「核ごみに関する政府との会合」(第5回)
日時:平成29年2月14日 13:00~
場所:参議院会館 地階B107号室
主催:核ごみ問題研究会 協力:福島みずほ事務所
<本会合の次第>
- 前回質問に関する追質問、回答内容に関する確認 (原子力規制委員会・NUMOへ)
- 新たに変容した条件下での追質問
1.科学的有望地に関する質問(経産省・JAEA・NUMO)
2.幌延周辺沿岸調査などについて(経産省・JAEA・NUMO)
3.再処理事業と再処理等拠出金法に関する質問項目(経産省・日本原燃)
4.使用済核燃料再処理機構と再処理等拠出金法施行について(経産省・使用済核燃料再処理機構)
8.もんじゅ廃炉と常陽についての見通し(JAEA・文部科学省)
9.核ごみ再処理・最終処理にかかる労働者被曝について(厚生労働省・規制委員会)
<前回の話題>
・ 科学的有望地提示の見通し
・文献調査から概要調査への流れ 進捗状況
・六ヶ所村再処理事業の技術的・経済的状況の説明 (再処理等拠出金法)※施行直前
・核ゴミの海外委託問題
・室蘭・苫小牧 金属廃棄物の加工事業について経産省と国交省(海輸)、日本原電へ
JAEAへの質問: 幌延の地層研究施設での研究に関する本年度事業を含む見通しについて
NUMOへの質問: 特定放射性廃棄物最終処分技術について
― 事前質問内容 -
<原子力規制委員会への質問>
前回の質問に対する確認と追質問事項
経産省への質問⑤につき、規制委員会への質問として回答をいただきました。
前回の質問⑤ 原子力規制委員会は、今回の科学的有望地の「好ましい地域」の検討や、個別の深地層処分研究事業、更に研究開発施設の安全な埋戻し等について、どのような審査に関わっているのか?
原子力規制委員会の⑤への回答: 規制委員会では研究事業というようなものはしていない。
安全な埋戻しについて、どのような審査に関わっているのかについては、「事業者からの申し出がない」
追質問1. 一般廃棄物とは違い、生活圏へ出てくれば影響の大きい核という物質の取り扱いを研究している施設となると、防災措置基準や経過の安全性については原子力規制委員会の審査が必要と思われます。再処理や最終処分を担う事業者から申し出がなくても、国としてこれらを監視し、審査をするべきではないでしょうか?
現在は核が入っていない状態の研究施設であるため、別の管轄官庁が設備の安全性に対する基準や審査を行っていると思われますが、今後は原子力規制委員会の意見も加える可能性がありますでしょうか?
追質問2.再処理工場の基準地震動については審査の途にあるというお答えでした。施設を設置してから基準について見直すのでは無駄が多すぎます。特定放射性廃棄物の中間貯蔵、最終処分場に関する基準についても原子力規制委員会が細かに審査をしていくべきではありませんか。方針をお示しください
追質問3.前回⑦の回答で、貯蔵期間の改正ついて原子力規制委員会が日本原燃に提案したという件についてのご説明が不十分でした。より詳しく、納得できるような説明を求めます。
<NUMOに対する確認>
昨年9月の会合、札幌で行われた5月21日のシンポジウム、11月23日の意見交換会でも話題となりましたが、「最終処分場」における最悪シナリオは、『現在はない』とお答えになっています。
「一般廃棄物とは違う危険物の管理なのですから、万が一の賠償措置について全く考慮も措置もされていないのは、不用心である」と指摘しなければなりません。
追質問1:実際に核が施設内に搬入されてしまう前に、NUMOとして最悪シナリオと対策につき考え方を示してください。
追質問2:また、賠償に関する財源確保については、国に対してもお考えを求めます。
(※2016年11月23日においては 経産省はいまのところ、最終処分法を変えて電気料金に課金するなど財源を回収する方法については検討していないと回答されました。)
<経産省への質問>
1.科学的有望地に関する質問
1-①. 世耕弘成経済産業大臣が、昨年10月18日に続き、本年1月6日の閣議後の記者会見で、「現段階で予断をもったスケジュールについて申し上げるのは控えたい」とし、「今後も有識者会合を複数回開催する方向」(2017年1月14日中日新聞)と報じられています。
科学的有望地提示について、進捗状況をお示しください。
1-②.「科学的有望地」や「より適性の高い地域」等の表現は閣議決定されています。変更する場合も閣議で確認する必要があると思われますが示されている文言の修正はどのように、いつ決定されますか?
(すでに公表されているのであれば、一番新しい文言の表記はどうすることになりましたか?)
