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NO NUKES,ONE LOVE

「核ごみに関する政府との会合」(第6回)質問内容

「核ごみに関する政府との会合」(第6回)

 

日時:平成29年8月29日 14:00~16:30

場所:参議院議員会館 101号室

主催:核ごみ問題研究会 

    鷲見悟(幌延町議会議員)/宮田まどか(釧路市議会議員)

    /マシオン恵美香(ベクレルフリー北海道代表)/山田清彦(青森県・一万人訴訟団)

    /野村保子(函館・大間原発訴訟)/深町ひろみ(地方自治を考える市民の会)

協力:福島みずほ事務所 ・ 特定非営利活動法人A SEED JAPAN

 

<本会合の次第>  予定時間・話題(出席を打診している省庁)

 

①14:00~14:50(50分)科学的特性マップ (NUMO、経産省、地層処分WG 有識者委員会)

TRU廃棄物以下の放射性廃棄物の地層処分(地層処分WG 有識者委員会・経産省

②14:50~15:10(20分)幌延関連   (JAEA経産省,産総研,電中研、文科省

浜里地区掘削事業/深地層処分研究センター事業終了期限に関する質問/CTBTO設置

③15:10~15:30(20分)NUMO教材案について(NUMO,経産省文科省

④15:30~15:50(20分)室蘭金属加工事業のその後(日本製鋼所神戸製鋼所、日本原電、電気事業連合会

⑤15:50~16:10(20分)再処理関連(日本原燃・使用済燃料再処理機構)

機構の事業主体としての仕事内容・拠出金法に関する質問 

前回から引き継いだ質問・追質問

⑥16:10~16:30(20分)再処理事業(技術)(日本原燃・使用済燃料再処理機構)

再処理事業に関する技術的質問・前回の回答に対する追質問

 

1.科学的特性マップに関する質問 (NUMO、経産省、地層処分WG 有識者委員会)

◆公開されたマップについて

  • 公開された「科学的特性マップ」で、現在、「好ましい特性が確認される可能性が相対的に高い」とされている地域について、科学的特性マップ作成の際ワーキンググループが検討した科学的資料とその出典、その資料の調査対象地域のリストを開示して戴きたい。
  • 海岸沿岸地域をほぼ一律に「輸送面でも好ましい」としているが、陸側に崖が連なる地域や、海側が砂地で遠浅になっている地域は、海運のための専用港を建設できるかどうかも判らないのではないか?
  • 断層帯がある地域の海岸線について、地表に現れていないからとしてそれらが考慮されていないのは不十分な評価ではなかったか?(サロベツ断層帯は44kmとする調査結果があるが、採用しなかったのは何故か?)
  • 北海道が形作られた過去の地震や火山の動きを考慮すると、火山からわずか15㎞程の範囲のみを避けるのでは不十分ではないか? 20km、30㎞ではなく15㎞としたのは何故か?
  • 活断層の存在を認めつつ、配慮する範囲をわずか約1km幅の垂直方向に限定しているのは何故か? また、逆断層の可能性を認めた活断層に対しては、更に広い範囲の塗り分けが必要なのではないか?

 

◆マップ公開後、最終処分地はどのように決めていくのか?

  • 2017年2月14日の会合の回答1-①では、「地震津波・地下水をマップ上は考慮しないが、その根拠を示す」としている。今回、科学的特性マップ公表用サイトにはマップ作成に使用した資料とその出典など、根拠となるデータの詳細が掲載されなかった。その理由についてご説明されたい。
  • 国は法律に定められた三段階の技術的調査(文献調査、概要調査、精密調査)を行い、処分施設の建設に適した場所を絞り込んで選定するとしているが、事業主体と規制機関(第三者)による安全性の客観的評価は保証されるのか?
  • 国は「核ごみ最終処分地選定にかかる合意形成のために地域や国民から意見を聴く機会を持つ」としているが、原発建設の際行われた公聴会パブコメ募集といった、従来通りの形式的意見聴取になるのではないか?
  • 地域自治体に拒否権はあるのか?首長の意見を聴くだけでなく、住民投票国民投票が必要なのではないか?
  • 文献調査の範囲について伺う。港湾から処分場に至る専用道路の建設や、地下水の流れを勘案すると、文献調査をしなければならない範囲が相当広がることが予想されるのではないか?
  • 調査が自治体の境界をまたぐ必要がある場合(該当する自治体とその周辺)、交付金の配分などはどうなるのか?
  • マップ公表にあたり、変更された、あるいは新しく加わったスケジュールはあるか?
  • 今後、「地層処分ワーキングループ」は存続するのか? その場合、どのような意味を持って存在するのか?
  • 処分場に特定された地域に建設される沿岸域からの輸送路が、一般道と交差する場合、その安全性を確保するためにどのような条件をクリアしなければならないと考えられているか?

