(札幌地裁)
「10 メートルを超える津波は予見できた」「避難に合理性・相当性」と「損害額」は大幅に値切ったものの、自主的避難者。札幌地裁が国・東電の責任を全面的に認める判決。
判決は原告の訴えを認めるものでしたが、賠償額が低すぎます。
これでは裁判(酵素)を続けることも難しいし、被災した人々にとっては全国の先例となる額となってしまうのではと危惧します。
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STV札幌放送局
訴えを起こしていたのは福島県などから道内に避難した257人で、福島第一原発の事故で精神的苦痛や経済的損失を受けたとして、国と東京電力に現金42億円あまりの損害賠償を求めていましこれまでの裁判で、国は「事故は予測も回避もできなかった」と主張していましたが毎日日の判決で、札幌地裁は「国は事故を予見できた」として国の原発避難者による裁判は、これまでに全国で15の判決が出ていますが、国の責任を認めた判決は7例目責任を全面的に認め、5300万円あまりの支払いを命じました。となります。
2011年3月の東京電力福島第1原発事故で道内に避難を強いられたとして、福島県の住民ら78世帯257人が、東電と国に計約42億4千万円の損害賠償を求めた武藤貴明裁判長は「事故は国と東電が対策を講じなかったため起きた」として、東電と国に対し、連帯して89人に計たた集団訴訟の判決が10日、札幌地裁であった。全国約30件の同種訴訟で15件目の地裁判決で、国と東電にいずれも賠償を命じたのは7件目。
原告弁護団事務局長の伊藤考一弁護士(札幌)は判決後、札幌地裁前で報道陣の取材に対し、「国の責任を明確に認めた点は評価できるが、避難生活の実態を反映した賠償が告られていない」と述べた。原告弁護団によると、原告は福島、6木両県の避難者や遺族ら6〜91歳の男女。大半は国が居住などを制限する避難指示区域に該当しない地域から避難し、13年6月から順次提訴した。
争告は国の責任の有無と、賠償の額や範囲。原告側は、事故前から原発の危険性を認識しながら、東電は必要な対策を、国は適切な規制を怠ったと指摘。いずれも避難者に賠償する責任があると主張していた。
賠償の内容では「生活の先が見通せず、倹約を強いられている」と訴え、事故前の生活水準を取り戻す費用を請求。事故で受けた苦痛の慰謝料などと合わせ、地域や年齢によらず1人1650万円を求めていた。
国側は事故の予測や回避は不可能で、責任はないと反論し、東電側は責任を認めた上で、賠償が必要な避難者には裁判外で既に十分支払ったとしていた。
同種訴訟の地裁判決はこれまで14件あり、東電は全件で賠償を命じられた。国も被告に含む判決は10件で、国は6件で賠償を命じられていた。(中秋良太)
1.本日、札幌地方検判所民事 部 判長)は、北海道へ 強してきた 原発被災者78世帯25名の告らが、東電と国に対して、損害の 賠償を求め た訴訟で、国の責任を認めたものの、原告らの請求をほとんど却するという不 判決を言い渡した。
2.まず、判決は国の 責任を厳しく、明確に認めた。
判決は、遅くとも平成14年には、福島第一原発に敷地高を超える津浪 が到来することが予見でき、また、東電に対して適切な措置を講じるよう命じて いれば本件事故は避けられたにも関わらず、これを怠ったとして、責任がないと する国の主張を許さなかった。
また、本件事故は国の規制権限不行使と東電の津波対策の不備が相まって発生 したとして、国に対し、原告らに生じた損害の全部について、東電と連帯して 信するよう命じた。
裁判所は、万が一にも重大事故が発生しないよう、原子力発電所の施設には極 めて高度な安全性が要求されるとした上で、国が対策指示を怠ったことは、その 許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠き違法であると明確に述べている。 当然の判断である。
3 .次に、判決は、避難の相当性につき、極めて厳しい枠を設定した。政府による 避難指示等の対象区域内からの避難者とその区域外からの避難者とでは、放射能 被ばくを避けるための避難又は避難継続の相当性について、判決は、扱いを大きく異にしている。 これは、放射能のリスクを避けるため、北海道へ避難してきたという限りでは、 区域の別など問題となり得ないことを、 看過ないし、無視するものである。
4、更に、判決は、原告らが主張する包括的生活基盤の喪失、変容に対する損害の 賠償請求につき、損害事実を認めながら、損害賠償額は極めて低く、場合により、 それを認めていない。 どのような区域からの避難であっても、その避難に法的な合理性がある限り 適正かつ相応の損害の賠償が認められねばならないことは、 言うまでもない。
5、私たち弁護団は、今日の不当判決を受け入れることは出来ない。原告ら及 護団は、この不当判決に控訴をし、被災者救済のために全力で闘う決意である。
https://www.nhk.or.jp/sapporo-news/20200310/7000018906.html
福島第一原発事故集団訴訟 国と東電に賠償命じる判決 札幌地裁
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、北海道に避難した250人余りが生活の基盤を失うなどして精神的な苦痛を受けたと訴えた裁判で、札幌地方裁判所は「国が防潮堤の設置などを東京電力に命じていれば事故は避けられた」などと指摘し、国と東京電力に総額5290万円余りの賠償を命じました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故で避難区域やそのほかの地域から北海道に避難した78世帯257人は、生活の基盤を失うなど精神的な苦痛を受けたとして、国と東京電力を相手取り慰謝料など1人あたり1650万円、総額42億円余りの賠償を求めていました。
裁判では、国と東京電力が大規模な津波を予測できたかどうかなどが争われました。
10日の判決で札幌地方裁判所の武藤貴明裁判長は、「政府の地震調査研究推進本部が地震の長期評価を公表した平成14年の時点で、国は津波の到来を予測することができた。その後、遅くとも平成18年までに防潮堤の設置や非常用電源の浸水対策などを東京電力に命じていれば原発事故は避けられた」と指摘しました。
そのうえで、「国の規制権限の不行使と東京電力の津波対策の不備が相まって事故が起きた」として、国と東京電力に対し、原告のうち89人に総額5290万円余りを賠償するよう命じました。
原発事故の避難者が国と東京電力を相手取った集団訴訟は全国各地で起こされていて、1審で国の責任が認められたのは横浜地裁や松山地裁の判決に続いて7件目です。
判決について、福島市から札幌市に避難した原告団長の中手聖一さんは、「国に事故の責任があったと裁判所が認めたことは歓迎したい。ただ、認定された賠償額を見る限り、避難者の実態は理解してもらえなかったと思う」と話していました。
判決について、原子力規制庁の関雅之広報室長は、「国の主張について裁判所の十分な理解が得られなかったものと考えている。いずれにせよ原子力規制委員会としては、原発事故を踏まえて策定された新規制基準への適合性審査を厳格に進めていくことにより適切な規制を行っていく」とコメントしています。
判決を受けて、被告の東京電力は「原発事故で福島県民の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけし、改めて心からおわび申し上げます。判決については今後、内容を精査し、対応を検討して参ります」とコメントしています。