道内外の約1200人が北海道電力泊原発(後志管内泊村)の廃炉や運転差し止めを求めた集団訴訟で、一部原告が14日、津波対策の不備などを理由に同原発全3基の運転差し止めを命じた一審札幌地裁判決について、「原発30キロ圏外に住む原告の請求を棄却したのは不当」として、札幌高裁に控訴した。
原告弁護団によると、控訴したのは一審判決が生命身体の侵害の恐れが明らかではないとした原発30キロ圏外の原告約1160人中、約570人。一審同様に《1》運転差し止め《2》原発で保管中の使用済み核燃料の撤去《3》廃炉―を求める。
5月31日の一審判決は、北電側が安全性の根拠を示していないことを理由に、泊原発の防潮堤は地盤が液状化する可能性があり、原子力規制委員会の基準を満たさないと認定。避難計画策定が義務付けられた原発30キロ圏内の原告44人に対する人格権侵害の恐れがあるとし、運転差し止め請求を認めた。廃炉請求などは退けた。44人は控訴しないが、北電側から控訴されているため引き続き高裁でも主張立証を行う。(角田悠馬)