<経産省とJAEA 日本原子力研究開発機構に対する質問>
2.幌延周辺沿岸調査などについて
2-① 今年1月12日に稚内市で行われた原子力機構の記者会見では、「平成28年度1月から2月まで幌延沿岸域プロジェクトのボーリング調査を実施し、29年度、平成30年度は4者(産業技術総合研究所・電力中央研究所・原子力環境整備センター、原子力機構)の随意契約を結び、プロジェクトを推進する」と述べられました。この事業計画内容と行程の時間的な制限、浜里地区の調査をJAEAと産総研がする理由を含め、詳しい経過を説明してください。
2-② 上記について、平成27年、28年には事業説明しておらず、4年間程度と述べてはいますが、最終年度と工程表は明らかにされていません。
資源エネルギー庁の幌延沿岸域プロジェクトは正確に4年間で終了するのですか?
3-① 原子力機構が、幌延町、北海道と結んでいる(幌延町における深地層の研究に関する協定書)協定第8条の事業説明義務は、果たされていないのではありませんか?
<経産省と使用済核燃料再処理機構への質問>
3.再処理事業と再処理等拠出金法に関する質問項目
3-① 使用済核燃焼再処理機構の設立にあたり、電力自由化により電力会社が再処理費用を払えなくなる可能性を見越して、再処理費用を確保・回収するためという理由を説明されました。同機構は、昨年11月15日、日本原燃に委託し、受託されたとうかがっています。この間の経過をご説明下さい。
3-② 新事業契約では、再処理事業と高レベル放射性廃棄物一時貯蔵施設が受託となっています。
当初の予定では高レベル放射性廃棄物一時貯蔵施設はバックエンド費用に分けられていました。 これらの事業振り分けが変わった経緯についてご説明願います。
3-③ 日本原燃が受託し、新たに費用が国民負担になったということのようですが、
青森県六ヶ所村は、今回、法的に決まった内容(余裕震度処分やTRU廃棄物の処分について)を、正式に受けたとは認識していないとうかがっています。国民や立地自治体も知らない間に合法的に確認の手順や措置があったとは考えにくいことです。これらが正式に決定され、合法化されたのはいつなのでしょうか?
<使用済核燃料再処理機構>(一部経産省)への質問
4.使用済核燃料再処理機構と再処理等拠出金法施行について
4-① 国から委託される機構としての仕事の範囲を一度、わかり易くご説明願います。
4-② 再処理総額の上方修正はされたのでしょうか。
(再処理総額の厳密な額・委譲された再処理費積立金の額などもお知らせください)
4-③ ②を回収するための算定式と、その考え方
4-④ 機構の仕事をするにあたる関連根拠法をお示しください。
4-⑤ 国から事業を委託されるにあたり、今後、継続して注意するべき事項はどのようなことですか?
5.再処理事業に関する質問
5-① 再処理等拠出金法が施行になって再処理事業者として、具体的に変ったことは何ですか?
5-② 一昨年の12月からの減容化処理に伴い再処理工場で排出された雑個体廃棄物についてお聞きします。
昨年11月までに2708本分の処理が実行され、六ヶ所村においては、高レベルガラス固化体の一時貯蔵施設で1808本の減容化処理が既に行われていると聞いていますが、この数字は事実ですか?
5-③ 焼却処理の際に排出される煙などに含まれる放射性物質を含む有害物をフィルターで、どの程度除去できるのでしょうか? また、それを示す根拠となる実験データなどがありますか?
5-④ 再処理工場で出る雑固体廃棄物の減容化処理では、現在、どのような処理方法が行われていますか? また、減量化でどの程度の効果があがっていますか? 数値があるならば数値でお答えください。
5-⑤ 日本原燃と使用済核燃料再処理機構の間で公に取り交わされている事業契約の期間をお知らせください
6.中間貯蔵施設について (経産省、一部日本原電への質問)
昨年8月、むつ市に昨年8月、東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(RFS)の中間貯蔵施設「リサイクル燃料備蓄センター」が完成しました。「運ばれる使用済み核燃料は、当面は東電柏崎刈羽原発からが最多になるだろう」「貯蔵プールの8割が埋まる柏崎刈羽原発の使用済み核燃料はこの施設に運ばれ、再処理されるまで一時保管される」と報じられました。全国の核原発で保管せず、なぜすべて下北に押し付けるのかという批判の声もあります。
6-① 該当する施設につき解説願います。(経産省)
6-② また、現在、日本にある中間貯蔵施設について 保管場所ごとに、種類(区分)と貯蔵の分量をお知らせください。
7-①. 東海再処理施設、六ヶ所施設を含め、現在、日本にはどれほどの余剰プルトニウムが保管されているか、経産省資源エネルギー庁は把握していますか?
7-②. 九州電力が英国において保管しているプルトニウムの量が、0.2トン増の合計約1トンとなり割り当てが増えていると伺っています。これについて、国はどのように情報を把握していますか?
