becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

2018年10月22日 北海道原子力防災防災訓練の 実施要綱

10月22日に泊原発周辺自治体と北海道が行う北海道原子力防災防災訓練の
実施要綱がようやく15日に出ました。
以下をご覧ください。
 
先日、10月9日に道庁でお訪ねしたときには明かされていなかった「訓練の想定」を真っ先に確認しました。
 
【訓練想定】
後志地方に台風が接近し上陸する中、北海道電力株式会社泊発電所3号機において、定格熱出力一定運転中、 原子炉冷却材漏えいが発生し、原子炉が自動停止に至る。 
その後、非常用炉心冷却設備が作動するが、何らかの設備故障等により同設備による注水が不能となり、
全面 緊急事態となる。さらに事態が進展し、炉心損傷に至り、放射性物質が放出され、その影響が発電所周辺地域に 及ぶ。 
 
 ※定格熱出力一定運転中、原子炉冷却材漏えいが発生し、避難命令を出すが、台風が迫っているので、逃げるのが困難 という設定なのだと解釈しました。
 すると、やはり基本は「住民は屋内退避」が基本となってしまいます。
 
 毎年行っている泊村、共和町住民の避難訓練内容については昨日、泊村の住民から直接郵便で情報をお届けいただきました。(写真ですが、急ぎ、添付します)
 泊Mら周辺自治体の訓練内容とともに、札幌の「避難場所」ではどのような内容となっていたか、報告のため、手分けして参観します。
 
 原子力事故が起こった際には札幌市民も避難するような事態になるとは思います。
 もしも自分だったら・・・と思いながら、そうした場所を参観し、その情報を寄せ合うことが大切だと思い、道民視察団は6年間、欠かさずにこの訓練内容に対する質問、要望を道庁担当部署課に出しています。

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脱原発株主が北海道電力にブラックアウトに関する質問書を提出

10月15日午後1時 北海道電力本社ロビーにて、脱原発をめざす北電株主の会が全道広域停電に関する「質問書」を提出しました。以下に内容を報告します。

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平成301015

北海道電力株式会社 真弓明彦 様

脱原発をめざす北電株主の会

代表 小林 善樹

事務局長 関根 達夫 

                                              

9月6日の胆振東部地震後に全道広域が停電となった原因について調査する第三者委員会が設置されたとの報道がありました。ブラックアウトから復旧までの流れを北海道電力としても検証していることと存じます。

今回の事態によって、全道の経済に大きく打撃を与えたこと、本会社にとっても経営を揺るがすものであったことは容易に推察できます。今回の事態に関連して、株主であり電力消費者として疑問を持ちました。

以下に質問項目を挙げましたので、お答えください。

 

質問内容

1.通信網の障害による、送電への影響はあったのか。障害があったのは具体的に何処か。

2.苫東厚真2号、4号の自動停止と日高・狩勝の送電線の故障だけが、ブラックアウトの原因か。他の変電施設の故障はあったのか。

3.厚真付近の斜面は殆ど崩壊している。この地域を通過する送電線鉄塔の倒壊はあったのか。倒壊箇所数は何か所か。

4.地震発生後の3:09。 送電量が78万kwから34万kwに下がっているが、道東からの送電線が切れたためか

5.地震発生前後の稼働水力発電所とそれらの出力を教えてください。

6.その他電力51万kwの内訳を教えてください。企業、他電力の割合。発電種別(水力、火力、再生エネなど)

7.地震によって故障した水力発電所はあったのか。

8.152万kwを強制停電させたというが、それ以上にしなかった理由は何か。

9.泊原発の外部電源は9時間後に復旧しているが、何処からの電力で賄ったのか。(北本連系についてはどうでしたか)

10.泊原発が稼働していれば、今回のようなブラックアウトは回避できたと考えているのか。

 

