第4回 主要原子力施設設置者(被規制者)の 原子力部門の責任者との意見交換会が昨日11月9日に持たれた。グリーンピースジャパンさんが神戸製鋼部分の発言を報告されました。
これまで室蘭市の金属加工事業を追ってきたベクレルフリー北海道としても、この情報を共有します。
九州電力中村原子力発電本部長による報告
不製品の原子力施設での共有の有無
神戸製鋼が自主的な点検をして、10月はじめに不正品について公表。
これまで安全上問題となる事案は確認されていない。
525社のうち470社が安全確認して、神戸製鋼が公表。
原子力関連については東京電力福島第二と日本原燃への2件、いずれも未使用品。
不正が行われたことが確認された神戸製鋼の製品は、 現在供用中の原子力施設において使用されていない。
原子炉施設への安全性への影響
原子力施設の設計建設時の電力の品質管理で、原子炉冷却材圧力バウンダリや原子炉格納容器バウンダリといった安全上特に重要な設備に ついては、余裕を持った設計をしている。
、内作・据付時の寸法検査や耐圧漏えい、機能・性能確認に至るまで事業者立会で検査を実施している。
運転実績ということで、 使用前検査や定期事業者検査等により、各施設の安全機能並 びに健全性を確認していることに加え、これまで十分な安全運転実績を重ねている。
このようなことから、現時点において、今回の神戸製鋼所による不正問題については、原子力施設の安全性に対し、直ちに重大な影響を与える問題ではないと判断している。
電力自主調査の状況
新規制基準対応設備についての電力自主調査の状況。
再稼動に向けて使用前検査段階にある大飯3、4号と玄海3、4号の神戸製鋼の製品の健全性について、順次自主調査を行っているところ。
新規制基準対応として新規に設置した設備において、神戸製鋼所製品が使用され ている溶接部や一部の銅・アルミ製配管等について、電力とプラントメーカが神戸製鋼所関連の各工場に立入調査し、製品プロセスの確認やミルシートと元データとの照合をするなど、現時点で電力として実施可能な最大限の品質管理を実施すべく取り組んでいる。
神戸製鋼所の幹部に対しても、数回にわたり直接状況を聞き取ることを実施、関連の立入調査の協力等も依頼している。
立入調査の例
神戸製鋼所の溶接事業部の茨城工場、品質マネジメント部に立入調査をして、品証の流れ、部品の流れの確認をした。
検査プロセスの確認ということで、データへの人の関与や、データベース管理状況の調査、判断などの独立性にポイントをおいて確認した。
溶接棒の流れでは、製造部門とは違う試験検査組があり、製品がでてきたら試共材をつくって検査をする。分析担当と機械試験担当がおり、メインは機械的に自動的に検査結果が出るようになっているが、一部化学分析については、二人で行い、結果をダブルチェックしている。
機械試験の結果については、測定したら自動的に機械に入り判定をすることになっている。
最終的には、承認は、別の部門のQ A担当がミルシートを発行していることを確認し、溶接部門で不正等は起こらないことを確認した。
システムの確認とは別に、電力が持っているミルシートと工場の元データを改ざんされていないかを確認することとしている。元データは3年とかである程度限られるが、一応あるものについては確認をやっている。
独立した手順で検査、確認がされて、改ざんの問題がある点は確認されなかった。
溶接部門については製造された溶接棒については、製品、品質に問題ないことを確認した。
現時点において、原子力施設に重大な安全上の影響を与えるものでないと考えているが、引き続き、神戸製鋼所の調査結果および外部調査委員会の調査結果を踏まえながら、電力として主
体的に調査を行う。
溶接部門以外も、立入調査し、ミルシートがあるものに関してはチェックしていく。
新たに有意な事実が確認された場合等には、速やかかつ適切に対応してまいりたい。
規制委員:非常に不満足
山中原子力規制委員:
報告に非常に不満足。
規制当局から尋ねたのは当該事業者が運用している安全上重要な部分で神戸製鋼の部材が使われてないかどうかを聞いた。安全上どうか、または、不正部品があるかどうかではなく、神戸製鋼製の部材が使われているかどうかを聞いたが、その観点からの答えがない。
素材メーカーで不正が発覚して一ヶ月。
重要な部材についてどういう部材が使われているかどうか把握されているはず。
その点をイエス、ノーで答えられないか
安全上重要な設備の主要な部分で神戸製鋼の部材は使われていない。
ただし、溶接棒で使われているために、溶接棒の検査をした。
部分的には、新規でつけたものでは窒素の管のマニホールドなどで銅製のものが使われていたが、今回不正があったようなところでの工場の品物は使われてないと確認している。
山中原子力規制委員:
確認だが、原子炉のPWRの1次系の圧力バウンダリに神戸製鋼の部品は使われていないということでいいか
川内原発では使われていないケースもある。使われているケースはある。
それは配管とか、格納容器のテンドンというひっぱるやつ、そこには使われている。
それはかなり古い、建設して何十年も経っているから。それはそれでリストアップはできている。
それについては、不正のあった工場で作られたものではないという確認はできている。
その切り口からの説明もできるようになっている。
今、神戸製鋼が最近の1年間ぐらいに重点的に起こったという話しからスタートしているので、これ30年くらい前の話しなので、今、使っているやつ、新規制基準で改造した部分をまず、見に行くという観点で今調べている。
全体としてはこれくらいしか使っていないというのは、おさえている。
古いのでデータがないところは、その工場がどうか、という確認はしている。
山中原子力規制委員
質問にストレートに答えていただきたい。こういうところに使われている、という。
安全上ただちに問題があるわけではないという見解でいるので、部材が使われているか、どこに、を把握する必要がある。そういうリストをきちんと出していただいてコミュニケーションとっていきたい
一部調査している。途中段階。
過去のデータまでさかのぼって調査しているので、分かり次第お示ししたい
伴原子力規制委員
技術的な問題であると同時にコミュニケーションの問題
部材が圧力バウンダリとかに使われているかという、それは、調達管理がなされているなら、トレースできるという問いでもあった。それを答えてもらえれば、調達管理できていると判断できる。それができないと調達管理ができていないということになる。
再稼働に向け使用検査前のプラントを順次自主調査となっているが、使用前検査対象の設備については、当然工事計画認可通りに作られているのが使用前検査を行う上での前提となるので、当然どういう材質のもので作られているのかが、事業者でちゃんと確認されているのでなければ、我々は使用前検査を行うことができないものであると考えている。
それに加えて原子炉等規制法上は、技術基準適合義務がかかっているので、材質上の問題が懸念されるということになれば、当然事業者として確認する必要があるものだと思っている。
保安活動を見る立場として我々はしっかりと対応していかきゃならないと考えているので
その旨で対応いただきたい。
神戸製鋼が不正があったどうかを調べており、ほぼ出たかと。その範囲では、大事なところに使っている部材で問題があったわけではない。
今使っているのが大事だから先に話したが、こことここで使っているという整理はできる。
不正があったわけでも、不正があった工場からのものでもない、というのはわかっている。
それは説明したい。
伴原子力規制委員
不存在証明を求められているような部分があるが、問いに対して直接的な回答をいただきたい。
どういう考え方でこういう順番で取り組んでいる、ここまでわかっている、という発信の仕方であれば、理解できる。お願いしたい。