7-③. 玄海原発3号のプルサーマル計画が変更になったそうですが、フランスにある1.3トンのプルトニウムで46体のMOX燃料を作る予定も変更されたのでしょうか? 経産省エネ庁としてご説明ください。
※一回目の16体を作った後、2回目の20体を作り、以来、行われておらず、残りのプルトニウムは、大間原発用に電源開発に譲渡予定という計画は本当でしょうか?
九州電力がイギリスに預けてあるプルトニウムについては、「全く予定がない」そうですが、見通しについてご説明下さい。
<JAEA日本原子力研究開発機構への質問>(一部、文部科学省に対する質問)
2015年12月22日に当会が持った会合において、JAEA担当者から、使用済MOXの国内での再処理実績についての質問に対し、「常陽で発生した照射済燃料を使用済ウラン燃料と混ぜて一般の再処理と同様の方法で再処理することに成功している」との回答がありました。
この再処理方法によって、処理量は桁違いに増えることが見込まれ、また、プルサーマルでの使用済MOXと高速増殖炉の照射済MOX、更に同じ高速増殖炉の照射済燃料であっても炉心燃料とプランケット燃料とでは含まれる核種組成が異なると思われます。
常陽に関する以下の質問にお答えください。(※幌延深地層研究センターを通じ、昨年末に、同様の質問をしていますが、確認のため、判り易くお答えください。)
8-①. これまでに常陽で発生している照射済燃料の累積総量は、 炉心燃料、ブランケット燃料それぞれについて、 集合体の本数およびトン数をお示しください。
8-②. そのうち、国内及び海外で再処理されたものは、炉心燃料、 ブランケット燃料、それぞれ総量はどのくらいになりますか? 本数・ トン数などで判り易くお示しください。
8-③. 上記の再処理の方法について、 行われた場所と方法が違う場合は、その内訳をお答えください。(例えば) 一般のウラン燃料の使用済燃料に混ぜて再処理した量とその 処理施設名、照射済MOXに特化した方式で再処理した量とその処理施設名など、状況を詳細にご回答ください。
8-④. 上の再処理によって抽出したプルトニウム及びウランの質量を同位 体別にお答えください。
8-⑤. 上の再処理によって取りだされたウラン及びプルトニウムの内、 既に燃料として加工された量、既に使用されたものの量を、ウラン燃料用・MOX燃料用に分け、同位体別にお答えください。
8-⑥. 1の照射済燃料のうち、 2で再処理されたものを除く残りの照射済燃料は、何処にどれだけ保管されていますか? 炉心燃料・ ブランケット燃料に分け、場所別に集合体の本数とトン数でお答えください。
8-⑦. ⑤の、照射済MOXの再処理で取り出され、 新たに燃料として再使用された燃料について、使用された原子炉名と、その使用によって発生した照射済燃料の、ウラン燃料、MOX燃料に分けた発生量をお答えください。
8―⑧. 7で発生した照射済燃料の量と保管場所、 更なる再処理が行われているか否か
( 再処理されている場合にはその処理施設と量と取り出されたウラン 及びプルトニウムの量も)について、 また使用原子炉が高速炉だった場合は、炉心燃料、ブランケット燃料に分けてお答えください。
<厚生労働省への質問>(一部、規制委員会)
9.核ごみ再処理・最終処理にかかる労働者被曝について
福島原発事故以前は、日本の法令では、一般人の被曝許容限度は1年当 り1ミリシーベルト
原子力規制委員会は緊急作業時被ばく限度をそれまでの100ミリシーベルト(mSv)から250mSvへ緩和することに加え、同時に「緊急時対応を行った労働者が継続して仕事ができる措置」を決定しました(15年8月5日)。
この緩和は、労働者の被ばく管理を管轄する厚生労働省も連動して導入し、昨年4月からすでに施行されていると認識しています。
「労働者の被ばくを管理する法律」は、原子力規制委員会が管轄する「原子炉等規制法」と、厚生労働省が管轄する「電離放射線障害防止規則」ですが、両法律とも同様の内容変更を行いました。
質問
9-①. 厚生労働省として、労働環境における被曝について、どのようなお考えですか?
原子力施設、とりわけ原子力発電所やもんじゅのような核施設の廃炉、再処理、特定放射性廃棄物の最終処分に係る労働者の労働環境における被曝について、労働者の健康と命を守るために厚労省がどのように関わるか、現在の国の方針や、今後の見通しについてお答えください。
9-②. また、厚労省として、労働者被曝に関する法律改正、規制緩和に同調する変更を行った根拠をお示しください。
ー参考リンク集ー
NUMO
日本原燃㈱会社サイト