becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

泊原発訴訟 札幌高裁/裁判報告会 高等学校教職員センター

8月8日午後2時半から
口頭意見陳述 富永恵子さん

025年8月8日(金)、札幌高裁(802号法廷)での第7回控訴審の口頭弁論、口頭弁論後の報告会について以下のとおり報告致します。

大通公園撮影参加者 / 24名
◆口頭弁論報告会参加者(札幌高裁802号法廷 定員92名)/ 81名
◆報告会参加者(高等学校教職員センター)/ 68名

<報告会概要>  

報告会は、意見陳述者の富永惠子さんから女川原発の活動に取り組んだ経験や、東北電力北海道電力の違いについて特に両社の株主としての活動を通じてのユーモアをまじえた発言が会場に和んだ雰囲気をもたらせました。参加者からは意見陳述を慰労する暖かい拍手が送られました。

続いて菅澤弁護団長事務局長から、「渡辺満久氏の対応をするかががポイントと考えていたが、採否の決定はなかったこと。北電からは採用するなの意見書が予測通りだされ、判断が下される予思っていたが、反論を示すこととなった。次回12月に採否が示される事になるだろう」との説明がありました。

<以下説明の詳細>

進行協議の中では、裁判長が具体的意向がくみ取れないことを投げかけてきた。何と言ったか? 「反論するにあたって確認したい。防潮堤の完成と再稼働の可能性があることが具体的形成に関連しない事項であると考えていいいか」ということ。(わかりにくい〜と会場からブーイング)。対応パターンを考えて意見書を書く検討をしている。要は証人尋問の渡辺満久氏は活断層についてだが一審終結時には防潮堤の有無の問題だったのだから「意味ないだろう」と考えているのかとも解釈できる等々色々なシュミレーションができる。

裁判長は許可が出る→口頭弁論終結(判決待ち)→判決という流れを前提に、防潮堤ができるのは3年後くらい先なので弁論終結したらどう考えればよいのかと聞いてきている。
北電は終結時には動いていないのだから危険でないという主張し、わたしたちは動かせる状態にあるから危険だと主張している。
この裁判長のこだわりが不可解ではある。

なお次回日程の関係では、裁判長が示したもっとも遅い日程である12月26日になったのは北電の都合によるもの。

準備書面については
第7…海底活断層について→の科学者の論文を追加で示したこと、北電の活断層の長さの変遷の信用性の問題を指摘。
第8…避難の問題について→今橋弁護士から、女川原発の仙台高裁の判決をもとに提出したもので、屋内退避の非現実性、道路寸断状況の現実を明示した内容の書面であり、北電は反論すると言ってきている。

弁護団報告を受けての会場からの質問等>

Q:絶対安全ではないという論証ができないのか? 結果責任は電力会社には問われないのか? 見える化のため札幌圏に電力の基地(原発に限定しない)を作り電気の地産地消をすすめる。北電は札幌に放射線量のモニターを設置すべき。裁判長の判断は揺れるのか?
A:裁判長の判断は始めからきまってはいないと思う。裁判の前提は絶対的安全を求めるものではない。法律に基づいて違法かどうかが争われるもの。

Q:北電の地震による敷地変動の対応の非現実的考え方が妥当なのか? このことを裁判所が知ったらどう考えるだろうか? 株主総会での北電の事故対応の考え方は当事者意識の欠如を露呈したが。
A:敷地変動はなかなか難しく、隆起(1.28m)と沈下(5m)変動は北電が資料として出している。きれいに隆起、沈下にについてはこちらも反論しているが、能登の実態はきれいに動いている現実もある。小野先生の埋め立て敷地の指摘も中越地震の例もだして説明しているが…。勝負は海底活断層と避難に絞られる。小野先生の火山の指摘も論文化後に主張予定である。

Q:防潮堤の完成と再稼働の前後関係 防潮堤の完成前の再稼働はおかしく、完成したら再稼働は妨げないという解釈でよいか?
A:許可(規制委)が出ても結審時の危険性があるかないかの問題。今の考え→一審は結審時にないから勝ち、二審も同じだがその時の危険性を争ってきた。裁判所の心象開示が一度もないので、裁判長が結審時に北電を信じるか、我々を信じるか迷っていると推測できる。

最後に本日の口頭弁論・報告会への参加者数、次回意見陳述の守屋敬正さんの紹介、傍聴者の拡大等について協力依頼発言があり、意見陳述を行った富永さんへの労いと弁護団をはじめ参加者全員への相互の激励の拍手で散会した。

