【第10回 核ゴミに関する政府との会合】報告② 放射性廃棄物の深地層処分に関する技術的質問と回答
【第10回核のごみに関する政府との会合】報告②
途中でしきりと「早く進行しろ」と主催側進行に対して声がかかりましたが、全体の時間が足りなかったのは、配分や進行がまずかったからではなく、結果、予定時間の15分前には会合を終了しました。会合前日の深夜に突然、経産省が予定より30分早く退室したいと申し出があったそうです。
北海道からの参加者はすでに移動しており、進行は約束より15分短縮できたものの、切り上げた時間分に対応すべく早く進行したため、主催側が十分にその場の追質問をするなど議論を深めることができませんでした。
北海道、青森からわざわざ出向き、政府省庁の皆さんとのヒヤリングをしているのですから、今後は急な変更を言い出さないよう、窓口となった社民党の秘書の方にも、特に経産省の方に「そのような急な変更はできない、17:00までいられる担当官をよこしてください」と言っていただかなければなりません。
また、今回は会合の途中で寿都町の村議会決議を聴くというような北海道の一大事のときであり、常に感心ごとで興味がある質問なのだとしても、再処理・最終処分の技術的、科学的質問を詰め込み過ぎました。今回は質問をお渡しするだけにして、次回詳しく回答を鵜科学野でも良かったかもしれないと考え至りました。(核ゴミ問題研究会 管理人)
■ ■ ■
3 深地層処分に関する技術的質問①~⑫ 15:30~16:30
深地層処分に関する技術的質問
以下に3,4の回答ダイジェストを記します。
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(岩手の海を守る会 永田文夫さんからの質問+経産省の回答)
<永田さんからのコメント>Q&A&C
コロナ禍,本日行われた標記の政府交渉についてライブ中継を午後3時ころから拝見しました。田中さん(※主催者側発言者)には核心を突くわかりやすい,ご意見,再質問があり、会を引き締め問題点を明らかにしていただき、ありがとうございました。
■3.深地層処分に関する技術的質問とその答弁についてQ&Aとコメント
※質問3ー①以外は岩手の海を守る会から提出した質問です。
質問3-① 高レベル放射性廃棄物を入れる金属容器の経年劣化及び放射線による劣化をどう考えているのか。これまでの会合でも繰り返し、オーバーパックやガラス固化体、キャニスターの経年劣化については話題にしてきましたが、放射線による破損(耐久性)に関するデータを示してください。また、その実証試験はどのような内容のものかについても説明されたい。
答弁(NUMO高橋氏):炭素鋼に1000年分の照射をし調べた。脆化は少なく強度に影響を及ぼすことはなかった。炭素鋼は千年持たないと考えられるが,人工バリアのオーバーパックでおおむね水と接触しないように止めることで設計している。
コメント:1000年分の放射線を一度に炭素鋼に当てて問題ないとすることは,経年放射線劣化の配慮がない試験である。現在可能である条件による試験を基にしたもので「科学的」試験とは言えない。1000年後のことまで現在の科学で推定することは無理であろう。1000年間は持たせるそれ以降はわからない,まさに無責任。データを示さず。
質問3-② 経産省への質問 ガラス固化体に含まれるものについて詳細な情報公開を示してください。現在国内で貯蔵中のガラス固化体は何本で,各々の固化体に含まれている放射性核種とその放射能量(Bq)を明らかにすべきではないか。これは100年後,500年後,1000年後,2000年後,8000年後の放射能はどうなるのか。情報公開を徹底するべきではないか。日本原燃㈱は六ヶ所再処理工場で製造した各々のガラス固化体中の放射性核種についてウランやプルトニウム同位体を含め情報公開していないが,そのような固化体を自治体に最終処分させてよいのか。
答弁(エネ庁清宮氏):ガラス固化体は現在2176本貯蔵。海外からの返還固化体については所有者の電力が固化体の仕様を原子力規制委員会へ提出し,公開している。六ケ所については,将来原子炉規制法に より同様の手続きで固化体について出されるのではないか。
コメント:英仏の返還固化体についてあるように,六ヶ所で製造された固化体について,最終処分地への応募する自治体が出てきている今,情報を公開するべきではないか。このままでは内容不明の固化体を北海道の自治体に最終処分することになるのではないか。これらのことについて回答していない。
質問3-③ 経産省への質問 10万年の管理保管が必要として国は深地層処分が最善としていますが、未来世代へどのように埋設物の情報を伝えるのか説明してください。ガラス固化体に含有される,安定同位体(非放射性元素)を含めた元素の含有%の経年変化100年後,500年後,1000年後,2000年後,8000年後について示されたい。数百年,数千年,数万年後の未来世代へしっかりと最終処分されたガラス固化体の含有物について情報を残すことがこのような扱いに困る生成物を作り出した現世代の責任と誠意ではないか。
答弁(経産省氏名不明):最終処分法第17条と第18条に最終処分の記録を保存するようにある。マーカー方法など国際期間で協議されているので対応していきたい。
コメント:最終処分法は2000年に制定されたはず,未来世代に埋設物の情報をどう知らせるか,具体的にまだ決まっていないとは,この20年何をしてきたのだろうか。
質問3-④ 経産省への質問 ガラス固化体に含まれる超長半減期のウラン,プルトニウムの総量をお答えください。ウラン・プルトニウムの六ケ所再処理工場の回収目標は98.2%であり,未回収1.8%分のほとんど高レベル廃液に含まれガラス固化されるものと推察される。1年間に処分される使用済みウラン燃料は800トンでありその1.8%14.4トンもがガラス固化体に含まれてきます。ウラン238の半減期は44億6800万年,ウラン235は7億380万年, ウラン234は24万5千年であり,最終処分し8000年経過してもほとんど減少しない。最終処分されるガラス固化体中のウラン,プルトニウムの放射能総量を示されたい。
答弁(経産省氏名不明):我が国ではガラス固化体は日本原燃六ケ所再処理工場から発生する。仕様をもとにNUMOで試算した。ガラス固化体1本について含まれるウラン・プルトニウムの総質量は3kg,30年後の試算ではウラン2☓10^8(10の8乗)ベクレル,プルトニウムは7☓10^12ベクレルである。
コメント:本会の計算では原子炉から取り出し5 年後再処理した廃液によるガラス固化体にはウランは 13.55kg,プルトニウムは0.16kg の合計13.71kg(3.42%)になる。NUMO の計算ではガラス固化体(正味 400kg)に3kg 含むので0.75%と本会の計算と大きく異なっている。日本原燃はウラン・プルトニウムの回 収率を両者とも98.2%として国へ申請している(未回収分がガラス固化体に移行する)。NUMO は古い資 料*にある回収率ウラン99.6%,プルトニウム99.5%で実施しているのではないかと思われる。六ケ所再処 理工場のウラン,プルトニウムの回収率をいくらで計算したのか確認しなければいけない。30 年後のウラ ン,プルトニウムの放射能(Bq)についても過小評価と思われる。なぜ両核種の8000 年後の質量と放射能 も示さないのか。固化体中のウランについては5 年後も8 千年後も10 万年後もその濃度%はほとんど減衰 しない,私達の計算ではいずれも3.39%のままであった。国は,誰もがわかるように条件と計算を明確にし 情報公開すべきである,何がどれだけ入っているか情報を示めさないまま最終処分場を決めるようなことは 許されない。(六ケ所再処理工場のアクティブ試験全体におけるウラン・プルトニウムの回収率を現在日本 原燃に質問中だが回答期限10 月29 日が延期され14 日現在未だに回答がない。原燃のデータでは8 割台の 回収率であり,目標を大きく下回り回答できないでいるのではないかと思っている。)
*http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/sakutei2004/sakutei09/siryo13.pdf
質問3-⑤ 経産省への質問
ガラス固化体は約8千年で天然ウラン並の有害度まで低減されるとしている根拠を示してください。時間内 に理化学的な説明が不可能な場合は根拠となるデータや文献をお示しください。資源エネルギー庁HP にある「資源エネルギー庁がお答えします!〜核燃サイクルについてよくある3つの質問」のQ1 ではガラス固 化体1本の放射能が天然ウランと同程度の有害レベルまで低減するのにかかる時間は約8千年」と経産省は HP で説明しています。ここで「天然ウラン」とは天然ウラン鉱石のことかそれとも精製された濃縮前のウ ランのことを指しているのか。その「天然ウランと同程度の有害度レベル」とあるが有害度の定義を明確に お示しください。このガラス固化体には,再処理工場で回収できなかったウラン,プルトニウムも含まれて いるはずですが、その核種毎の質量と放射能量、また、約8千年とした計算根拠をお示しください。
答弁(エネ庁清宮氏):使用済燃料の直接処分では人体が受ける放射線は10 万年で天然ウラン並になると 試算されている。再処理をするとウラン・プルトニウムが除かれるので8 千年と試算されている。
天然ウランと,ウラン鉱石と区別している,天然ウランは精製後のものだ。有害度とは人体が
受けるシーベルトを評価している。 〃 (エネ庁とざき氏):計算根拠とはどういう内容か,書面を通じていただければ。福島事務所に答えた
い。