また、核ごみ輸送車両及び警備車両等の全重量に耐える物理的強度の実現は道路事情を勘案して可能なのか?

・地域自治体の拒否権は、法的に地層処分事業のどの段階まで担保されるのか?

・「廃棄物埋設開始以降の拒否権」を保証するためには、「回収可能性」が欠かせない。

 特に地下施設埋め戻しが始まった後の段階において、回収可能性は技術的に担保されるのか? 

 そのために、現時点でどのような方策が準備されているのか?

・地層処分事業で国は「回収可能性」を担保するとしているが、これと「廃棄物埋設後に、汚染物質のエレベータとなる様な隙間のできない、精度良い埋め戻し」は技術的に両立するのか?

現時点で、そのためにどの様な方策が検討・準備されているか?

・「将来世代の選択権のため、可逆性を担保する」というなら、技術的調査(文献調査・概要調査・精密調査)の各段階、「建設地決定後、処分場が建設開始になった段階」、「施設建設が進み、地下施設への廃棄物埋設が始まった段階」「埋設作業が一応終了し、管理・監視を行っている段階」「管理・監視が終了し、埋め戻しが始まった段階」など、事業進行過程のどの様な段階であっても、地域自治体の拒否権は保証されるべきである。今後、どの様に法律の中に明記されるのか?

 

2.幌延地域関連の質問(JAEA経産省文科省産総研電力中央研究所

浜里地区掘削事業/深地層処分研究センター事業終了期限に関する質問/CTBTO設置

 

  • 7月30日幌延町深地層研究センターでの地元住民の申し入れで、平成31年度内に示すとする研究終了時期について、「工事設計計画に2年、施工開始に年度をまたいだ場合は更に1年、工事完了までには数年かかる」としたJAEAの回答があった。研究課題の完了を優先し、期限を重視せず、設計計画や工事自体を20年という当初予定の期限外に設定するようなこの回答は、三者協定締結時の約束と違うのではないか? 
  • 浜里地区旧音類小学校跡の掘削事業など、開かれた研究と称して資源エネルギー庁が発注する事業が行われているとうかがっている。「コントロールボーリング技術開発に関わるプロジェクト」、「沿岸地域の地質環境特性の調査」、「地層処分実規模設備に関するプロジェクト」について事業内容の説明を求める。
  • JAEAが新たに幌延町(トナカイ牧場敷地内)で受託した事業 CTBTOについて、ご説明されたい。 

3.「電気を作ると出るごみについて考えよう」教育教材案について (NUMO,経産省文科省

  • この教育教材を制作した経産省、NUMOの趣旨を説明してください。
  • 「ごみの発生量」グラフとその説明で、原子力発電によって生じるごみが、あたかも高レベル放射性廃棄物のみであるかのように扱っていますが、燃料の掘削・製造・加工・輸送時に発生するごみのこと、また発電及び再処理等に使用したプラント自体が放射性廃棄物になる事実は、何故説明されないのですか?
  • 文部科学省として、原子力発電の稼働によって出された廃棄物を、他の発電法で生じた廃棄物と同列に、総じて「でんきのごみ」と呼ぶ教育教材が学校現場で使用され、その理解度が教科の評価にまで持ち込まれる事態に発展しかねないことを、どのように認識していますか? また、文科省としてこの教材の取扱いについて、どのように周知していますか?
  • 使用済核燃料の処分方法、放射性廃棄物に関する処分の手法や合意点については今後も国民の議論を要することを経産省も認めていますが、早期に「電力利用者がすべて放射性廃棄物の未来への責任を担う」と結論付けることについて、文科省、学校指導要領などでは、どのように捉えているのか説明してください。
  • このような教材の使用については現場の学校長以下、誰の責任、判断に拠って決められますか?(文科省へ)
  • こうした教材の使用が、現場の教師に義務付けられることはありませんか?

 

4.室蘭金属加工事業のその後 日本製鋼所神戸製鋼所、日本原電)

  • 本年6月末に、昨年から開始された「東海村原子力施設の廃炉で出されたクリアランスレベルの放射性金属廃棄物加工事業」に関する説明会が、室蘭市で開催されたとうかがいましたが、北海道内ではこうした情報がさほど大きく報道されませんでした。道民の理解を得るため、説明会の周知に努めるべきだったのではありませんか?
  • 事業報告会で配布された報告資料などを求めます。

これらを使用し、事業がその後、どのようになっているか説明してください。

  • 製造された余裕深度処分用容器は現在、どこに置かれており、今期以降(将来)は、どこでどのように保管または使用される予定ですか?

