神恵内村議会では、政府関係機関との会議以前に、すり合わせや予定調和があったのかと
思わせるようなやりとりが垣間見られました。(※UHBニュース動画をご参照ください)
これでは寿都町に比較し、すでに「受け入れの手順までもが整いすぎている」と受け取れ、
道民が諦め、道外には宣伝しているようになってしまいます。
また、沿岸域から海底下への掘削研究事業が新たに提案されていくのではないかや、
幌延の研究計画に新たに500メートル以深で現在の研究と同じことを継続したいと
第一回確認会議内での発言があったため、9年の延長どころではない更なる延長案が出され、
幌延の坑道埋め戻しまで「足踏み」の懸念を抱きます。
幌延の回答書も、寿都や神恵内の文献調査応募検討も住民の意思を軽視した形で進んでいるのです。
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https://www.uhb.jp/news/single.html?id=15109
UHBニュース
村の混乱ぶりが表れた会見でした。
北海道後志地方の神恵内村で9月25日、国などが"核のごみ"最終処分場の選定について村の議会で説明を行いました。
出席した議員から「理解が深まった」との発言も出ましたが、全国で初めてとなる議会での説明。
果たして本当に理解は深まったのでしょうか。
経産省資源エネルギー庁 那須 良 課長:「村議会でこの事業について議論してもらえるのはありがたい」
NUMO 伊藤 眞一 理事:「議員から説明を求める質問が途絶えるまでずっと続けた」
経済産業省とNUMOは神恵内村議会の委員会で、議員と高橋村長に対し、核のごみの地層処分について説明を行いました。
議員からは、高レベル放射性廃棄物の安全性や風評被害を不安視する質問などが相次ぎ、委員会は3時間を超えました。
神恵内村議会 田中 正浩 議員:「我々は文献調査をどうするかの請願で審議している。
きょうの説明では最終的なところまでの説明があった」
神恵内村議会 本間 俊介 委員長:「納得するような説明が行われた。
放射能のレベルがこんなに下がるのだという安心がありました」
納得した気の緩みからか、議員の口から具体的な青写真を思わせる発言が…
神恵内村議会 本間 俊介 委員長:「神恵内の南側の地図を見ると適地があって、そこから海の方に掘り進んでいくと聞きました」
高橋 昌幸 神恵内村長:「そうでないって、そこまで言っていない。海の方に進んで行くとは言っていない」
神恵内村議会 本間 俊介 委員長:「私の勇み足でした」
国が公表した処分に適した場所を示す科学的特性マップを見ると、神恵内村は南側の一部を除いてほとんどが不適地とされています。
これに対して…
NUMO 伊藤 眞一 理事:「(神恵内村の適地の)地上面積はそれなりにあると思っている。地下の坑道をどうするのか調査しながら考えていく」
一方、9月25日の委員会を経て高橋村長は…
高橋 昌幸 神恵内村長:「議会の審議も住民説明会の空気を反映させる。トータルで考えていかないとならない」
応募の方向に向かう議会。村民の民意はどこにあるのか…。
村民向けの説明会は、26日から30日まで4か所で5回開かれます。
以上
NUMO、「失敗」回避へ低姿勢
09/27 05:00
経済産業省資源エネルギー庁とNUMOは神恵内村の住民説明会の冒頭、45分間の予定だった質疑について「質問があれば延長する」と低姿勢に徹した。質疑応答の序盤には、文献調査応募に反対する住民の再質問を遮ろうとしたNUMOの司会者を制し、「ぜひ、ぶつけていただければ、ありがたい」と質問を促す場面もあった。
風評被害への対応でも「いわれのない中傷で、そうではないんだと広く全国に知ってもらう取り組みを徹底する」と強調し、観光PRなど地域振興に力を入れる姿勢も前面に出した。
低姿勢に徹するのは、高知県東洋町が調査に応募しながら住民の反対で撤回した2007年の「失敗例」があるだけに、地域の反対世論を刺激したくないとの思いがある。
特に久しぶりに応募検討に名乗りを上げた後志管内寿都町が住民の反対に直面する中、続く神恵内村は北海道電力泊原発(後志管内泊村)の立地自治体の一つとして国の交付金などの恩恵を受け、「表だった反対世論を聞かない」(エネ庁幹部)との期待感もある。
神恵内村を調査応募に導けば、寿都町など他市町村の呼び水になる可能性もあり、30日まで残り4会場で開く説明会でも慎重に対応する考えだ。(内山岳志)
原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分地選びをめぐり、後志管内の神恵内村と寿都町で、経済産業省資源エネルギー庁とともに住民や議会への説明に当たるのが「ニューモ」だ。ニューモって何だろう。
Q 正式な名前は。
A 原子力発電環境整備機構(Nuclear Waste Management Organization of Japan)。略してNUMO(ニューモ)といいます。英語では「核のごみ(nuclear waste)」と入っていますが、日本語名にはなく、何をする組織か分かりづらいですね。2000年にできた法律に基づいて経産省が認可した法人で、北海道電力など原発を持つ電力会社がお金を出し合って同じ年に設立しました。経産省の監督の下、全国で1カ所の最終処分地の選定から処分場の建設、核のごみの搬入、閉鎖までを手がけます。02年から処分候補地を公募していますが、見つかっていません。
Q どんな組織ですか。
A 職員数は約150人。ほぼ半数が電力会社からの出向者で、北電からも2人が出向中です。理事長は、札幌出身で11年の東京電力福島第1原発事故当時、政府の原子力委員会委員長だった近藤駿介氏(78)が務めています。近藤龍夫・元北電社長の実兄です。近藤理事長は、17年に国が核のごみの処分に適した場所を示す「科学的特性マップ」を公表した直後、北海道新聞の取材に「2、3年以内に(処分地選定調査の第1段階の)文献調査に入りたい」と語っていました。
Q NUMOの運営資金はどこから出るのですか。
A 電力会社と、使用済み核燃料の再処理を行う日本原燃などが積み立てています。つまり元をたどれば、私たちの払う電気代が使われることになります。処分地探しから建設、閉鎖までにかかる費用の総額は約3兆9千億円と見込まれています。
Q NUMOはこれまでも説明会を開いてきたのですか。
A 科学的特性マップの公表後、経産省とともに全国100カ所以上で、不特定の自治体や住民を対象に開いています。ただ、今回の神恵内や寿都のように、実際に処分候補地への応募を検討する自治体で、直接住民に説明するのは初めてです。これまでは多くの国民に核のごみの問題に関心を持ってもらおうと説明会を開いてきました。ただ、17年には参加者の募集を委託した業者が謝礼を払うと持ちかけて動員する「やらせ」が発覚し、一時中断しました。
Q 宗谷管内幌延町の地下施設で核のごみの処分技術を研究しているのもNUMOですか。
A いえ。幌延で研究するのは日本原子力研究開発機構という別の法人です。処分地探しと実際に核のごみを入れる処分場の建設がNUMOの役割です。
Q 今まであまり目立たない組織だったような気がします。
A かつてはNUMOの職員がどこかの自治体を訪れただけで「応募を検討しているのでは」とうわさされるので、表立った動きを控えていたようです。今回は両町村から要請を受けて説明することになりました。今後、もし文献調査が始まれば現地に事務所を開き、処分場を建設する場合は、現在東京にある本部を現地に移転させるそうです。(上野香織、関口裕士)