コメント:ここは田中さんが会でコメントしているように誤魔化しの数値シーベルトではなくベクレルを使 用するほうが正確である。普通の人が多種多様な放射性核種のベクレル数から実効線量係数によりシーベル トを計算しそれを加える計算をすることは容易なことではない。都合の悪い時にシーベルトを持ち出してく るのが推進側の常套手段である。 8 千年とした計算根拠に関して,どういう内容かと聞き返していたが, 誰かがこのような試算をし,それを使用しているはずであり,その計算根拠を示すこと(報告書)である。 報告書を公開していないことがおかしい。
以上が本会(岩手の海を守る会)から提出した質問でした。他の項目は省略します。
取り急ぎお知らせしました(正確さに欠けるかもしれません)。
*8000 年でウラン鉱石並になるというエネ庁試算について,反論報告書を作成し今,小出裕章さんに見て 頂いているところです。コメントを頂き次第お知らせします。
4 乾式貯蔵技術の開発と実用に関する質問①② 16:30~17:00
質問4-① 経産省への質問
ガラス固化が当初計画通りにできず、いくら30年以上の時を経て、その経過にある各原発の使用済燃料冷却用プールの老朽が進んだ場合、大変危険であることは予測に易いですが、老朽原発から順番に冷却用プール内の使用済核燃料を乾式貯蔵にし、青森県にこれ以上運び込まないようにするという計画は国として具体実用案を示すべきではないかと考えます。国の方針をお聞かせください。
回答 エネ庁(矢沢):再処理技術に関する課題(ガラス固化党)は解消しており、プルサーマルなど国が進める核燃サイクルを進めていく。
質問4-② 電気事業連合会(原発を保持する大手電力の代表として)と経産省への
乾式貯蔵技術の開発や実際の研究計画案にどのような資金が使われていますか。現在、そのようなプロジェクトはどの程度、国が把握し、指導監督していますか。
発生責任者として電力会社各社は乾式貯蔵の実用可能性についてどのように考え、計画を持っていますか。それぞれの立場でお答えください。
エネ庁回答:東海村は実証済、四国、九州は申請をしている。
今後は原発敷地内外を問わず国の指導の下で進めていく。
主催側質問(進行):①乾式貯蔵技術の開発はどの程度進んでいるのか。②資金はどのように出て使われているか ③それらはどのような進捗状況か
エネ庁回答:進捗状況は研究内容による
キャスク 移転費用は各電力会社が負担
主催側質問(進行):地域的にあるいは一部電力会社が判断する場合のプロセスは?
原子力規制委員会の監視のもと、電力会社の判断で行える。
エネ庁回答:原子力規制法によって規定されている方法で乾式貯蔵も行われていく。
主催側質問(進行):①ガラス固化はキャスクに入れる途中に固まってしまうと言われていた問題は技術的に本当に解決したのか? ②当初計画通りに再処理できるのか?
エネ庁回答(登崎さん):①日本原燃が社内試験を行い、ガラス固化技術は解決したと報告している。②政府(原子力規制委員会)審査を受けながら今後も行っていく(※当初計画通りかどうかには回答で触れていない)
以上
※ひとまずダイジェストを報告しましたが、詳しくは文字お越しをしてから再び報告します。
会合終了後、会議室の撤収作業中にコロナ感染防止対策万全で記念撮影
※今回の会議には主催の窓口、社民党のほか、れいわ新選組、北海道選出議員、共産党、立憲民主党議員もご参加いただきました。(残念ながら、自公の北海道選出議員はお一人も来られませんでした。この問題にご興味がない? それとも、北海道に対してさほど愛郷精神がないためでしょうか。)
原子力のような大変シリアスな問題を進める場合にさえ住民意思を反映させず、「肌感覚」などという言葉で独自の判断を住民の意思とし、強引に計画を進めようとする町長の強行な姿勢に対し、住民側も「住民権利の侵害」という実害を許さないという確固たる態度が必要であり、北海道民としては、2つの自治体に対し、北海道条例が傷つけられたことに抗議することも、今後、「身勝手な地方自治体首長を生み出さないという強い意思を伝えるための措置」であると考えます。
北海道には北海道条例がありますが、「難い」なんて中途半端なことを言わず、「受け入れない!」というより硬い、まっすぐな表現にすべきでした。
北海道における特定放射性廃棄物に関する条例
北海道は、豊かで優れた自然環境に恵まれた地域であり、この自然の恵みの下に、北国らしい生活を営み、個性ある文化を育んできた。
一方、発電用原子炉の運転に伴って生じた使用済燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物は、長期間にわたり人間環境から隔離する必要がある。現時点では、その処分方法の信頼性向上に積極的に取り組んでいるが、処分方法が十分確立されておらず、その試験研究の一層の推進が求められており、その処分方法の試験研究を進める必要がある。
私たちは、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を、将来に引き継ぐ責務を有しており、こうした状況の下では、特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言する。(平成12年10月24日)
【第10回核ゴミに関する政府との会合】報告① 幌延(深地層処分研究計画)・寿都・神恵内(最終処分地選定手順)
【第10回核ゴミに関する政府との会合】報告①
日時:2020年11月13日 14:00~ 場所: 参議院議員会館 B107会議室
主催:福島瑞穂事務所/核ごみ問題研究会
関係省庁 参加者
■文科省
前田洋介 研究開発室 原子力放射性廃棄日鬱企画室 専門官
■JAEA 日本原子力研究開発機構 3名
柴田雅博 地層処分研究開発推進部 次長
弥富洋介 総括部 技術副主幹 ほか1名
■経産省 エネ庁 (公務のため16:30には退室)
江橋 健 放射性廃棄物対策課 課長補佐 1部14:00~ 3部~
加島 優 放射性廃棄物対策課 課長補佐 2部15:00~
登崎 諒 電力・ガス事業部 原子力立地・核燃サイクル産業課専門官 3・4部
矢沢 尭之 核燃サイクル産業課 係長 3・4部
清宮宇祥 核燃サイクル産業課専門官 3・4部
※3-⑩~⑫原子力機構、日本原燃、電事連は出席せず、経産省が回答。
■NUMO 原子力発電環境整備機構
鈴木誠司
黒澤 進
高橋美昭
■原子力規制庁
来住正人 原子力規制部審査グループ研究炉等審査部門 総括補佐 3部
動画記録
チーム・ユープラン 支援金振込口座
ゆうちょ銀行 〇一九(ゼロイチキュウ)店 当座0392552
記号 00100-5-392552
詳しくは動画記録(ユープランさん、IWJさん)を御覧いただきたいですが、
ポイントを絞って ほかの報告で3の 地層処分に関する技術的質問(主に青森県、岩手県の市民グループからの質問)への回答を次の報告に記します。
■ ■ ■ 報告
確認会議のあり方について/埋め戻しの行程について/500m以深における研究計画について
質問1幌延深地層処分研究延長に関する問題について 主催者コメント
・「確認会議」はそもそも幌延町と北海道が主催する会議であり、国側(文部科学省)は地方自治の独自性を尊重するため、関与しない。(関与すべきでない)拠って、監督も指導もすべきではない。
回答1①~③:延長9年内で行える課題について、研究内容について早めにわかることがある場合、お知らせするというだけ。本年度確認会議1から3回目の報告は、特に大きな変更があったという意味ではない。
④8月1日に決定し2日に申し入れをした。数か月をかけ、有識者(機構が選任した2つの会議)で検討し、延長が必要としう結論に達した。
⑤研究成果発表会や確認会議等で示している。ここでお示しするようなことではない。※後程、情報を請求する
⑥埋め戻しの土はズリに置いてある分で足りる。
⑦(瑞浪の例を幌延に当てはめることが適当かも含め、今は具体的に示さなかった)
⑧~⑪新計画案は500m掘削のため長引くというものではない。試験内容や工程は別に示される。
2 最終処分地選定に関する質問①~③ 15:10~15:30
(寿都町・神恵内町の文献調査応募に関連して)/住民意思の反映と可逆性担保(法律的根拠と解釈)について
主催者のまとめコメント
質問2-① 経産省への質問
上記の法律に示されているのは履行する側に立った場合の条件でしかありません。関係自治体住民にとっては、経産省やNUMOが過去に繰り返し説明されてきた「可逆性」や住民の拒否権(住民の反対)という視点から、「調査の次の段階」に進む場所は、「そこまでの調査を受け入れた地域」の中から「選ばなければならない」と読めるため、「一度調査に応募した自治体は、住民の反対があっても国の絞り込みと判断に拠って、最終処分地決定の可能性が高い」という解釈が妥当なように受け取れます。
上記条文の詳しい解説を求めます。
質問2-② 経産省への質問
2017年8月の私たちが主催した会合の中でも、住民の拒否権について経産省から
「関係する地域住民の意思の汲み取り方や、その判断の仕方についてはそれぞれの地域にお任せしている」と、説明がありました。しかし、この法律では、関係地域住民へは説明責任だけが事業主体に課せられているのであり、住民意見や権利を反映させるための条項は見当たりません。
原子力事業に関連するような重要施設の誘致について、住民の権利が約束されていないのは不十分なのであって、法律の問題箇所は常に直す必要や、その法律を補填する新しい法律を新設する必要があるのではないでしょうか? 住民意思を尊重する可逆性の担保がないこの法律についてどう思われるか経産省の見解を示してください。
- 主催者(田中氏)追質問
①条例、知事が明確に反対を打ち出していることを国はどうとらえているか
経産省(加島氏)回答:道民が条例をどのように評価しているか(道議会ではどうなのか条例に反していないとしているのでは?)※道議会は「透明性のある議論を求める」としただけ。条例違反であるかどうか結論を出していない。
②周辺自治体に配慮していないのは何故か?
