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「500m掘削案」を認めるな!~6市民団体の代表が道に申し入れ

「500m掘削案」を認めるな!~6市民団体の代表が道に申し入れ (どうする“核のゴミ”〜北海道・幌延から)

 昨日10月22日、北海道庁 経済部環境・エネルギー局へ市民グループが申し入れをしました。この申し入れについて、ブログ「どうする”核のゴミ”~北海道・幌延から

に報告されてましたので、転載、共有します。(リポート:滝川康治さん)

 

申し入れする市民団体代表

10月22日、道内の市民団体の代表10人ほどが北海道庁を訪れ、原子力機構による「500m掘削案」を認めず、
道みずから研究の終了時期を明確に示すことなどを申し入れた(写真)。
翌23日には、幌延“核のゴミ”処分研究をめぐる第3回の「確認会議」が開催されるが、こうした道民の声を受け、
道は毅然とした姿勢を示すことができるのか--。

なし崩し的な研究延長に危機感
申し入れを行なったのは、核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会、北海道平和運動フォーラム、
生活クラブ生協北海道、NPO法人北海道ワーカーズ・コレクティブ連絡協議会、市民ネットワーク北海道、
幌延“核のゴミ”処分研究を検証する会の6団体。
「500m掘削案」は8月31日の確認会議で機構側から突然示され、佐藤隆久座長(道経済部環境・
エネルギー局長)からも疑念の声が上がった(過去記事を参照)。

鈴木知事は今年1月、「2028年度末までの延長容認」を原子力機構に回答したばかり。にも拘らず、
わずか半年余りで新たな掘削計画案が示されたことに、道民たちの憤りが広がっている。
深度500mまで掘削すると、調査の条件はより厳しくなる。「28年度末までの研究」では到底収まらなくなる
ため、危機感を抱いた市民団体の人たちが申し入れをするに至った。

6月には「掘削検討」の説明を受けていた
代表たちから申し入れ書を受け取った、道環境・エネルギー課の北村英士課長は、今年6月の時点で
機構側から、「500m掘削を検討している」旨の説明を受けていたことを明らかにした。

「ならば、第1回確認会議で、『なぜ今回、突然この話が出てきたのか?』と佐藤座長が機構側に問うたのか」
「なぜ、6月の時点で道民に対し、その説明内容を伝えなかったのか?」
と市民団体の人たちが質すが、北村課長は説得力のある説明ができなかった。

「新たな掘削案は、延長された研究とは全く別の新計画になる。道がそれを通すのなら、
後出しジャンケンを認めることになってしまう」
「道がリードして、研究の終了時期を明確にすることが必要だ」
「道が弱腰だと北海道は“核のゴミ捨て場”にされる。『研究だけなら…』と認めてきたから、
寿都や神恵内の話が出てきてしまった」
などと、道に対する厳しい意見が続いた。

北村課長は「(28年度末までの)9年間で研究を終了するようにしたい」と答えるので精一杯。
参加者たちは、あらためて道の弱腰な姿勢を実感することになった。

「申し入れ」の内容は以下のとおり(原文のまま)
 日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」)は、研究期間20年程度として行われてきた「幌延深地層研究」について、研究終了間際の2019年8月に「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」を北海道と幌延町に申入れました。原子力機構は、この計画(案)の期間は9年間としたものの、研究の終了時期は示しませんでした。多くの道民は道民との約束である「20年程度」の研究期間を守るよう求めました。しかしこの声に十分耳を傾けることなく、道と幌延町は「申し入れ」を受け入れたことを決して認めることはできません。
 2020年6月29日に原子力機構は道に「幌延深地層研究計画の昨年度の報告と今年度の計画」について説明をし、道は、この報告と計画に対する「道民からの質問」を募集、8月31日に第1回の「確認会議」を開きました。その中で、原子力機構から、「令和2年度以降の計画」にも「今年度の計画」にもない「500mまでの掘削」を検討する旨の考えが明らかにされました。突然出された原子力機構の考えに道は懸念を示しました。幌延深地層研究では350mまで掘削し調査坑道を完成するまでに10年かかっています。500mまで掘削し調査坑道を作ることは、岩盤にかかる力や地下水の圧力が大きくなり、条件としてもより厳しく危険なものになります。さらに、掘削後にそこで研究を行い成果を上げるとすれば、「令和2年度以降の計画」の範囲内では到底収まらないことが容易に想像されます。
 今年1月24日に道が原子力機構に出した受け入れの「回答書」には、「三者協定に則り研究に当たること、9年間の研究期間を通じて必要な成果を得て研究を終了出来るよう取り組むこと」等の条件を記しています。知事は道議会で再延長の懸念に対する質問に「再び延長があるとは考えてはいないが、仮に再延長の協議があった場合、現在認める考えはありません」と答弁しました。また、道は「3者の協議が整わなければ計画の変更はできず、9年間で終了することを確認会議で確認している」とも答弁しています。
 原子力機構が検討している「500m掘削(案)」は、明らかに「令和2年度以降の計画」の再延長であり、道民に「終了期限のない研究」を認めさせようとするものです。したがって、私たちは道に対し以下の事を申し入れます。

申し入れ事項

 1.北海道は、原子力機構が検討している「500mまでの掘削(案)」を認めないこと
 2.北海道は、自ら研究終了時期を明確に示し、原子力機構に対し終了後の埋め戻し計画を出させること。


ルポライター・滝川 康治)