becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

核ゴミの地層処分に反対する宗教者ネットワーク 北海道知事への申し入れ

2月25日 核ゴミの地層処分に反対する宗教者ネットワークの行動記録
 
「核ゴミの地層処分に反対する宗教者ネットワーク」として北海道庁を訪ね、以下の申入書を手渡しました。まん延防止のため、担当部署である経済部環境・エネルギー局環境・エネルギー課での手交の場には4名だけが入室を許されましたが、今回は運転停止や反対を申し入れるのではなく、道の核抜き条例に基づいて慎重姿勢を表明する知事を支持するものなので、いままでのような緊張感はなく和やかな申入れとなりました。
事前に渡してあった申入れ内容に対して、口頭で返答があり、知事の当初からの姿勢は変わらず“現段階”では受け入れの意志はなく、住民投票で受け入れ側が勝っても法(核抜き条例)に則って対処するという言質を得ました。
その後庁舎内の市政記者クラブでは、こちらが9人に対して参加メディアは幹事社を含め2名だけでしたが、北海道新聞の記者さんが熱心に聞いてくれました。
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2022年2月25日
北海道知事 鈴木直道 様
核ゴミの地層処分に反対する宗教者ネットワーク
申し入れ書
原発の高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)を巡り、寿都町神恵内村で処分地選定の文献調査が実施されていることに、道民のみならず全国の人々が憂慮しています。
 私たちは、この問題に対し自らの信仰に基づき、周辺住民のみならず北海道全体、否、この国に生きるすべての人間の生き方の問題として考えることを真剣に願う、宗教、宗派を超えたネットワークです。
高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場の選定手続きを定めた特定放射性廃棄物最終処分法(2000年施行)には、「安全の確保のための規制については、別に法律で定める」(第二十条)とあるだけで、処分場の安全を確保するための規制は存在していません。また事故が起きた場合、原子力損害賠償法(1961年施行)には核のゴミの処分については想定さえもされてはいません。これらの事実は、核のゴミの処分は事故も被害も起きないという、虚構のもとで進められていくことをあらわしています。
そもそも、核のゴミが採掘時のウランレベルに戻るまでに10万年、さらに再処理した場合は100万年という想像すらできない時間軸に、人々は不安を感じざるを得ません。さらに言えば、10万年、100万年先に責任をとれる組織というものは、国家を含め存在はしません。また、いくら国や事業者が“万全”だと言っても、人智を超えた現象や人為的ミスは現実に起こり得るもので、そして原子力事故は誰も責任が取れないということは、東京電力福島第一原子力発電所の事故でも明らかになりました。このような、遠い将来にまで影響を及ぼす問題を、今を生きているものだけの意思で決定させようとすることは、未来に生きる人々への無責任さのあらわれであると同時にすべてのいのちに対する冒とくであると考えます。
その意味においては、2000年に施行の「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例(核抜き条例)」にある、「私たちは、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を、将来に引き継ぐ責務を有」すという文言に、私たちは共感するものです。
また、最終処分場選定を巡り、寿都町神恵内村で文献調査への動きが表面化した一昨年(2020年)8月以降、道内30の市町村議会が、道の核抜き条例と同様の条例や意見書・決議を可決されている事実は、この問題を今ある寿都町神恵内村だけで決定させてはならないという、道民の意思が表明されているものでもあり、特定の地域だけの問題ではないという、人々の共通した認識です。
特定放射性廃棄物最終処分法には、文献調査から次のプロセスである概要調査にすすむ際、「概要調査地区等の所在地を管轄する都道府県知事及び市町村長の意見を聴き、これを十分に尊重しなければならない。」とあります。各種報道によれば、貴職は概要調査にすすむことに対しては、道の核抜き条例に基づいて慎重姿勢でおられるとお聞きしております。
私たちは貴職のその姿勢に敬意を表明し、その姿を最後まで貫かれることを要望するものです。
 また、国内では現状すでに高レベル廃棄物が存在し、どこかが引き受けざるを得ないという声もあります。しかし地震大国であり、4つのプレートの接点でいまだに次々と活断層が見つかる日本において、地層処分自体がそもそも不適切で、多くの専門家が主張するように、地上で管理することが妥当であり、それは実際に核燃料を使用した事業者が責任を取るべきことと考えます。
つきましては、先住民族アイヌの人々が≪アイヌモシリ≫北海道に深い畏敬の念をもってこられたように、宗教者として、「核といのちは共存できない」との信念を表明し、地層処分場の建設を道内に認めないことを貴職に申し入れます。
最後に、ウラン採掘に関わり、様々な放射能による障害を目の当たりにしてきたアメリカ先住民・ホピ族が日本を訪れたときの言葉を貴職と共有したいと思います。  「この大自然は、未来の子孫からの預りものである。」
 

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申し入れ後 北海道庁2階 記者クラブでの会見

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