経産省回答:どこまでの住民(関係者)に地域の同意プロセス、地域に判断を委ねている。
③地域の意向を無視する沖縄のような強行(住民投票での民意)をどう思うか
経産省回答:寿都でもそのような発言あった。法律の上で閣議決定されたことを国は守りながら守って行っている。
主催(進行):何故、第一段階の文献調査に知事の意向が関係ないとしているのか?
経産省回答:「科学的特性マップ」である程度示されているが、概要調査の価値があるのか「机↑の調査、理解活動」をすることで、どこまで何ができるか。
調査内容の捉え方の問題(!)
田中氏:道民側に立った意見を持つ学者が参加する場を設置すべきではないか
経産省回答:慎重派の話を聴く場も必要
経産省による「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(2000年6月7日制定)の3章6,7,8の条項に関する説明と解釈では、これによって事業実施主体であるNUMOを縛る意味があるが、住民の意思に配慮することに関係するのはむしろ4章第5条に自治体首長(知事)の意向を問うことが示されている。しかし、文献調査の段階では知事の意向は反映せず、市町村の応募と地域の理解活動がセットになっている。概要調査、精密調査ではじめて知事の意向は反映することになる理由については示されなかった。
※主催は「文献調査から知事の意向が反映されても良いのではないか」と質問した。
ここでは単に概要調査以降は知事の意向を反省させなければならないことは閣議決定されているとしか説明されない。殊更住民意思が反映されないような法律になっていると指摘。
3 深地層処分に関する技術的質問①~⑫ 15:30~16:30
深地層処分に関する技術的質問
4 乾式貯蔵技術の開発と実用に関する質問①② 16:30~17:00
※主催者コメント
3.4については別の投稿でまとめて配信します。
3.4については別の投稿でまとめて配信します。
11月13日 第10回核ごみに関する政府との会合のようすを中継します
【第10回核ゴミに関する政府との院内会合】
日時 2020年11月13日 14:00~
13:30~一般参加者小集会
会合の開始前にこれまでの会合の経過や会合に関する説明をします。
場所 参議院議員会館 B107会議室
【IWJ・Ch5】
■ ■ ■
第10回【核ごみに関する政府との会合】
日時 : 令和2年11月13日 14:00~
場所 : 参議院議員会館 B107 号会議室
主催 : 福島みずほ事務所 ・ 核ごみ問題研究会
【会合で質問するトピック】
確認会議のあり方について
埋め戻しの行程について
500m以深における研究計画について
2 最終処分地選定に関する質問①~③ 15:10~15:30
(寿都町・神恵内町の文献調査応募に関連して)
住民意思の反映と可逆性担保(法律的根拠と解釈)について
3 深地層処分に関する技術的質問①~⑫ 15:30~16:30
深地層処分に関する技術的質問
4 乾式貯蔵技術の開発と実用に関する質問①② 16:30~17:00
【お招きする予定の関係省庁と機関】
経済産業省/資源エネルギー庁 放射性廃棄物担当(質問書では経産省とする)
原子力規制委員会/放射性廃棄物担当) (質問書では規制委員会とする)
NUMO 原子力発電環境整備機構
JAEA 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (質問書では原子力機構とする)
文部科学省/再処理事業・放射性廃棄物関連部署(質問書では文科省とする)
使用済燃料再処理機構 ・日本原燃
1 幌延深地層処分研究延長に関する問題 (原子力機構、文部科学省への質問)
◆はじめに、JAEA(日本原子力研究開発機構)から、「令和2年度以降の幌延深地層研究計画」の延長申し入れから今日までの経過説明を求めます。
※計画案申し入れ、北海道が募った道民からの質問、意見、確認会議5回、地域説明会4か所、確認会議のとりまとめ、取りまとめに対する道民からの質問、知事回答、第一回(8月30日)、第2二回(10月16日)、第三回10月23日の確認会議と今日までを時系列的に。これらに関連した報告があれば添えてください。
- 確認会議のあり方について
確認会議のとりまとめに至る経過を議事録で見る限り、北海道は独自の発言をしないまま、とりまとめの報告が出され、即座に回答書が提出されている。三者の協定であるのに、北海道が発言しない確認会議のとりまとめ結果を多数決のようにして有効にしてしまうことは道民として遺憾に思います。
質問1-① (原子力機構への質問)
三者協定第7条の中に「長期延長」の件までも話し合い事項としてしまった確認会議の判断は、本年1月24日に出された「令和2年度以降の幌延深地層研究計画」の9年間についてだけであるのに、本年度第一回確認会議(8月30日)の中で、早速、500メートル掘削と新規の研究課題についてまで話題を出し、第二回確認会議ではJAEAは、500m以深掘削の際の設計工事の見積もりを外注していることなどにまで言及されました。9年の延長期間内では収まらない可能性もある更なる再々延長案を言い出したことは、9年もの延長を聞かされた直後の北海道民の気持ちを全く配慮しないものです。
本年度確認会議内で早々に、この件を持ち出したということは、9年後に再び延長することがいまから計画されているということですか? 本年度確認会議でこの話題を出した理由を説明してください。
※質問1-⑨に関連しますが、前もってうかがいます。
質問1-② (原子力機構への質問)
確認会議が設置された当初の役割に関して設置要綱を示して説明してください。その上で、19年もの間開かれていなかった確認会議が昨年の申し入れ後には5回開かれ、本年度はすでに3回も開かれている理由について、本年度は特に計画案に大きな変更があるためなのかについて説明してください。
質問1-③ 文部科学省(担当部署)および 原子力機構への質問
確認会議の設置要綱では、毎年の研究内容が三者協定に添って行われているかを確認するためとされているのであり、延長する際に三者協定の条文の解釈を審査するような機関としての役割を担っていません。また、確認会議のメンバーの決め方について、識者の選定の仕方などがどのようにされているのか、道民には詳しく説明されていません。そのため、確認会議でのとりまとめ自体、民意を反映しないものであると受け止められます。文部科学省は、このような確認会議の在り方について、担当省庁として、どのように考えるかお答えください。
訂正 ※会合の質問項目1-③について、質問内容を訂正しました。
質問1-④ (原子力機構への質問)
「令和2年度以降の幌延深地層処分研究計画」の申し入れにある、「9年もの延長をしなければならないと気づいた時期と理由について質問しましたが、原子力機構は「8月1日に決め、8月2日に申し入れした」としか答えていません。延長が必要と機構が気づき、新計画案を練り始めた時期はいつなのか、いま一度、明確に議事録・会議録、ファイルの更新日時を示して回答してください。
※およそ20年と約束していた研究を長期延長する理由として特段の大きな失敗や研究の滞りがあったわけではなかったと、申し入れ翌日の8月3日、幌延の交渉の場で原子力機構は回答しました。あのように長文で、必要な研究課題を連ねてある新計画案をまとめるためには、少なくとも準備期間があったはずです。前回の会合11月22日の質問にも、同じ質問をしましたが原子力機構はこの件について、まともに答えていません。同様の質問は確認会議のとりまとめに対する道民の質問を募集した際、北海道が募集した「確認会議のとりまとめに対する道民の質問」を通じて、また、ベクレルフリー北海道としても、幌延問題を検証する会が提出した質問書でもしましたが、北海道から受け取った原子力機構の回答は同様に中身のないものでしたので、今一度説明をお願いするものです。
■ 埋め戻しの行程について
質問1-⑤ (原子力機構への質問)
2020年10月16日の第2回確認会議で原子力機構は「埋め戻しの考え方について、一般的な事例等をお示しすることを検討しますと」回答しています。埋め戻し方法や工事期間、周辺環境のモニタリングなど地下施設の埋め戻しを検討する上で考慮することとなる事例等について具体的に示してください。
