんだ』と皆さんに伝えることが、あきらめない姿勢につながる」と強調した。
札幌の生活クラブ生協の組合員は、ずっと続けてきた幌延町内での戸別訪問の手応えなどを紹介。道外からの参加者からは、
「第3、第4の寿都・神恵内は全国至るところにある。放射性廃棄物の処分は避けて通れない問題であり、負担が公平になるよう考えるという視点も心に留めておいてほしい」(東京の研究者)
「不条理な負担を幌延寿都、神恵内に押しつけていることは申し訳ない。政府は核燃料サイクル路線の破綻を恐れ、身勝手な都合を振り回すことが続く限り、彼らが住民に対する尊敬の念を持つことはない。これらは(政府による)暴力行為であり、闘わなければならない」(原子力資料情報室のスタッフ)
会場からの発言を受け、道北連絡協議会の前代表・久世薫嗣さんがこう締めくくった。
「私たちがどういう世界を創りたいかによって、運動の質は変わる。誰かにお願いするのではなく、自分たちが生きるために運動をする──そうした姿勢がないと勝てない。主義主張でなく、生活そのものからの運動を創ることを真剣に考えてほしい」
続く夜の分散会では、今後の取り組みについて意見交換。
参加者たちは翌21日、幌延深地層研究センターを訪れ、「NUMOによるセンター見学会の受け入れを止める」「NUMOを国際共同プロジェクトから除外する」「幌延での研究終了時期の明確化と埋め戻し工程表の提示」の3項目を申し入れ。対応した原子力機構の職員たちとのやり取りを続けた。

「道北連絡協議会」が原子力機構に申し入れた内容

 

鈴木直道知事に対し、「概要調査」を認めない明確な意思表明を求める決議