becquerelfree’s blog

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立憲民主党「原発ゼロ法案」に乗り切れない理由

脱原発原発廃炉を求める市民運動が、躊躇し、様子見している

立憲民主党原発ゼロ法案」に乗りきれない理由

                         ベクレルフリー北海道

原発ゼロ法案の骨子の総てが悪い訳ではありません。ただ、このままでは支持されないであろうと心配するあまり、不備な点を指摘する趣旨で書きました。

核ごみの取り扱いについては原子力防災の知見から命たちの未来を守るために、機密なしかけが必要であり、特に難儀な使用済燃料の取扱いについては慎重な議論が必要です。このメモを発信した直後から仲間割れをつくるつもりなのかとのご批判もうけましたが、党の面子よりも、核を所持してしまった我が国の選ぶべき道を敵対せず、みんなで同じテーブルについて考えるべき時なので、まずは、現在発表されている骨子と見比べていただき、それぞれがお考えになったことを立憲民主党本部や各地のタウンミーティングで出されると良いでしょう。以下に記します。

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1.「再処理等拠出金法をまずは廃止する」と約束するべき。

◆「脱原発法を先に拙速に可決してから後で使用済燃料の管理保管方法の詳細を決める」などと嘯いても、誰も信じない。「我が国は再処理しない」とするのであれば、2015年5月11日に採決し、省令で進めてしまった「再処理等拠出金法」を廃止にすると約束しなければならない。加えて、使用済燃料再処理機構の在り方も検討すると約束することが必要。

これを自公民で成立させた責任は、昔の民主(現 立憲民主・民進希望の党)にもある。

◆「再処理費用の中に、TRU廃棄物の最終処分費の一部や、MOX燃料加工費(大間原発で使う危険な原発の燃料)を無理やり回収できるようにしたことは国家的な詐欺と非難の的」であり、危険な再処理事業を止めるとするならば、少なくともMOX燃料は再処理事業費には含めないと明言しなければ理屈に合わない。

◆また、TRU廃棄物の最終処分については、最終処分法の中で、管理保管の詳細、係る経費の回収の仕方を考えるべきであり、そもそも、仕分けが間違っていた。

上記の理由から、立憲民主は脱原発法の拙速な成立を強引に行う以前に、まずは、あの時点の判断(再処理等拠出金法を自公らと共に採択してしまったこと)が間違いだったことを認め、国民に謝罪することからはじめなければ、再び党としてリベラル派の国民からの信頼を得ることはできない。

◆拙速に原発ゼロ法案を立憲民主党だけで成立させようとするには無理がある。

立憲民主のタウンミーティング内だけの論議にせず、超党派でオープンな議論をするべきではないか? 

 

2.エネルギー基本方針を見直すことが最優先なのではないか?

この骨子の内容では、核ごみ保管と最終処分について提示しておらず新規さに掛ける。 今回だされた骨子には、使用済燃料という言葉は(第五 基本方針の2と 3の④に)2度のみ出てくるが、現政権でさえも核ごみの管理は適当で良いとは言っておらず、この骨子と同様に「安全に適正に管理する」としている 

◆もっと踏み込んで、その後、少なくとも特定放射性廃棄物第二種(高レベル放射性廃液)を、どうするのが理想かを提示すべきではないか?  少なくとも、使用済燃料の乾式貯蔵などによる一時貯蔵、中間貯蔵を含む方法と記載しても罰が当たらないのではないか?  すでにガラス固化されている特定放射性廃棄物第一種について、これまでは「深地層処分が最善」としているが、そのほかの方法の可能性を示すことが必要。

◆自公がこれまで最終処分地選定などという重い問題を、核ごみ(特定放射性廃棄物第一種「高レベル放射性廃棄物」ガラス固化体の最終処分についてのみに矮小化してしまったがゆえに、このままでは指定廃棄物を含む「あらゆる区分の放射性廃棄物に対する取扱い」が、ずさんになる可能性が、すでに心配されている。

◆クリアランスレベルなどという基準値の引き上げがあったために、国民の実際の不安は、「生活圏に区分の異なるさまざまな放射性物質が入り込んで拡散され、多重放射線被曝が放置されてしまうのではないか」との危惧がある。

放射性廃棄物からなるべく影響を受けないよう防護するため、放射性物質を拡散しない工夫を示す必要がある。

◆エネルギー基本方針では「使用済核燃料は全量再処理」することとしているが、法律上は、全量再処理とまでは規定されていない。(2017年2月13日経済産業省の回答では、)将来、新しい方法が見つかり、国がそれを選択したとき、新システムにただちにシフトできるよう、法律の立てつけ上、全量処理とは規定されていないという説明があった。最終処分については、法改正や新規法案成立よりも、エネルギー基本方針を見直すことが最優先なのではないか?

 

拙速に成立を進めようとすれば、市民運動の結束力が削がれ、現政権側に有利になることも危惧する。 以上

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