質問1-⑥ (原子力機構への質問)
埋め戻しの対象について、原子力機構は「地層処分の技術基盤の整備の完了」確認後の「埋め戻しの対象は3本の立坑を含む掘削した坑道の全て、すなわち地下施設全体となる」とし、埋め戻しは「建設時に発生した掘削土を用いる。」としている。量が足りるのか、不足する場合、どこのどんな土を使うのかお答えください。※昨年12月の鈴木知事との面談で児玉理事長が「工程表を整理して説明する」としたことに拠り質問します。
質問1-⑦ (原子力機構への質問)
瑞浪の埋め戻し計画についての質問に、原子力機構は、「令和元年度研究開発を終了し、坑道の埋戻し作業を進めている。令和4年1月までに坑道の埋め戻し及び地上施設の撤去を完了する予定。坑道の埋め戻し期間中は、埋め戻しに伴う地下水の回復状況を確認するため、地下水の水圧・水質の変化を観測します。坑道の埋戻し後は、地下水調査を環境モニタリング調査として5年程度継続して実施。その後、基礎、コンクリート等の撤去、整地を行ない、令和9年度に全ての作業を終了します。」と説明しています。幌延の埋め戻しの場合も同程度の期間なのか、具体的な数値でお答えください。
- 500mにおける研究計画について
質問1-⑧ (原子力機構への質問)
昨年の「令和2年度以降の幌延深地層研究計画案」を検討した確認会議での500mの研究について、座長の北海道経済部環境・エネルギー室 佐藤室長の問いに、原子力機構山口所長は「350mでの研究を行なった上で、その進捗を見て判断していく」と答えています。(別紙No1,2019年11月6日第5回確認会議議事録 P18) 年度当初350mの研究がはじまる時に新たな計画を提案することは、昨年12月の鈴木知事との面談で、原子力機構の児玉理事長が「今後工程表を整理して今どの時点であるかわかりやすく説明する」としたことに反するものではありませんか。表現が変わった理由を説明願います。
質問1-⑨ (原子力機構への質問)
昨年の延長案の9年間は、350mでのやり残した研究を成果が上がるようにするために原子力機構が設定した期間であり、その工程表には500mの掘削と研究は入っていません。今回、突然提示してきた500mでの掘削と研究の完了は、延長計画の9年間の期間の中で可能だと説明しました。(別紙2−2、第2回確認会議資料1—2 P.21) これは、昨年の機構の説明と矛盾しており、研究期間の再延長を示唆するものであると受け取れます。500mの研究が、9年間とした期間内に完了可能なのでしょうか。
具体的な工程表に基づいてその根拠の説明を求めます。
質問1-⑩ (原子力機構への質問)
10月16日の第2回確認会議において、機構は[稚内層深部における研究に関する検討の経緯]を示した。その中で、「2月から8月に、機構内における研究内容の検討として、・試験内容の詳細、・試験場所の適正、・概略工程」の3項目を挙げています。(第2回確認会議資料1—2 P.20)
検討した研究内容を具体的に説明してください。
質問1-⑪ 文部科学省への質問
長年の北海道民との約束であった「幌延深地層処分研究計画」はおよそ20年という期限付きのものであったが、この度提出された新計画案では、北海道民の願いは反映されず、9年もの延長が受諾されました。昨年5回持たれた確認会議の場で三者協定締約時の条項について解釈が歪められたと道民は受け取っています。(特に7条について)今後、研究機関での研究について二度との延長を受け容れたくないとしても、道民の意志を反映させるための権利が約束されていません。人々の生活環境に影響する研究機関に対し、土地所有者だけでなく、近隣の住民意見を反映させるためには、研究を許している関係官庁の指導や責任があると思われます。また、住民の抗議などが事業者に直接伝える以外に効力のあるものとなっていない背景に、法的に住民の権利が保護されていないためではないかと思われます。この件について、担当省庁として見解をお示しください。
2 最終処分地選定に関する質問
寿都町・神恵内村 文献調査応募に関係する 経産省・NUMOへの質問
■住民意思の反映と可逆性担保(法律的根拠と解釈)について
「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(2000年(平成12)6月7日)
第3章の6、7、8条
6条: 文献調査地区のうち次の各号のいずれにも適合していると認めるものの中から
概要調査地区を選定しなければならない。
7条: 概要調査地区のうち次の各号のいずれにも適合していると認めるものの中から
精密調査地区を選定しなければならない。
8条:精密調査地区のうち次の各号のいずれにも適合していると認めるものの中から最終処分施設建設地を選定しなければならない。
質問2-① 経産省への質問
上記の法律に示されているのは履行する側に立った場合の条件でしかありません。関係自治体住民にとっては、経産省やNUMOが過去に繰り返し説明されてきた「可逆性」や住民の拒否権(住民の反対)という視点から、「調査の次の段階」に進む場所は、「そこまでの調査を受け入れた地域」の中から「選ばなければならない」と読めるため、「一度調査に応募した自治体は、住民の反対があっても国の絞り込みと判断に拠って、最終処分地決定の可能性が高い」という解釈が妥当なように受け取れます。
上記条文の詳しい解説を求めます。
質問2-② 経産省への質問
2017年8月の私たちが主催した会合の中でも、住民の拒否権について経産省から
「関係する地域住民の意思の汲み取り方や、その判断の仕方についてはそれぞれの地域にお任せしている」と、説明がありました。しかし、この法律では、関係地域住民へは説明責任だけが事業主体に課せられているのであり、住民意見や権利を反映させるための条項は見当たりません。
原子力事業に関連するような重要施設の誘致について、住民の権利が約束されていないのは不十分なのであって、法律の問題箇所は常に直す必要や、その法律を補填する新しい法律を新設する必要があるのではないでしょうか? 住民意思を尊重する可逆性の担保がないこの法律についてどう思われるか経産省の見解を示してください。
質問2-③ 経産省への質問
文献調査、概要調査、精密調査まで、「調査の段階をそれぞれ先へ進めるには地元自治体や北海道の許諾が必要」とこれまで国(経産省)は説明し、マスコミもそのように報じています。が、法律には「先に進むには、地元自治体の首長や知事の理解を得る・見解を尊重する」とあるだけで、最終決定は政府側にあると書かれているように受け取れます。
北海道179自治体への配慮なく、合意も得ず、2自治体(寿都町神恵内村)が北海道条例を無視した調査応募をした経過は拙速すぎるのであり、法律の中に合意形成が一方的にならないような条項を加えるべきと考えます。経産省はこの法律に関する改正の余地についてどのようにとらえているか見解をお示しください。
(※可逆性の担保が話題になった際、概要調査や精密調査の途中でも住民が拒否をすることは可能なのかと質問しました。これに対し、「最終的には坑道を閉じる直前まで、その可能性がありますと説明がありました。しかし、この法律を観る限り、可能性がある程度なのであって、住民意見が必ず反映されるという約束はありません。」
3. 深地層処分に関する技術的質問
質問3-①
高レベル放射性廃棄物を入れる金属容器の経年劣化及び放射線による劣化をどう考えているのか。これまでの会合でも繰り返し、オーバーパックやガラス固化体、キャニスターの経年劣化については話題にしてきましたが、放射線による破損(耐久性)に関するデータを示してください。また、その実証試験はどのような内容のものかについても説明されたい。
質問3-② 経産省への質問
ガラス固化体に含まれるものについて詳細な情報公開を示してください。
現在国内で貯蔵中のガラス固化体は何本で,各々の固化体に含まれている放射性核種とその放射能量(Bq)を明らかにすべきではないか。これは100年後,500年後,1000年後,2000年後,8000年後の放射能はどうなるのか。情報公開を徹底するべきではないか。
日本原燃㈱は六ヶ所再処理工場で製造した各々のガラス固化体中の放射性核種についてウランやプルトニウム同位体を含め情報公開していないが,そのような固化体を自治体に最終処分させてよいのか。
質問3-③ 経産省への質問
