東日本大震災後の新規制基準では、約12万〜13万年前以降に動いた断層を活断層とみなす。泊原発の敷地内には11本の断層が確認されているが、このうちの一つ「F―1」断層が審査の焦点になっている。
北電は、F1断層と同じ時期に動いた小断層の上部にある地層の年代を示すことで、F1断層は活断層ではないと証明しようとしている。具体的には、小断層は33万年前より古い地層にズレなどの変化を与えていないため、小断層もF1断層も、この地層ができる前に動いている。つまり活断層ではないという主張だ。
これに対し小野氏は会見で「北電は自らの主張に都合の悪い事実を隠している」と批判した。小断層の上部の地層が大きく乱れていることから、土壌が凍結と融解を繰り返す「周氷河作用」が起きたと指摘。地層の境界面で小断層がピタリと止まったまま残ることはむしろ不自然自然自然だとして、「小断層やF1断層は、上部の地層が形成された後に動いた」と主張する。
さらに、北電が公表している地層のCT画像を詳しく見ると、実際には小断層は上部の地層の内部まで延びていると指摘。上部の地層ができた後に断層が動いた「決定的これが事実なら、小断層がいつ動いたかは特定できず、約12万〜13万年前以降に動いたことも否定できないため、「活断層」になるとしている。新規制基準では、活断層が原子炉など重要施設の直下にあれば再稼働できない。F1断層は直下にないとされるが、地震に備えて大幅な耐震工事が必要となる。
泊原発敷地内の断層をめぐっては、北電は当初、火山灰の年代をもとに活断層ではないと訴えたが、周辺の地層から火山灰が見つからずに断念。その後の主張も認められず、規制委は昨年2月の審査会合で、「活断層の可能性を否定できない」との見解を示した。これを受け、北電は敷地内で斜面を切りひらく開削調査を新たに実施し、現在の主張に転換した。
規制委の石渡明委員(元日本地質学会長)は昨年11月に泊原発の現地調査を実施し、北電の主張の妥当性を評価しつつ、「まだ不足な点がある」として追加北電は2月下旬に提出する予定で、その後の審査会合で結論が出る見通しだ。