<参加者アンケート> 
1.裁判の感想・意見
・良い内容でした。
・今までの原爆や原発の事故の恐ろしさ、放射能健康被害、事故時の避難の不確実、核のゴミ問題などなど、原発いらない理由が述べられていて、説得力があったと思うが、裁判長はどう思ったか…。
・裁判は、こういうたんたんとしたかんじでおこなわれているんだなって…。意見陳述は、いろんなことを経験されているんだなあ 頑張っているのすごいなあ…。
・裁判については控訴人の短い陳述だけであっけなく終るなあと感じます。参加することに意義あるのだと認識しています。
・毎度のことですが、書面のやりとりでどんな書面なのか中身がわかりません。どこまで裁判が進んでいるのでしょうか。
・意見陳述で「有事の際」の原発がどうなるのか国も事業者も全く考えていないとこは同意します。ただ陳述は感情論のように聞こえ、具体的事実の裏付がほしいところです。
・佐藤さんといのも知らずにいたが富永さんの今までの闘いぶりがわかって良い陳述だったと思う。
・昨年参加したときより人数が増えていて良かった。
・裁判の内容が具体的に言われないので理解できない。
・いつも裁判だけでは今、何がどうなっているのかさっぱりわからないので、場所を移しての報告会で初めて「こういうことか」とわかる。
・もっと厳しく追及すべき。

2.報告会感想・意見
東北電力と北電の違いなど興味深いお話でした。
・裁判長の使う言葉が分かりにくいと思いました。
・渡辺満久証人に実現してほしいです。
・「巨大地震は予見できず…」だとしたら「安全神話」は成立していませんね。「結果責任」はないのですかね。
・今日の話と先日の市川弁護士のシャット泊の話を聞いて、今後ひなん計画の不備、ひなんできないということで、反対していこうと思いました。
・裁判では、何が行われているか、分からなかったが、報告会では、皆の考えが聴けて、原発に反対する根拠が明らかに分かった。
・なごやかなムードで、一体感があり参加して良かったです。
・裁判の内容を少し理解できたので参加して良かったです。
・裁判の前に関係者だけで話し合うんだとわかった。・
・防潮堤と再稼働の時間的前後関係がいまひとつふに落ちない。
・裁判官の思いが今一つ不明だが、こんなものか。
・みなさん質問も専門的でびっくり。
・始めの方で内輪の話が多いかなと思った。
・この(報告会)おかげで、進行と問題点が理解できます。いつもありがとうございます。

3.廃炉の会、廃炉ニュースへの感想意見
・「電気の地産・地消」はどうでしょうか。札幌が電気の大量消費地だと思うのですが。
・いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
・いつもいろいろして下さってどうもありがとうございます。皆さんの努力でこの会がなりたっているんだとつくづく思います。
・もつと廃炉をめざす人を増やす方法がないものかと思ってます。
・いつもわかりやすいニュースでありがたい。
・「ハイロニュース」はわかりやすい。直近のNO.52では難しいことをわかりやすく説明してくれていて助かる。担当執筆者に敬意を表します。問題は…会員を増やさないといけないと思うけどなかなか難しい。署名には快く応じてくれる人にも、入会を提案するのは勇気がいる…見込みがないと思うので。

4.北電に対する意見
・企業利益を優先する北電は許せない。
・会社に用があって本社に伺うと若い社員さんは皆教育が行き届き品よく礼儀正しい印象があります(何をお考えかはともかく…)。こちらの要望や質問にも合理的な範囲で応えて下さる…。けれど裁判での様子や経営方針(原発6割をめざすなど…)、防災訓練に関する質問への答え『敷地隆起が起こるような状況においても敷地内に生じる地割れや段差を補修しながら、可搬型設備で対応してねんりゃプールを冷やせる』と…などをみると、いざ緊急事態になった場合についてのリアリティが致命的に足りない…気がします。
・どうしてペイもしない原発にそんなに熱心なのか
・札幌の真中に原発放射線のモニターを設置してほしい。できない理由はないと思うのですが。
原発は安全でないこと、生き物の暮らしをすべて破壊してしまうことを認めて原発をあきらめてほしい。
原発を稼働して何かあったら責任とれるんだろうか。北電には責任がとれることをしてもらいたいです。
・事故が起きた時どうなるか考えない様にしていると思う。国の圧力が大きいのかと思う。
・いいかげん再稼働をあきらめてほしい。
・再稼働について道民が反対の関心をもっていることを示したいですね。
・北電も国も全く無責任だと思う。利益が上がれば他はいくらギセイがあっても構わないとの姿勢は許せないと怒りを感じる。
・5/5の大通での集会でマシオンさんから「株主になって!」との呼びかけを受けて、数日後に株主になった。6月の部主総会には間に合わなかったので、来年は株主の一人として活動したい。
泊原発が再稼働して事故が起きた時に、大雪/風吹と地震津波が同時に襲ってきたら、逃げられない。泊もその近くもまるまるできない。もしそのエリア全員が「原発OK」といっていたとしても、影響を受ける人口は札幌の190万+α。影響を受ける広域で考えるべき。

※アンケートコメントは全て原文ママ

◆次回日程等 / 2025年12月26日(金)14時30分 札幌高裁(札幌市中央区大通西11丁目)
◆次回報告会会場 / 高等学校教職員センター(札幌市中央区大通西12丁目 予定)
◆意見陳述は守屋敬正さん

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2025年8月11日8:21 配信