10万年の管理保管が必要として国は深地層処分が最善としていますが、未来世代へどのように埋設物の情報を伝えるのか説明してください。
ガラス固化体に含有される,安定同位体(非放射性元素)を含めた元素の含有%の経年変化100年後,500年後,1000年後,2000年後,8000年後について示されたい。
数百年,数千年,数万年後の未来世代へしっかりと最終処分されたガラス固化体の含有物について情報を残すことがこのような扱いに困る生成物を作り出した現世代の責任と誠意ではないか。
質問3-④ 経産省への質問
ガラス固化体に含まれる超長半減期のウラン,プルトニウムの総量をお答えください。
ウラン・プルトニウムの六ケ所再処理工場の回収目標は98.2%であり,未回収1.8%分のほとんど高レベル廃液に含まれガラス固化されるものと推察される。1年間に処分される使用済みウラン燃料は800トンでありその1.8%14.4トンもがガラス固化体に含まれてきます。
ウラン238の半減期は44億6800年,ウラン235は7億380万年, ウラン234は24万5千年であり,最終処分し8000年経過してもほとんど減少しない。最終処分されるガラス固化体中のウラン,プルトニウムの放射能総量を示されたい。
質問3-⑤ 経産省への質問
ガラス固化体は約8千年で天然ウラン並の有害度まで低減されるとしている根拠を示してください。
時間内に理化学的な説明が不可能な場合は根拠となるデータや文献をお示しください。資源エネルギー庁HPにある「資源エネルギー庁がお答えします!〜核燃サイクルについてよくある3つの質問」のQ1ではガラス固化体1本の放射能が天然ウランと同程度の有害レベルまで低減するのにかかる時間は約8千年」と経産省はHPで説明しています。ここで「天然ウラン」とは天然ウラン鉱石のことかそれとも精製された濃縮前のウランのことを指しているのか。その「天然ウランと同程度の有害度レベル」とあるが有害度の定義を明確にお示しください。
このガラス固化体には,再処理工場で回収できなかったウラン,プルトニウムも含まれているはずですが、その核種毎の質量と放射能量、また、約8千年とした計算根拠をお示しください。
今回、文献調査に応募した寿町や神恵内など北海道西部を想定した場合、地層処分した核ゴミが、地殻変動を受けて地下土壌と共に隆起した場合や、巨大地震による大津波を受けた場合、更に羊蹄山の火山噴火などが起きて火砕流・溶岩流が流れてきた場合を含む、北海道沿岸地域に於ける最悪シナリオはどういうことが考えられるか、シミュレーションをお示しください。
(規制委員会には、この評価をどのように行っていくのかお答えいただきたい)
ドイツの核廃棄物埋設処分場アッセでは、防護壁予定だった岩塩層にヒビなどの損壊ができ、地下水が流れ込んできたそうですが、地下埋設処分の失敗事例の一例として、このケース(ドイツの「アッセ」処分場)での現状を研究機関として、また国として、知る限り詳しくお知らせください。
(主にNUMO,経産省、一部使用済燃料再処理機構・日本原燃への質問)
質問3-⑧ 経産省への質問(⑧~⑫は青森県の方からの質問)
青森県との間で、高レベル放射性廃棄物の受け入れ開始から30年から50年以内に搬出する約束がありますが、これをどのように果たすつもりでいるか。国の計画案を示してください。
質問3-⑨ 経産省への質問
北海道2自治体(寿都町・神恵内村)の応募があったため、国はすぐに文献調査を始めるとの見通しを示しています。一方、NUMOは「これまで適地選定にはそれなりの年月がかかり、その後の工事に10年掛かる」と述べてきました。今回の文献調査に名乗りを上げた自治体があったため、適地が確定するのに15年掛かるし、工事に10年掛かる計算をした場合、2045年の春までに搬出可能となるという理解で良いのでしょうか?
青森から搬出は、処分地完成を見越して30年後という事か。今後の国の見通しをお示しください。
質問3-⑩ 経産省、使用済燃料再処理機構および日本原燃への質問
六ヶ所再処理工場からの高レベル放射性廃棄物の発生量をどのように考えるべきか。
これまでの計画では、六ヶ所再処理工場が年間800トン再処理して、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体が1,000本生じるとし、これを40年間で将来約4万本のガラス固化体を最終処分場に埋設する計画としていました。ところが、六ヶ所再処理工場を年間800トン動かすと、プルトニウムが約7トン生じ、これを取り出す際には約14トンのMOX燃料となるため、プルサーマルで消費し切れる見込みがありません。余剰プルトニウム問題で再処理の継続に制限が掛かるかもしれないのではありませんか。
質問3-⑪ 経産省とNUMOへの質問
アクティブ試験ではガラス固化がうまくいかず、10本製造したら3本分のガラスで洗浄する作業を繰り返しました。これでは結局、再処理して取り出すMOX燃料は有効に使えない一方で、ガラス固化体は予定よりも多く発生する可能性が高いと思われます。
約4万本を埋設するだけではなく、3割増しの5万2千本+TRU廃棄物を埋設するだけの広大な敷地が必要ですが、約6平方キロの安定した土地(断層がない)が文献調査に名乗りを上げた町村に十分に必要な広さが確保できるのでしょうか。
現在、六ヶ所再処理工場には約211㎥、東海再処理工場には約340㎥の高レベル廃液が貯蔵されていますが、ガラス固化の技術的な問題が解決されていません。六ヶ所再処理工場でのガラス固化に対応する次期ガラス固化施設(第二工場と前回の会合で呼ばれていた施設)の進展について説明されたい。
4 乾式貯蔵技術の開発と実用 に関する質問①~②
質問4-① 経産省への質問
ガラス固化が当初計画通りにできず、いくら30年以上の時を経て、その経過にある各原発の使用済燃料冷却用プールの老朽が進んだ場合、大変危険であることは予測に易いですが、老朽原発から順番に冷却用プール内の使用済核燃料を乾式貯蔵にし、青森県にこれ以上運び込まないようにするという計画は国として具体実用案を示すべきではないかと考えます。国の方針をお聞かせください。
質問4-② 電気事業連合会(原発を保持する大手電力の代表として)と経産省への質問
乾式貯蔵技術の開発や実際の研究計画案にどのような資金が使われていますか。現在、そのようなプロジェクトはどの程度、国が把握し、指導監督していますか。
発生責任者として電力会社各社は乾式貯蔵の実用可能性についてどのように考え、計画を持っていますか。それぞれの立場でお答えください。
■ ■ ■
経産省への質問 「原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会」からの追質問 (※書面提出)(第10回の核ゴミに関する政府との会合とは別に、第8回会合の説明を受けて、追質問します)
2016年〜2018年、日本製鋼所室蘭製作所による、《「原子力発電所等金属廃棄物利用技術開発」事業》に関連して以下の通り質問しますのでお答えください。
① 2016年7月、東海廃炉原発から搬入された「クリアランス」金属は、加工された後、「再利用」金属として、2018年日本製鋼所室蘭製作所(以下日鋼)から山口県下関市へ送られて、建造中の船のカウンターウェイトになっていると前回の会合で聞いたが、2020年現在どこにどういう状態であるのか。
②実証実験後、説明会において、日鋼は、今後「クリアランス」金属の再利用事業を進めると述べているが、現時点で、新たに日鋼(日本製鋼所M&E室蘭製作所)にクリアランス金属が搬入されたという事実はないか。また、今後の予定はどうなっているのか。
③前回の会合で、原発廃炉金属の汚染されている度合いについて、環境省は「事業者に計測をさせている」と答えているが、どこが測っているのか、会社名・機関名を教えて欲しい。
④同会合において、「クリアランス」金属のトレイサビリティについて、
環境省は、「情報を把握して、どこでどのように使われているかを把握している」
と答えているが、それは公開しているのか。一般人はどうやって知ることができるのか。
⑤ 本事業において発生したスラグについて、前回、「スラグポットにためてある」とのお答えであったが、そのスラグポットは、どこにどのように処理保管されているのか明確にお答えいただきたい。