 

5.再処理等拠出金法施行後の機構の事業主体としての仕事内容・拠出金法に関する質問 

日本原燃・使用済燃料再処理機構)

  • 9兆円に修正された再処理費用の内訳について説明してください。

(2月13日の説明では再処理費用総額はその時点では当初計画通りであり、「再処理費用の総額は、以前の12.6兆円から上方修正されていない。」という回答でした。)

  • 7500億円ともいわれる再処理工場安全対策費の、調達見通しと回収計画について説明してください。
  • 2月の会合では、新たに発生する使用済燃料分の再処理等費用の拠出金による回収に関する算定式が出されておらず、これから検討するとの説明がありましたが、すでに平成28年度に発生した新たな使用済燃料の分の再処理等費用について、各電力会社から拠出済みとうかがっています。

単位量当たりの費用算定式とその根拠をお示しください。

 

6.再処理事業に関する技術的質問・前回の回答に対する追質問 日本原燃・使用済燃料再処理機構)

日本原燃㈱への質問事項(追加分)

<6-1 再処理工場と核燃料サイクル施設について>

  • 高レベル放射性廃液のガラス固化について、白金族の「詰まり」状態はどのようにして解消されたのでしょうか? 解消されたのであれば、その実験の概要と、実験した日時、及びその報告書を開示してください。
  • 高レベル放射性廃液の危険性と貯蔵タンクの健全性、早期ガラス固化について、事業者として、どのように措置をされていますか? 今後の見通しについてもお答えください。(例えば、ガラス固化施設の改造・拡充などの計画はありますか?)
  • 以前公表された六ケ所村再処理工場にある高レベル放射性廃液の量は240m3とされていましたが、その後公表された高レベル放射性廃液の量は223m3とされています。その差=17m3はどうなったのでしょうか?

 

<6-2.株式会社日本原燃 「会社概況書」の内容について>

(1)2010年10月以降、有価証券報告書の公表を取りやめ、会社概況書のみが開示されるようになりました。なぜ、有価証券報告書を作成して公表しないのでしょうか? (有価証券報告書よりも内容が貧弱です。)

  • 平成27(2015)年度日本原燃(株)会社概況書6ページにおける、事業別の売上高の内容がよくわかりません。特に「再処理事業の売上」とは何ですか? またそれに対応して、同16ページ損益計算書にある「売上原価」には、操業していないのに、いったい何を計上しているのでしょうか? 

ウラン濃縮事業では「ウラン製品売上なし」と書かれているのに、どうして売上が88億円もあるのでしょうか? 

  • 同会社概況書14ページの貸借対照表にある流動資産の有価証券は具体的に何ですか? その保有目的は何ですか?
  • 貸借対照表中の「廃止措置資産」とは何ですか? 21ページ下段に説明がありますが、この説明は不十分です。

そもそも何故「資産」として計上できるのでしょうか? 資産性はあるのですか?

  • これまで六ヶ所再処理工場建設にかかった費用は2兆2千億円程度と言われていますが、同会社概況書14ページの貸借対照表にある有形固定資産は1兆4千億円程度しかありません。残りの約8千億円はどうなったのですか?
  • 同15ページ貸借対照表中の「再処理料金前受金」が対前年度比で約685億円のマイナスとなっています。これはどういうことですか。何故、前受金を前受し、それがどう使われて、どう収支に反映され、何故に残高が大きく減少しているのでしょうか。それは平成27年度のみですか?
  • 同15ページ貸借対照表中の「加工施設等廃止措置引当金」とは、いわゆる「廃炉費用引当金」だとすれば、金額が少なすぎるのではありませんか? 再処理工場は建設に着手して25年以上が経過しています。施設の残りの寿命はそう長くはないと思われますので、このままでは、その間に巨額の廃炉費用を計上しなくてはならなくなるのではないですか? 計上する金額が少ないと、将来、国民負担になるのではありませんか?
  • 同15ページ貸借対照表中の「資産除去債務」と上記「加工施設等廃止措置引当金」とは何が違うのですか?

「資産除去債務」の方は再処理施設とその関連施設以外という理解で良いでしょうか?

  • 同15ページ貸借対照表中の資本の欄について、この「資本」にこれまで計上されてきた「資本金」「資本準備金」「利益準備金」「その他」について、過去の金額推移をお示しください。この金額の大きな変動(減資など)については、何があったのか説明してください。
  • 再処理工場(または日本原燃全体)にかかる過去全期間の「累計(累積)損益計算書」のようなものを開示してください。数字は概略(百~千億円単位)で結構です。

https://asjkakugomi.amebaownd.com/posts/2800239

 

 

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