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九電に追加質問書提出&佐賀県に専門家からの意見聴取要請

4月5日、九電に対して玄海3号機蒸気漏れ問題に関する追加質問書を連名で提出したと九州の方からご連絡がありました。
原子力規制委員会が審査中の北海道電力泊原発も、同様の問題を抱えており、とても他人事とは思えません。
提出された質問書、要請書では、佐賀県に対して原発に慎重な立場の専門家からの意見聴取を要請されています。全国の脱原発運動の未来に影響する内容だと思う為、ここに記録し、情報を共有します。(ベクレルフリー北海道)
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【九電に追加質問書提出&佐賀県に専門家からの意見聴取要請】
https://saga-genkai.jimdo.com/2018/04/07/a/
4月6日、九州電力本店に対して「玄海3号機配管穴あき蒸気漏れ事故に関する追加質問書」をFAXで送信しました。
私たちが九電本店に直接抗議に行った4月2日、錆びだらけの配管とパックリと開いた穴の写真が公開されました。同日、瓜生社長の半笑いしながらの無責任な発言がテレビで放映されるなど、新しい状況が続々と出てきています。こうした中、再度の質問書の提出と交渉の場を求めましたが、今週中の設定は断られ、来週で調整することとなったので、とりいそぎFAXで送信した次第です。
 
5日に副島・佐賀県副知事が山元・九電取締役と面談し、「専門家の意見聴取」と「再発防止対策後の発電」を求 めました。県は原発推進派ばかりの「県原子力安全専門部会」の委員の意見聴取しか想定していないので、「原発に慎重な立場の専門家からの意見聴取を求める要請書」を知事宛に急遽提出しました。かねてより推薦してきたお一人、後藤政志さんが近日のうちに佐賀に来られるので、話を聞く場の設定を求めました。
 
その後、佐賀県庁にて記者レクを行い、一連の経過や追加質問の内容を説明しました。鹿児島の川内原発30キロ圏ネットワークの高木章次さんも同席し、配管穴あき問題と同じ腐食問題である上蓋未交換問題についても解説していただきました。
9日の政府交渉と緊急署名についてもお知らせしました。

 

玄海3号機配管穴あき蒸気漏れ事故に関する追加質問書

2018年4月6日

(株)九州電力 代表取締役社長 瓜生道明 様 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/川内原発30キロ圏ネットワーク/プルサーマル佐賀県の100年を考える会/玄海原発反対からつ事務所/原発を考える鳥栖の会/今を生きる会/原発知っちょる会/風ふくおかの会/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/たんぽぽとりで/東区から玄海原発廃炉を考える会/福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会

 

玄海3号機配管穴あき蒸気漏れ事故について、私たちが抗議の申し入れを行った4月2日、配管の写真が公開されました。私たちの不安と疑問は深まるばかりです。

以下、現時点での追加の質問をいたします。早急な回答の場を求めます。

 

【1】穴あき蒸気漏れ事故について

 

(1)ファイバースコープによる内面調査について

玄海原発3号機の配管内部もファイバースコープを挿入していて写真があるはず。即時に公表すること。公開しなかった理由も説明すること。

 4月5日、九州電力川内原発1号機の燃料棒からの放射能漏れの報告をホームページに掲載したが、ファイバースコープによる写真も掲載している。下記は玄海原発3号機の4月2日付の九電報告の一部。

「b.内面点検

当該管を取外し後、内部にファイバースコープを挿入し、管内面の調査をした結果、水平部分の上面に貫通孔を確認した。なお、外面点検で確認したような明らかな凹みは確認されなかった。」

②穴の状態を見ると、穴があいたのは雨水による腐食ではなく、他の原因による可能性も考えられるので、多様な視点から原因を究明すべきだ。

 

(2)漏れた蒸気について

① 2日の九電への問い合わせでは、水が滴っていたのに気が付いたというものだった。点検員は蒸気が漏れていたのに気が付いたのではなく、外装板の下部からの水の滴りに気が付いて報告したということか。蒸気漏れは目視確認していなかったのではないか。

②事故の当初から「微少な蒸気が漏れた」と発表したが、現場状況も分からないうちから、なぜ「微少」としたのか。具体的な漏洩量をその根拠と共に示すこと。「微少」という言葉により軽微な事故であるという印象を与えようとしたのではないか。

③4月2日付報告の添付資料3によれば脱気器の給水量の箇所だけ「商業機密」のため非公開とされているが、なぜか。蒸気漏れの量と関係してくるのではないか。

④穴はいつ空いたと考えているか、根拠と共に示すこと。

※脱気器の最高使用圧力は1.37MPaとしている。水道の圧力が1MPaだが、これは10mの海底に相当する。1気圧は1024hPa。 MPa単位にすると、0.1024MPaとなる。