⑥ 上記スラグについて、「線量当量率(Sv/時)を測った」ということであるが、スラグの測定については、ベクレル測定が必要である。ベクレル測定はやっていないのか。
⑦ 「クリアランス金属」加工再利用事業について、北海道室蘭・日鋼以外のところで実施する計画はあるのか。ないのであれば、今後、日本中の「クリアランス」金属が、室蘭に搬入され、室蘭の環境中に放射性廃棄物が放出されることになる。廃炉が進む中で、「クリアランス」制度により、リサイクルできるとされる金属廃棄物の発生量は2030年〜40年ごろには、年1万〜1万3000トン程度まで増える、という試算もある。
総量規制が必要ではないか。
質問は以上
前回 第9回核ごみに関する政府との会合 UPLAN 動画記録
- 住所 〒100-8962 東京都千代田区永田町2-1-1 参議院議員会館1111号室
- TEL 03-6550-1111
- FAX 03-6551-1111
- Mail mizuho-office@jca.apc.org
核ごみ問題研究会
TEL 090-9436-8632
Mail emika69@yahoo.co.jp
子どもたちに核のゴミのない寿都を!町民の会 11月1日お知らせ
第10回【核ごみに関する政府との会合】質問内容とタイムテーブル
11月13日に予定している核ゴミに関する政府との会合の会議室が決まりました。改めて質問内容とタイムテーブルをお知らせいたします。
(会合参加者は質問項目の最後の表でご確認ください)
第10回【核ごみに関する政府との会合】
日時 : 令和2年11月13日 14:00~
場所 : 参議院議員会館 B107 号会議室
主催 : 福島みずほ事務所 ・ 核ごみ問題研究会
【会合で質問するトピック】
確認会議のあり方について
埋め戻しの行程について
500m以深における研究計画について
2 最終処分地選定に関する質問①~③ 15:10~15:30
(寿都町・神恵内町の文献調査応募に関連して)
住民意思の反映と可逆性担保(法律的根拠と解釈)について
3 深地層処分に関する技術的質問①~⑫ 15:30~16:30
深地層処分に関する技術的質問
4 乾式貯蔵技術の開発と実用に関する質問①② 16:30~17:00
【お招きする予定の関係省庁と機関】
経済産業省/資源エネルギー庁 放射性廃棄物担当(質問書では経産省とする)
原子力規制委員会/放射性廃棄物担当) (質問書では規制委員会とする)
NUMO 原子力発電環境整備機構
JAEA 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 (質問書では原子力機構とする)
文部科学省/再処理事業・放射性廃棄物関連部署(質問書では文科省とする)
使用済燃料再処理機構 ・日本原燃
<質問内容>
1 幌延深地層処分研究延長に関する問題 (原子力機構、文部科学省への質問)
◆はじめに、JAEA(日本原子力研究開発機構)から、「令和2年度以降の幌延深地層研究計画」の延長申し入れから今日までの経過説明を求めます。
※計画案申し入れ、北海道が募った道民からの質問、意見、確認会議5回、地域説明会4か所、確認会議のとりまとめ、取りまとめに対する道民からの質問、知事回答、第一回(8月30日)、第2二回(10月16日)、第三回10月23日の確認会議と今日までを時系列的に。これらに関連した報告があれば添えてください。
- 確認会議のあり方について
確認会議のとりまとめに至る経過を議事録で見る限り、北海道は独自の発言をしないまま、とりまとめの報告が出され、即座に回答書が提出されている。三者の協定であるのに、北海道が発言しない確認会議のとりまとめ結果を多数決のようにして有効にしてしまうことは道民として遺憾に思います。
質問1-① (原子力機構への質問)
三者協定第7条の中に「長期延長」の件までも話し合い事項としてしまった確認会議の判断は、本年1月24日に出された「令和2年度以降の幌延深地層研究計画」の9年間についてだけであるのに、本年度第一回確認会議(8月30日)の中で、早速、500メートル掘削と新規の研究課題についてまで話題を出し、第二回確認会議ではJAEAは、500m以深掘削の際の設計工事の見積もりを外注していることなどにまで言及されました。9年の延長期間内では収まらない可能性もある更なる再々延長案を言い出したことは、9年もの延長を聞かされた直後の北海道民の気持ちを全く配慮しないものです。
本年度確認会議内で早々に、この件を持ち出したということは、9年後に再び延長することがいまから計画されているということですか? 本年度確認会議でこの話題を出した理由を説明してください。
※質問1-⑨に関連しますが、前もってうかがいます。
質問1-② (原子力機構への質問)
確認会議が設置された当初の役割に関して設置要綱を示して説明してください。その上で、19年もの間開かれていなかった確認会議が昨年の申し入れ後には5回開かれ、本年度はすでに3回も開かれている理由について、本年度は特に計画案に大きな変更があるためなのかについて説明してください。
質問1-③ 文部科学省(担当部署)および 原子力機構への質問
確認会議の設置要綱では、毎年の研究内容が三者協定に添って行われているかを確認するためとされているのであり、延長する際に三者協定の条文の解釈を審査するような機関としての役割を担っていません。また、確認会議のメンバーの決め方について、識者の選定の仕方などがどのようにされているのか、道民には詳しく説明されていません。そのため、確認会議でのとりまとめ自体、民意を反映しないものであると受け止められます。文部科学省は、このような確認会議の在り方について、どのように考えるか担当省庁として、確認や指導を必要としないのでしょうか? お答えください。
質問1-④ (原子力機構への質問)
「令和2年度以降の幌延深地層処分研究計画」の申し入れにある、「9年もの延長をしなければならないと気づいた時期と理由について質問しましたが、原子力機構は「8月1日に決め、8月2日に申し入れした」としか答えていません。延長が必要と機構が気づき、新計画案を練り始めた時期はいつなのか、いま一度、明確に議事録・会議録、ファイルの更新日時を示して回答してください。
※およそ20年と約束していた研究を長期延長する理由として特段の大きな失敗や研究の滞りがあったわけではなかったと、申し入れ翌日の8月3日、幌延の交渉の場で原子力機構は回答しました。あのように長文で、必要な研究課題を連ねてある新計画案をまとめるためには、少なくとも準備期間があったはずです。前回の会合11月22日の質問にも、同じ質問をしましたが原子力機構はこの件について、まともに答えていません。同様の質問は確認会議のとりまとめに対する道民の質問を募集した際、北海道が募集した「確認会議のとりまとめに対する道民の質問」を通じて、また、ベクレルフリー北海道としても、幌延問題を検証する会が提出した質問書でもしましたが、北海道から受け取った原子力機構の回答は同様に中身のないものでしたので、今一度説明をお願いするものです。
■ 埋め戻しの行程について
質問1-⑤ (原子力機構への質問)
2020年10月16日の第2回確認会議で原子力機構は「埋め戻しの考え方について、一般的な事例等をお示しすることを検討しますと」回答しています。埋め戻し方法や工事期間、周辺環境のモニタリングなど地下施設の埋め戻しを検討する上で考慮することとなる事例等について具体的に示してください。
質問1-⑥ (原子力機構への質問)
埋め戻しの対象について、原子力機構は「地層処分の技術基盤の整備の完了」確認後の「埋め戻しの対象は3本の立坑を含む掘削した坑道の全て、すなわち地下施設全体となる」とし、埋め戻しは「建設時に発生した掘削土を用いる。」としている。量が足りるのか、不足する場合、どこのどんな土を使うのかお答えください。※昨年12月の鈴木知事との面談で児玉理事長が「工程表を整理して説明する」としたことに拠り質問します。
質問1-⑦ (原子力機構への質問)
瑞浪の埋め戻し計画についての質問に、原子力機構は、「令和元年度研究開発を終了し、坑道の埋戻し作業を進めている。令和4年1月までに坑道の埋め戻し及び地上施設の撤去を完了する予定。坑道の埋め戻し期間中は、埋め戻しに伴う地下水の回復状況を確認するため、地下水の水圧・水質の変化を観測します。坑道の埋戻し後は、地下水調査を環境モニタリング調査として5年程度継続して実施。その後、基礎、コンクリート等の撤去、整地を行ない、令和9年度に全ての作業を終了します。」と説明しています。幌延の埋め戻しの場合も同程度の期間なのか、具体的な数値でお答えください。
