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知事への要望書に対する北海道からの回答(泊原発を再稼働をさせない北海道連絡会)

 昨年12月12日に、「泊原発を再稼働させない北海道連絡会」として、道知事への面談要望書を提出しました。その要望書に対する道知事からの回答文が届きました。
 (※幹事会は北海道との間で、回答文に対する面談要請日程を調整する予定とMLでお知らせがありました。ベクレルフリー北海道は連絡会に加盟しています。)

 以下に北海道からの回答を公開します。

■ ■ ■ ■ ■

 

環 エ ネ 第 1 3 8 5 号           令和2年(2020年)1月7日

 泊原発を再稼働させない北海道連絡会

 代表  市 川  守 弘  様 

                   北海道知事 鈴 木  直 道

知事への要望書に対する回答について

 令和元年(2019年)12月12日付けでご提出いただきました要望書について、別添のとおり回答いたします。

担当:経済部産業振興局環境・エネルギー室エネルギーG             

   総務部危機対策局原子力安全対策課企画防災G     

        電話:011-204-5361(環境・エネルギー室)     

 

1 私たちと直接面談をしてください

 鈴木知事は、就任あいさつの中で、「率先して地域の中に入り、地元の方々の声に耳を傾け、多くの方々と連携しながら、目標に向かい、一丸となって進んでいく必要があります。私自身も、共に考え行動しながら様々な政策を推進してまいります。」と述べられています。泊原発が再稼働した場合において、万一地震等の災害が原因となって重大事故が発生した際には、福島第一原発の事故を見ても明らかなように、放射性物質の放出により、その被害は北海道全域に及ぶ可能性が否定できず、その場合には北海道のあらゆる地域の住民の生命、健康への被害のみならず、すべての地域の経済活動への障害となることが明らかです。

 したがって、まず道民の泊原発に対する考え、思いに耳を傾けていただきたいのです。そのために、まず私たちと面談し、私たちの声を直接聞いてほしいと願っております。

【回答】

原発の再稼働については、福島第一原子力発電所の事故を受けて、不安の声など、さまざまなご意見があると承知しております。

原発に関しては、これまでもさまざまな団体、個人からご意見・ご要望をいただいており、これらについては、担当部署である経済部産業振興局環境・エネルギー室や総務部危機対策局原子力安全対策課が、責任をもって対応させていただいております。

〇 道としては、引き続き、道民の皆様の声の把握に努めてまいりますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

 

2 事故が発生したら避難できません

 鈴木知事は、北海道の策定した原子力災害の際の避難防災計画(以下「計画」)について目を通しておられると思います。泊原発地震などの災害を原因として重大事故を発生させた場合(複合災害)において、北海道の計画ではその原因となる地震等による倒壊家屋数、主要道路(国道、道道)等の崩壊箇所数、橋梁の崩壊数を前提とした計画になっていません。ちなみに北海道では平成30年2月に北海道における地震津波被害の想定調査報告書(「想定調査報告書」)を発表しています。ここでは193断層の31地震について、倒壊家屋数、崩壊道路・橋梁箇所数等、地震被害の調査を行っており、昨年の胆振東部地震もこの想定調査報告書の想定地震として含まれていました。しかし、残念ながら北海道電力泊原発に影響を与える可能性があるとする断層による地震については、この想定調査報告書には一切の記載がありません。

 そもそも、泊原発の事故の原因となりうると北電が考える地震が、想定調査報告書では全く調査されておらず、どのような被害が想定されるかもわからない現状ですから、その地震による住民の避難計画などは策定しようがありません。

 つまり北海道の策定している原子力災害の際の避難防災計画は、泊原発の事故に即した計画ではないのです。これでは住民はいざという時に避難できるはずはありません。  鈴木知事とお会いして、直接、住民に重大な影響を及ぼす具体的な問題点をお話ししたいと思います。

【回答】

○ 道が平成30年2月に公表した「平成28年地震被害想定調査結果報告書」では、国の調査報告などを踏まえ、各管内に特に影響のある24地震54断層を選定し、地震による被害想定調査を実施しましたが、道としては、近年、大規模化し複合化する自然災害に備え、災害の態様に応じた警戒避難体制の整備など、防災・減災対策の充実・強化に不断に取り組んでいく必要があると認識しています。

  

○ こうした中、道とUPZ内13町村では、避難計画や国の了承を得た「泊地域の緊急時対応」において、地震等と原子力災害による複合災害が発生し、道路や橋梁の損壊などにより避難経路が不通になった場合に備え、あらかじめ代替の避難経路を定めているほか、避難行動により人命を危険にさらすリスクがある場合には、自宅や指定緊急避難場所での屋内退避を優先し、その後、道路状況等を確認の上、避難を行うこととしています。

加えて、孤立集落が発生した場合など、陸路による避難が困難な場合には、自衛隊などの実動組織の支援を受け、空路や海路による避難を行うこととし、毎年度、様々な事態を想定した原子力防災訓練を実施しているところであり、今後とも、より実効性の高い原子力防災体制の構築に向け、不断に取り組んでまいります。

 

 

 

原子力規制委員会の審査は別の話です

 鈴木知事はすでにご存じのとおり、高橋前知事は私たちの多くの質問に対し、「原子力規制委員会における厳正な審査が継続中であり、予断を持って申し上げる状況にはありません」と回答を繰り返しました。

 しかし、私たちの質問は、北海道知事の権限の範囲における知事の職責としての行為に関する質問でした。高橋前知事の回答は、結局は私たち住民の声を直接聞くことを拒否しただけでなく、自らの職責についても曖昧にしたものと言わざるを得ません。

 私たちは、鈴木知事に対して、泊原発の再稼働問題について、北海道知事としての権限の範囲における知事の職責の問題として、面談したいと思います。したがって、北海道庁外の他の機関についての話ではありませんので、その点誤解なきようお願いいたします。

【回答】

泊発電所については、現在、規制委員会における厳正な審査が継続中であり、予断を持って申し上げる状況にありません。

原発は安全性が確保されることが大前提であり、原子力規制委員会において、最新の知見を反映した厳格な基準に基づき、厳正な審査を行っていただくことが重要と考えます。

 

 

福島第一原子力発電所をぜひ視察してください

 私たちが泊原発について想定していることは、実際に発生した福島第一原発事故の被害に基づいています。鈴木知事におかれてもまずは福島で何が発生したのか、また県民が様々な苦痛に苛まれている事実をその目でご確認いただきたいと思います。鈴木知事が福島第一原子力発電所を早急に視察されることを願ってやみません。

【回答】

○ いただいた要望は、今後の対応を検討する上で参考にさせていただきます。

 

 

以上