これらの事柄が公表済みならば、何月何日のどの公表資料に書かれているか示してください。

以上

北海道電力 ブラックアウトの原因 電圧の調整に関する考察

ブラックアウトの原因 電圧の調整に関する考察

今回の全道広域停電の理由は電力量の不足ではなく、送配電の調整(緊急時のシステム設定デザイン)の不足。要するに、過酷に対応する予測や練習が足りなかった。

【負荷追従性】電圧調整
負荷追従性というのは、瞬間レベルでの追従であり、分単位の話ではない。
 (送電に於ける)「同時同量」という大原則は瞬間 レベルで維持しなければならない。
許容範囲は周波数で厳密に、プラス・マイナス0.3Hz。プラス・マイナス0.6%。
 負荷が増えると周波数は下がろうとし、減れば上がろうと する。負荷の変動に応じて許容範囲以内に納まるように調整しなければならない。
 電圧の微妙な調整を弁の開度調節だけで瞬間的におこなえるのは燃料量を燃やすなどの措置が必要ない水力のみ。

音別のガスタービンは燃料が軽油。軽油をガス化し、加熱・圧縮という過程を必要とする。負荷追従性は水力に比較して、当然劣る。
LNG複合発電方式(石狩のを含む)も高圧ガスとはいえ低温ですから加熱の過程が必要。拠って水力には敵わない。

北電の当直員の判断介入できる余地はなかったと思われる。
負荷の切り離しはプログラム化されおり、そのプログラムの設定範囲を超えた発電能力の低下であったために対応することは下事実上、出来得なかったことが推察できる。

つまり、北電のプログラム設定に過ちがあった(想定される事故に対する措置の範囲を超えていた)ということか。

北電 真弓社長は、「苫東厚真の3基同時停止という事態は想定していなかった」と告白している。(指摘されていたのに対処を先送りにしてきた)


ブラックアウト回避対策案

1. 揚水発電所の上部タンクを常に満水状態に保持しておく。
弁を開ければ直ちに発電開始できる状態を保持して置く。
水面からの蒸発量を補充するために小容量の揚水ポンプを常時運転し、オーバーフローさせておく必要がある。オーバーフローさせた水で小容量の発電を常時おこなう。
経済的に言えば損失だが、発電予備力を常備しておくための保険料と考えて措置すべき。
揚水発電機は現在4基、合計80万kWあり、更に20万kW1基の増備計画中。

2. 適切な規模の発電所を分散配置する。
適切な規模とは、最少負荷の10%程度、つまり35万kW程度と考える。50万kW以上というのは過大。
石狩湾のLNG発電機3基も過大で、集中しすぎ。
原発とは違って、放射能の問題はない。既設の電気設備利用を検討すべき。

 

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平成30年度北海道原子力防災訓練の実施(10月22日)

地震と停電騒ぎで情報を追いきれていませんでしたが、
道庁原子力安全対策課が9月5日にHPに情報を公開していました。
本年も脱原発の仲間(道民視察団)でルートと地域ごとに分かれて原子力防災訓練の参観をします。

平成30年度北海道原子力防災訓練の実施について
 この度、北海道と関係町村(泊村、共和町、岩内町神恵内村寿都町蘭越町ニセコ町倶知安町積丹町、古平町、仁木町、余市町赤井川村)では、北海道電力(株)泊発電所における原子力災害に備え、平成30年10月22日(月)原子力防災訓練を実施します。
 
訓練内容を告知するリーフレット
 
道民視察団へ 参観などご協力をいただける方は、ご連絡ください。
道民視察団(代表 太田規之) メールアドレス: pcplan@sun.px.to
  カンパ 振込口座 : ゆうちょ銀行 普通預金 口座番号  19270ー3146631  
             口座人名義 マシオン恵美香
 
 
今回の全道大停電で、どの電力会社と契約しようと、北電が送電について地域独占していることがお判りいただけたでしょう。
原発事故ではなくても外部電源は喪失します。泊が審査中で稼働停止だったのは良かったですが、
相変わらず、使用済燃料の冷却のために迅速に独自の電源システムへの接続が必要でした。
住民として今後も、何かある度に、使用済燃料が安全に確保されるかどうか、何か起こる前に避難する判断ができるかを意識しておかねばなりません。
原子力防災避難訓練の内容は、そのために「磨かなければならない」ものであり、「どうせできない」などと、ただ馬鹿にしていてよいものではないので、毎年参観し、北海道に対して、気付いたことを質問したり、要望しています。

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原子力損害賠償法の見直し(案)のパブリックコメント(締め切り9月10日に迫る)