- 500mにおける研究計画について
質問1-⑧ (原子力機構への質問)
昨年の「令和2年度以降の幌延深地層研究計画案」を検討した確認会議での500mの研究について、座長の北海道経済部環境・エネルギー室 佐藤室長の問いに、原子力機構山口所長は「350mでの研究を行なった上で、その進捗を見て判断していく」と答えています。(別紙No1,2019年11月6日第5回確認会議議事録 P18) 年度当初350mの研究がはじまる時に新たな計画を提案することは、昨年12月の鈴木知事との面談で、原子力機構の児玉理事長が「今後工程表を整理して今どの時点であるかわかりやすく説明する」としたことに反するものではありませんか。表現が変わった理由を説明願います。
質問1-⑨ (原子力機構への質問)
昨年の延長案の9年間は、350mでのやり残した研究を成果が上がるようにするために原子力機構が設定した期間であり、その工程表には500mの掘削と研究は入っていません。今回、突然提示してきた500mでの掘削と研究の完了は、延長計画の9年間の期間の中で可能だと説明しました。(別紙2−2、第2回確認会議資料1—2 P.21) これは、昨年の機構の説明と矛盾しており、研究期間の再延長を示唆するものであると受け取れます。500mの研究が、9年間とした期間内に完了可能なのでしょうか。
具体的な工程表に基づいてその根拠の説明を求めます。
質問1-⑩ (原子力機構への質問)
10月16日の第2回確認会議において、機構は[稚内層深部における研究に関する検討の経緯]を示した。その中で、「2月から8月に、機構内における研究内容の検討として、・試験内容の詳細、・試験場所の適正、・概略工程」の3項目を挙げています。(第2回確認会議資料1—2 P.20)
検討した研究内容を具体的に説明してください。
質問1-⑪ 文部科学省への質問
長年の北海道民との約束であった「幌延深地層処分研究計画」はおよそ20年という期限付きのものであったが、この度提出された新計画案では、北海道民の願いは反映されず、9年もの延長が受諾されました。昨年5回持たれた確認会議の場で三者協定締約時の条項について解釈が歪められたと道民は受け取っています。(特に7条について)今後、研究機関での研究について二度との延長を受け容れたくないとしても、道民の意志を反映させるための権利が約束されていません。人々の生活環境に影響する研究機関に対し、土地所有者だけでなく、近隣の住民意見を反映させるためには、研究を許している関係官庁の指導や責任があると思われます。また、住民の抗議などが事業者に直接伝える以外に効力のあるものとなっていない背景に、法的に住民の権利が保護されていないためではないかと思われます。この件について、担当省庁として見解をお示しください。
2 最終処分地選定に関する質問
寿都町・神恵内村 文献調査応募に関係する 経産省・NUMOへの質問
■住民意思の反映と可逆性担保(法律的根拠と解釈)について
「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(2000年(平成12)6月7日)
第3章の6、7、8条
6条: 文献調査地区のうち次の各号のいずれにも適合していると認めるものの中から
概要調査地区を選定しなければならない。
7条: 概要調査地区のうち次の各号のいずれにも適合していると認めるものの中から
精密調査地区を選定しなければならない。
8条:精密調査地区のうち次の各号のいずれにも適合していると認めるものの中から最終処分施設建設地を選定しなければならない。
質問2-① 経産省への質問
上記の法律に示されているのは履行する側に立った場合の条件でしかありません。関係自治体住民にとっては、経産省やNUMOが過去に繰り返し説明されてきた「可逆性」や住民の拒否権(住民の反対)という視点から、「調査の次の段階」に進む場所は、「そこまでの調査を受け入れた地域」の中から「選ばなければならない」と読めるため、「一度調査に応募した自治体は、住民の反対があっても国の絞り込みと判断に拠って、最終処分地決定の可能性が高い」という解釈が妥当なように受け取れます。
上記条文の詳しい解説を求めます。
質問2-② 経産省への質問
2017年8月の私たちが主催した会合の中でも、住民の拒否権について経産省から
「関係する地域住民の意思の汲み取り方や、その判断の仕方についてはそれぞれの地域にお任せしている」と、説明がありました。しかし、この法律では、関係地域住民へは説明責任だけが事業主体に課せられているのであり、住民意見や権利を反映させるための条項は見当たりません。
原子力事業に関連するような重要施設の誘致について、住民の権利が約束されていないのは不十分なのであって、法律の問題箇所は常に直す必要や、その法律を補填する新しい法律を新設する必要があるのではないでしょうか? 住民意思を尊重する可逆性の担保がないこの法律についてどう思われるか経産省の見解を示してください。
質問2-③ 経産省への質問
文献調査、概要調査、精密調査まで、「調査の段階をそれぞれ先へ進めるには地元自治体や北海道の許諾が必要」とこれまで国(経産省)は説明し、マスコミもそのように報じています。が、法律には「先に進むには、地元自治体の首長や知事の理解を得る・見解を尊重する」とあるだけで、最終決定は政府側にあると書かれているように受け取れます。
北海道179自治体への配慮なく、合意も得ず、2自治体(寿都町神恵内村)が北海道条例を無視した調査応募をした経過は拙速すぎるのであり、法律の中に合意形成が一方的にならないような条項を加えるべきと考えます。経産省はこの法律に関する改正の余地についてどのようにとらえているか見解をお示しください。
(※可逆性の担保が話題になった際、概要調査や精密調査の途中でも住民が拒否をすることは可能なのかと質問しました。これに対し、「最終的には坑道を閉じる直前まで、その可能性がありますと説明がありました。しかし、この法律を観る限り、可能性がある程度なのであって、住民意見が必ず反映されるという約束はありません。」
3. 深地層処分に関する技術的質問
質問3-①
高レベル放射性廃棄物を入れる金属容器の経年劣化及び放射線による劣化をどう考えているのか。
これまでの会合でも繰り返し、オーバーパックやガラス固化体、キャニスターの経年劣化については話題にしてきましたが、放射線による破損(耐久性)に関するデータを示してください。また、その実証試験はどのような内容のものかについても説明されたい。
質問3-② 経産省への質問
ガラス固化体に含まれるものについて詳細な情報公開を示してください。
現在国内で貯蔵中のガラス固化体は何本で,各々の固化体に含まれている放射性核種とその放射能量(Bq)を明らかにすべきではないか。これは100年後,500年後,1000年後,2000年後,8000年後の放射能はどうなるのか。情報公開を徹底するべきではないか。
日本原燃㈱は六ヶ所再処理工場で製造した各々のガラス固化体中の放射性核種についてウランやプルトニウム同位体を含め情報公開していないが,そのような固化体を自治体に最終処分させてよいのか。
質問3-③ 経産省への質問
10万年の管理保管が必要として国は深地層処分が最善としていますが、未来世代へどのように埋設物の情報を伝えるのか説明してください。
ガラス固化体に含有される,安定同位体(非放射性元素)を含めた元素の含有%の経年変化100年後,500年後,1000年後,2000年後,8000年後について示されたい。
数百年,数千年,数万年後の未来世代へしっかりと最終処分されたガラス固化体の含有物について情報を残すことがこのような扱いに困る生成物を作り出した現世代の責任と誠意ではないか。
質問3-④ 経産省への質問
ガラス固化体に含まれる超長半減期のウラン,プルトニウムの総量をお答えください。
ウラン・プルトニウムの六ケ所再処理工場の回収目標は98.2%であり,未回収1.8%分のほとんど高レベル廃液に含まれガラス固化されるものと推察される。1年間に処分される使用済みウラン燃料は800トンでありその1.8%14.4トンもがガラス固化体に含まれてきます。