(3)保温材について

①九電資料では、当該配管の外装版には「著しい錆が確認された」とある。再稼働前の検査や見回り点検等で、この外装版の異常について九電内では確認していなかったのか。

②剥がした保温材、外装版の写真を公開すること。 

(4)2006年の検査について

① 2006年の検査では、「目視による内部点検と非破壊検査を行い、異常はなかった」と聞いたが、これは間違いないか。目視はファイバースコープによるものか。

②九電の資料では、当該配管の肉厚は3.9mmとなっている。2006年の点検で、保温材をはがして配管の厚みを確認したと報道されているが、2006年の点検では、当該配管の厚みはいくらだったのか。

 

(5)配管破断の可能性について

① 配管が瞬時に破断する可能性もあったのではないか。小さな地震でも破断していたのではないか。また複数の配管が同時に破断するのではないか。

② 配管が破断した場合について、原発全体にどのような影響が発生するか報告すること。

③今回交換する他の15本の空気抜き菅についても、保温材を剥がした状態の写真を公開すること。 

(6)原子炉を止めない理由は何か

① 一次系配管を調べるためには原子炉を止めないとできないのではないか。

②原子炉を止めて何が困るのか。

③営業運転開始が5月以降に延びると報じられたが、1か月以上も原子炉を止めないままのつもりか。

 (7)作業員の安全が第一

2004年8月、美浜原発3号機で二次系の配管破断による蒸気噴出で5人が死亡、6人が負傷するという大事故が起きた。保温材を剥がしたらぺらぺらになっていた配管が瞬時に破断して冷却水が大量に噴出した。今回の玄海3号機でも保温材を剥がして確認しようとして人命が損なわれるような事態が発生した可能性もある。放射能漏れがなくともこのような大事故に至ることがある。作業員の命の安全は心配ではないのか。「安全を最優先に」というのなら、作業員の安全を真っ先に考えないのか。 

(8)専門家からの意見聴取

4月5日、佐賀県の副島副知事から「専門家の意見を踏まえた対応」を求められ、山元取締役は「専門家の意見やアドバイスもしっかり反映させて、対策や原因究明に万全を期したい」と答えた。原発の配管、金属、設備などの問題に詳しい専門家からの意見を聴くべき。市民が推薦する専門家などに意見聴取すること。どう対応するのか。

  

【2】3号機の原子炉容器上蓋の改良型への未交換問題について 

 アメリカのデービスベッセ原発の原子炉容器上蓋に大事故寸前の深刻な腐食が発見された。これにより日本でもすべてのPWR型原発で原子炉容器上蓋の改良型への交換が始まった。

 伊方原発3号機は昨年12月から原子炉容器上蓋の改良型への交換を始め、今年1月には終了している(伊方原発は2014年に交換する予定であったが延びていた)。これにより日本のPWR原発の中で、交換していないのは玄海原発3号機のみとなった(玄海4号機は運転開始時から改良型となっている))。 

①原子炉容器上蓋の状態を具体的に写真や映像で公開すること。調べたが問題なかったということだけでは、到底信じられない。

②九電は原子炉容器上蓋を2013年には交換する方針を発表していて、現在も交換する方針は変更していない。ではいつ交換するのか、具体的計画を示すこと。

※2010年2月8日に経済産業省に原子炉設置変更許可申請をしている。申請書では下記の記載がある。

b、工事期間

許認可手続き及び原子炉容器上ふたの製作期間等を考慮すると、平成25年度になる見通しである。

※平成25年度は2013年であり、伊方原発の交換より1年早い。

③少なくとも原子炉容器上蓋交換が終わるまで、3号機の再稼働は行わないこと。

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要請書

玄海原発3号機 蒸気漏れ事故

原発に慎重な立場の専門家からの意見聴取を求めます

2018年4月6日

佐賀県知事 山口祥義 様

 

玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会/プルサーマル佐賀県の100年を考える会

玄海原発反対からつ事務所/原発を考える鳥栖の会/今を生きる会/原発知っちょる会

風ふくおかの会/戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会/たんぽぽとりで

東区から玄海原発廃炉を考える会/福岡で福島を考える会/あしたの命を考える会

  

3月30日に発生した九州電力玄海原発3号機の蒸気漏れ事故に関して、4月5日、佐賀県の副島副知事は九州電力の山元取締役と面談し、「専門家の意見を踏まえた対応」を求めました。

山元取締役も「専門家の意見やアドバイスもしっかり反映させて、対策や原因究明に万全を期したい」と答えました。

副知事が言うように「現在は、約7年間の停止期間後の再稼働という、これまで以上に慎重な対応が求められている時期」です。

であれば、この機会に、人選に問題のある県原子力安全専門部会の委員だけでなく、市民が推薦し、再稼働同意前に県が意見聴取を行った専門家を含めて、原発の配管、金属、設備などの問題に詳しい専門家からの意見を聴くことを求めます。 

専門家の一人で、元東芝原子炉設計技術者の後藤政志さんが4月20日に所用で佐賀県に来られますが、この機会に佐賀県庁を訪れ、知事に面談したい旨、伺っております。

 県として、配管穴あき蒸気漏れ事故などについて、後藤さんをはじめと上記専門家からの意見聴取をお願いします。

 以上

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