原子力損害賠償法の見直し(案)のパブリックコメントの締め切りが9月10日に迫っています。 

以下のリンクから投稿できます。

https://form.cao.go.jp/aec/opinion-0048.html 

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095181080&Mode=0 

詳しくはeシフトのHP 

http://e-shift.org/?p=3634 

をご参照ください。 

北海道全域停電(胆振東部地震)から学ぶべきこと

今回の北海道全域停電(胆振東部地震)で判ったこと
「稼働停止中でも泊原発の使用済核燃料は最大級の不安要因」
 北海道の広域停電は、まだ4割程度の復旧率ですが、東北海道・釧路市の一部は今朝5:50位に通電再開されました。釧路管内釧路町などを含む大部分がまだ停電中で通常の生活に戻れていません。
 (※7日午後には世耕計算大臣が8日中には全道中の通電を再開できる見込みと発表した)

今回の大規模停電で明確に判ったこと、考えたことを以下に記します。
  今回は160万キロ級の火力発電が失われたことが原因だったが、発電方法に拠らず、大出力の発電所原発を含む)に頼ってると、瞬時の調整が間に合わずブラックアウトが起こる可能性がある。
  もしも、泊原発が事故を起こした場合には更に放射能災害への対応を考慮しなければならないのに、避難のための移動手段は全て断たれてしまうことが明確になった。JRや飛行場はもちろん、ガソリンスタンドも電力喪失のため、営業しなかったし、バス会社も朝の段階で終日、配車を取りやめた)
別の発電所が事故を起こしたとしても、広域の停電が起こった場合、泊原発の使用済燃料の冷却は常に優先課題となる。
  北電との契約を破棄し、ほかの電力会社の消費者となっても、各家庭がオフグリッドにしていない限り、全道民に影響する。
 
以上の理由から、北海道内の電力供給の仕組みが北電抜きに成り立たない現状が明確になりました。
電力自由化後も大手電力の送電システムが全北海道民に影響する」こと、
水力発電の切り離された送電システムを使っていた一部の地域では停電しなかった」ことも判ったわけです。
 冬場にこのような長時間停電が起こったら一晩でも凍死する人が出ていたでしょう。
 地産地消型の電力供給システムとオフグリットなどを進めていくべきです。
実際、田舎暮らしでも都会の真ん中でも、住んでいる場所に関わらず、太陽光発電システムと蓄電池を持つ家庭は普通に生活が出来ていました。
同時に、相変わらず泊原発使用済核燃料への配慮をしなければならないため、原発を止めるには新電力と契約」とか「北電を経営難に陥らせて困らせるには契約破棄」となどと仰っていた方々も、
自宅が通電しているだけでは社会生活は送れないのですから北電を痛めつけるための理由でご家庭が新電力と契約しても、いまのシステムのままでは北海道電力とは手が切れないこと今回の大停電で実感されたと思います。
 
電源の自由化で好きな会社から電気を買うことは出来るようにはなっても、
現在のシステムで送電されている以上、電を潰す訳にはいかないのです。
これまで全道の隅隅まで送電システムのインフラを作り上げてきたのは北海道電力です。原子力事業にさえ手を染めなければ優良企業でした。
使用済燃料への措置は、この会社がしでかしてきた結果なので、費用が掛かりすぎるからゴミの始末は余所(あるいは国?)に押し付けて逃れるなどということはさせずに、今後は、1から3号機の総てを廃炉にし、社会的責任として、原子力部門で負の遺産の安定保管・管理のみを行うべきです。
北海道電力は、原発さえ諦めると約束すれば立ち直る可能性があるのではないでしょうか。
 
少なくとも、砂川の火力発電は「まだ使えた」し、水力発電は大丈夫でした。昔沢山あった小口の水力発電を復帰させたらどうでしょう。
北海道電力を含む国内の大手電力は、負の遺産に責任を取りながら、緩やかに自然再生エネルギーへとシフトして生まれかわってほしいと思います。
現実に核を保持する企業としての対応を怠るわけにはいかないのですから、これ以上、北電の経営が不安定になることは、全道民の生活にとって良いことにはならないのではないかと考えます。
 
ちなみに、年頭に私が取材したカリフォルニアのランチョセコ原発は使用済核燃料の管理保管に関してだけは、住民投票を経て、国に解決方法と判断を預け、地域電力として再起していました。(※乾式貯蔵)  2018年9月7日

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真っ暗な釧路市内 (久寿利橋から幣舞橋方面を撮影)2018年9月6日18:30ごろ