ウラン238の半減期は44億6800年,ウラン235は7億380万年, ウラン234は24万5千年であり,最終処分し8000年経過してもほとんど減少しない。最終処分されるガラス固化体中のウラン,プルトニウムの放射能総量を示されたい。
質問3-⑤ 経産省への質問
ガラス固化体は約8千年で天然ウラン並の有害度まで低減されるとしている根拠を示してください。
時間内に理化学的な説明が不可能な場合は根拠となるデータや文献をお示しください。資源エネルギー庁HPにある「資源エネルギー庁がお答えします!〜核燃サイクルについてよくある3つの質問」のQ1ではガラス固化体1本の放射能が天然ウランと同程度の有害レベルまで低減するのにかかる時間は約8千年」と経産省はHPで説明しています。ここで「天然ウラン」とは天然ウラン鉱石のことかそれとも精製された濃縮前のウランのことを指しているのか。その「天然ウランと同程度の有害度レベル」とあるが有害度の定義を明確にお示しください。
このガラス固化体には,再処理工場で回収できなかったウラン,プルトニウムも含まれているはずですが、その核種毎の質量と放射能量、また、約8千年とした計算根拠をお示しください。
今回、文献調査に応募した寿町や神恵内など北海道西部を想定した場合、地層処分した核ゴミが、地殻変動を受けて地下土壌と共に隆起した場合や、巨大地震による大津波を受けた場合、更に羊蹄山の火山噴火などが起きて火砕流・溶岩流が流れてきた場合を含む、北海道沿岸地域に於ける最悪シナリオはどういうことが考えられるか、シミュレーションをお示しください。
(規制委員会には、この評価をどのように行っていくのかお答えいただきたい)
ドイツの核廃棄物埋設処分場アッセでは、防護壁予定だった岩塩層にヒビなどの損壊ができ、地下水が流れ込んできたそうですが、地下埋設処分の失敗事例の一例として、このケース(ドイツの「アッセ」処分場)での現状を研究機関として、また国として、知る限り詳しくお知らせください。
(主にNUMO,経産省、一部使用済燃料再処理機構・日本原燃への質問)
質問3-⑧ 経産省への質問(⑧~⑫は青森県の方からの質問)
青森県との間で、高レベル放射性廃棄物の受け入れ開始から30年から50年以内に搬出する約束がありますが、これをどのように果たすつもりでいるか。国の計画案を示してください。
質問3-⑨ 経産省への質問
北海道2自治体(寿都町・神恵内村)の応募があったため、国はすぐに文献調査を始めるとの見通しを示しています。一方、NUMOは「これまで適地選定にはそれなりの年月がかかり、その後の工事に10年掛かる」と述べてきました。今回の文献調査に名乗りを上げた自治体があったため、適地が確定するのに15年掛かるし、工事に10年掛かる計算をした場合、2045年の春までに搬出可能となるという理解で良いのでしょうか?
青森から搬出は、処分地完成を見越して30年後という事か。今後の国の見通しをお示しください。
質問3-⑩ 経産省、使用済燃料再処理機構および日本原燃への質問
六ヶ所再処理工場からの高レベル放射性廃棄物の発生量をどのように考えるべきか。
これまでの計画では、六ヶ所再処理工場が年間800トン再処理して、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体が1,000本生じるとし、これを40年間で将来約4万本のガラス固化体を最終処分場に埋設する計画としていました。ところが、六ヶ所再処理工場を年間800トン動かすと、プルトニウムが約7トン生じ、これを取り出す際には約14トンのMOX燃料となるため、プルサーマルで消費し切れる見込みがありません。余剰プルトニウム問題で再処理の継続に制限が掛かるかもしれないのではありませんか。
質問3-⑪ 経産省とNUMOへの質問
アクティブ試験ではガラス固化がうまくいかず、10本製造したら3本分のガラスで洗浄する作業を繰り返しました。これでは結局、再処理して取り出すMOX燃料は有効に使えない一方で、ガラス固化体は予定よりも多く発生する可能性が高いと思われます。
約4万本を埋設するだけではなく、3割増しの5万2千本+TRU廃棄物を埋設するだけの広大な敷地が必要ですが、約6平方キロの安定した土地(断層がない)が文献調査に名乗りを上げた町村に十分に必要な広さが確保できるのでしょうか。
現在、六ヶ所再処理工場には約211㎥、東海再処理工場には約340㎥の高レベル廃液が貯蔵されていますが、ガラス固化の技術的な問題が解決されていません。六ヶ所再処理工場でのガラス固化に対応する次期ガラス固化施設(第二工場と前回の会合で呼ばれていた施設)の進展について説明されたい。
4 乾式貯蔵技術の開発と実用 に関する質問①~②
質問4-① 経産省への質問
ガラス固化が当初計画通りにできず、いくら30年以上の時を経て、その経過にある各原発の使用済燃料冷却用プールの老朽が進んだ場合、大変危険であることは予測に易いですが、老朽原発から順番に冷却用プール内の使用済核燃料を乾式貯蔵にし、青森県にこれ以上運び込まないようにするという計画は国として具体実用案を示すべきではないかと考えます。国の方針をお聞かせください。
質問4-② 電気事業連合会(原発を保持する大手電力の代表として)と経産省への質問
乾式貯蔵技術の開発や実際の研究計画案にどのような資金が使われていますか。現在、そのようなプロジェクトはどの程度、国が把握し、指導監督していますか。
発生責任者として電力会社各社は乾式貯蔵の実用可能性についてどのように考え、計画を持っていますか。それぞれの立場でお答えください。
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経産省への質問 「原発廃炉金属の再利用を監視する市民の会」からの追質問 (※書面提出)
(第10回の核ゴミに関する政府との会合とは別に、第8回会合の説明を受けて、追質問します)
2016年〜2018年、日本製鋼所室蘭製作所による、《「原子力発電所等金属廃棄物利用技術開発」事業》に関連して以下の通り質問しますのでお答えください。
① 2016年7月、東海廃炉原発から搬入された「クリアランス」金属は、加工された後、「再利用」金属として、2018年日本製鋼所室蘭製作所(以下日鋼)から山口県下関市へ送られて、建造中の船のカウンターウェイトになっていると前回の会合で聞いたが、2020年現在どこにどういう状態であるのか。
②実証実験後、説明会において、日鋼は、今後「クリアランス」金属の再利用事業を進めると述べているが、現時点で、新たに日鋼(日本製鋼所M&E室蘭製作所)にクリアランス金属が搬入されたという事実はないか。また、今後の予定はどうなっているのか。
③前回の会合で、原発廃炉金属の汚染されている度合いについて、環境省は「事業者に計測をさせている」と答えているが、どこが測っているのか、会社名・機関名を教えて欲しい。
④同会合において、「クリアランス」金属のトレイサビリティについて、
環境省は、
「情報を把握して、どこでどのように使われているかを把握している」
と答えているが、それは公開しているのか。一般人はどうやって知ることができるのか。
⑤ 本事業において発生したスラグについて、前回、「スラグポットにためてある」とのお答えであったが、そのスラグポットは、どこにどのように処理保管されているのか明確にお答えいただきたい。
⑥ 上記スラグについて、「線量当量率(Sv/時)を測った」ということであるが、スラグの測定については、ベクレル測定が必要である。ベクレル測定はやっていないのか。
⑦ 「クリアランス金属」加工再利用事業について、北海道室蘭・日鋼以外のところで実施する計画はあるのか。ないのであれば、今後、日本中の「クリアランス」金属が、室蘭に搬入され、室蘭の環境中に放射性廃棄物が放出されることになる。廃炉が進む中で、「クリアランス」制度により、リサイクルできるとされる金属廃棄物の発生量は2030年〜40年ごろには、年1万〜1万3000トン程度まで増える、という試算もある。
総量規制が必要ではないか。
【核ゴミ問題研究会】
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