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北海道と寿都町を核のごみの最終処分場にしないよう求める声明

北海道内の反原子力団体 原発問題全道連絡会が寿都町を核ごみの最終処分場にしないよう求める声明を出しました。以下に報告します。

 

寿都町長が、核のごみの地層処分場建設への第一歩となる文献調査に応募の検討表明を行った問題で、
原発問題全道連絡会が15日、声明を発表、これを首相、北海道知事、寿都町長宛に送付しました。

 

<声明>

北海道と寿都町を核のごみの最終処分場にしないよう求める声明

―深地層処分場建設への重大な一歩・寿都町長の文献調査応募検討表明には賛成できませんー

町財政を見据えというが、町と町民の未来、命・暮らしを脅かす

 寿都町の片岡春雄町長が8月12日、将来(10年先)の町財政を見据え、核のごみの深地層処分場建設への第一歩となる文献調査に応募を検討と表明したと、13日にいっせいに報道されました。報道によると片岡町長は、6月定例議会閉会後に町議会議員に表明、さらに町内の経済関係5団体幹部にも説明するなどして、8月中に町民への説明会を行って正式に表明したいと急展開の動きを見せています。これは政府・経産省が、2017年7月末に深地層処分の適地を示すと「科学的特性マップ」を公表後、全国初の自治体首長の応募表明でありことは重大です。片岡町長は、町と町民のためを考えて応募すると述べたとされていますが、核のごみの深地層処分事業は、人が近づけないほど放射線量が高くかつ高温を発しているガラス固化体を収納したステンレス製容器(キャニスター)を、多くの作業は遠隔操作で地下300㍍以深の深地層に埋設する危険を伴う困難な作業とされ、むしろ町の未来と町民の命と暮らしを危うくし、周辺自治体や後志管内に危険と風評被害を広げ、過疎と地域の衰退を招くのでないでしょうか。泊原発に続く核のごみの最終処分場誘致は、泊村が村財政は潤ったが過疎と高齢化が進行し、買い物にも病院にも不便になったといわれる事態を寿都町や南後志地域にも再現することになるのではないでしょうか。

核のごみの深地層処分方針には国民合意がない

  片岡町長は、この間、国や道から核のごみの深地層処分方針とその進め方について説明を受け、第一段階の文献調査応募で最大20億円、第2段階の概要調査受け入れで70億円、合計90億円の交付金を国から受けられるので、町財政の将来を見据えて応募するとの考えだと報道されています。

 しかし、政府・経産省の核のごみの深地層処分方針は、国民合意がないものです。現に、日本学術会議は2012年の「回答」と2015年の「提言」で、「原発をめぐる大局的政策についての合意形成に十分取り組まないまま高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定という個別的課題について合意形成を求めるのは、手順として適切でない。逆転している」(2012年)とか、「高レベル放射性廃棄物の処分に関する政策提言―国民的合意形成に向けた暫定保管(①暫定保管の方法は、…乾式(空冷)で、‥地上保管が望ましい。➁暫定保管期間は原則50年)」(2015年)などを提起しています。また、政府と原子力発電環境整備機構(NUMO)が進めている地層処分についても、2011年の東日本大震災で明らかになったように、地震列島で火山列島の日本に、核廃棄物を深地層に数万年以上も安全に保管できる地層はなく、むしろ危険なことだと明らかになったのではないでしょうか。

学者や研究者、専門家の意見や見解もよく聴取して考慮に入れるべき

 片岡町長は、こうした学者や研究者、専門家などの意見や見解もよく聞いて、危険極まりなく世界的にも未確立な高レベル放射性廃棄物の処理・処分について、本当に町のため町民のためになるのか、しっかり再検討すべきではありませんか。町財政の将来を見据えてともいわれますが、長年にわたる国による地方切り捨て政治や、平成の大合併による地方財政圧縮・削減など、地方財政を切り捨ててきたやり方を直視し、地方自治を拡充する見地から地方財政制度の改革を求めるべきではないでしょうか。国の交付金目当てに、危険な迷惑施設を安易に受け入れるのでは、真に将来を見据えた地方財政対策とはならないでしょう。むしろ禍根を残すばかりではないでしょうか。

 北海道を核のごみの最終処分地にするな!の声を国・道に上げよう!

寿都町長は、文献調査応募検討表明を撤回し、核のごみ捨て場のない町づくりを!

北海道には、「…特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れがたいこと

を宣言する」条例があります。この条例を遵守し、核のごみの最終処分場のない安心安全な北海道と寿都町を実現するよう、政府と北海道、寿都町長に求め、ここに声明を発信します。

  

戦後75周年の節目の日に

    2020年8月15日 原発問題全道連絡会