becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

北海道全域停電(胆振東部地震)から学ぶべきこと

今回の北海道全域停電(胆振東部地震)で判ったこと
「稼働停止中でも泊原発の使用済核燃料は最大級の不安要因」
 北海道の広域停電は、まだ4割程度の復旧率ですが、東北海道・釧路市の一部は今朝5:50位に通電再開されました。釧路管内釧路町などを含む大部分がまだ停電中で通常の生活に戻れていません。
 (※7日午後には世耕計算大臣が8日中には全道中の通電を再開できる見込みと発表した)

今回の大規模停電で明確に判ったこと、考えたことを以下に記します。
  今回は160万キロ級の火力発電が失われたことが原因だったが、発電方法に拠らず、大出力の発電所原発を含む)に頼ってると、瞬時の調整が間に合わずブラックアウトが起こる可能性がある。
  もしも、泊原発が事故を起こした場合には更に放射能災害への対応を考慮しなければならないのに、避難のための移動手段は全て断たれてしまうことが明確になった。JRや飛行場はもちろん、ガソリンスタンドも電力喪失のため、営業しなかったし、バス会社も朝の段階で終日、配車を取りやめた)
別の発電所が事故を起こしたとしても、広域の停電が起こった場合、泊原発の使用済燃料の冷却は常に優先課題となる。
  北電との契約を破棄し、ほかの電力会社の消費者となっても、各家庭がオフグリッドにしていない限り、全道民に影響する。
 
以上の理由から、北海道内の電力供給の仕組みが北電抜きに成り立たない現状が明確になりました。
電力自由化後も大手電力の送電システムが全北海道民に影響する」こと、
水力発電の切り離された送電システムを使っていた一部の地域では停電しなかった」ことも判ったわけです。
 冬場にこのような長時間停電が起こったら一晩でも凍死する人が出ていたでしょう。
 地産地消型の電力供給システムとオフグリットなどを進めていくべきです。
実際、田舎暮らしでも都会の真ん中でも、住んでいる場所に関わらず、太陽光発電システムと蓄電池を持つ家庭は普通に生活が出来ていました。
同時に、相変わらず泊原発使用済核燃料への配慮をしなければならないため、原発を止めるには新電力と契約」とか「北電を経営難に陥らせて困らせるには契約破棄」となどと仰っていた方々も、
自宅が通電しているだけでは社会生活は送れないのですから北電を痛めつけるための理由でご家庭が新電力と契約しても、いまのシステムのままでは北海道電力とは手が切れないこと今回の大停電で実感されたと思います。
 
電源の自由化で好きな会社から電気を買うことは出来るようにはなっても、
現在のシステムで送電されている以上、電を潰す訳にはいかないのです。
これまで全道の隅隅まで送電システムのインフラを作り上げてきたのは北海道電力です。原子力事業にさえ手を染めなければ優良企業でした。
使用済燃料への措置は、この会社がしでかしてきた結果なので、費用が掛かりすぎるからゴミの始末は余所(あるいは国?)に押し付けて逃れるなどということはさせずに、今後は、1から3号機の総てを廃炉にし、社会的責任として、原子力部門で負の遺産の安定保管・管理のみを行うべきです。
北海道電力は、原発さえ諦めると約束すれば立ち直る可能性があるのではないでしょうか。
 
少なくとも、砂川の火力発電は「まだ使えた」し、水力発電は大丈夫でした。昔沢山あった小口の水力発電を復帰させたらどうでしょう。
北海道電力を含む国内の大手電力は、負の遺産に責任を取りながら、緩やかに自然再生エネルギーへとシフトして生まれかわってほしいと思います。
現実に核を保持する企業としての対応を怠るわけにはいかないのですから、これ以上、北電の経営が不安定になることは、全道民の生活にとって良いことにはならないのではないかと考えます。
 
ちなみに、年頭に私が取材したカリフォルニアのランチョセコ原発は使用済核燃料の管理保管に関してだけは、住民投票を経て、国に解決方法と判断を預け、地域電力として再起していました。(※乾式貯蔵)  2018年9月7日

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真っ暗な釧路市内 (久寿利橋から幣舞橋方面を撮影)2018年9月6日18:30ごろ