becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

「放射性廃棄物の処分等に関する要請書」

ベクレルフリー北海道は、道内の市民グループと共に2017年9月13日に北海道庁にて
北海道知事宛ての要請書を提出します。

以下に要請内容と理由を公開いたします。

====================================

 

2017年9月13日 

北海道知事 高橋はるみ 様

                         ベクレルフリー北海道

                              

 

放射性廃棄物の処分等に関する要請書

 

本年7月28日に、国は高レベル放射性廃棄物最終処分地の適地として可能性がある地域を「科学的特性マップ」として公表しました。また、クリアランスレベルであるとはしながら、放射性物質が北海道内に運び込まれている事実があります。

この現状に鑑み、以下のことを北海道知事に要請します。

 

要請事項

1.北海道条例と三者協定を遵守してください。

2.北海道内にはあらゆる区分の放射性廃棄物処分のための文献調査も処分場も受け入れないでください。

3.上記二項目について、北海道知事は住民の意思を尊重し、お考えを示してください。

 

要請理由

  • 北海道内広範囲が科学的特性マップ上で「好ましい地域」として評価されました。

経済産業省は「科学的特性マップ」の精度を保証するものではなく、高レベル放射性廃棄物の最終処分地を決定するものではないとしています。また、一方で、今後は科学的特性をNUMOによる詳細な調査・評価が行われる必要があるとしているため、北海道沿岸域でも掘削調査などが進んで行く可能性を示唆します。公表された「科学的特性マップ」の評価基準はどの観点も甘過ぎます。

①公表されたマップでは、規制庁が審査をし直している泊原発周辺を含む北海道の海岸部を全国一律に「輸送面でも好ましい地域」とし、沿岸部の港湾設備、沖合の深さ、崖の高さ等の詳細な要件から総合的に判断していません。

②「断層の傾斜」の存在を無視し、活断層から数km離れた場所での直下型地震やズレが生じる可能性を全く考慮していません。海岸線から近い海底下の活断層に配慮していません。

③火山活動の歴史を踏まえておらず、今ある火山の中心から15㎞の範囲のみ留意した評価に過ぎません。

地震津波、地下水の影響については全く配慮されていません。

⑤社会的マイナス要件、条件については加味されていません。

国が今回のマップ公表に伴い、「好ましい特性が確認できる可能性が高い」地域について、「将来的に処分地選定調査の対象になる可能性がある」としていることから、広大な北海道では「好ましい特性」の地域が広く存在し、99もの自治体が該当しています。明確な反対表明のない自治体は、核のゴミ処分場の受け入れを打診されることが懸念されます。

  • 三者協定と北海道条例を遵守してください。

 本年7月30日に幌延深地層処分研究センターにおいて、「研究事業の完全な終了時期と行程表の明示時期がいつになるのか」また「埋戻し完了までに最速で何年掛かるのか」、市民団体が日本原子力研究開発機構に質問し、「計画の設計に最低2年掛かるので、埋め戻し工事計画の提示は平成31年度内。その後着工し、工事には数年かかる」との回答を得ました。この回答は明らかに、終了時期の先延ばしを予想させるものです。機構が協定当事者としての責務を放棄することのないよう、北海道知事は厳しく意見すべきです。三者協定と北海道条例を遵守し、「北海道に高レベル放射性廃棄物を受け入れない」と明確に宣言してください。

 

 

日本原子力研究開発機構は大学・他研究機関・企業などと様々なプロジェクトによる共同研究を行っており、例えば2007年より、新たに、産業総合研究所などと共同で「沿岸部処分システム高度化開発の研究」を開始しました。

また、室蘭では昨年度から、東海村の実験炉廃炉で出たクリアランスレベルの放射性金属廃棄物の加工事業が開始され、事実上、北海道内への放射性廃棄物の持ち込みが行われています。北海道外から放射性物質で汚染されたものを持ち込まれることにより、輸送・加工する過程などで、被曝労働や更なる放射性物質拡散の可能性があります。また、国がクリアランスレベルの閾値を上方修正したこと自体、住民や環境の影響を第一に考えた配慮していると信頼するには根拠が希薄です。

 

新たな研究や事業に対する説明責任は、事業者だけではなく北海道知事にも当然あるはずです。知事には事前に道民への周知徹底を求めると共に、今後、あらゆる区分の放射性廃棄物、指定廃棄物も道内に受け入れないと宣言していただきたいのです。

国は、仮に市町村長が調査研究事業や最終処分場の受け入れに肯定的な態度であったとしても、都道府県の知事が明確に拒否の態度を示している場合、その先の行程には進む可能性が低いとしています。

 

将来、北海道が核のゴミ捨て場とならないようにするには、国の原子力政策や新しい事業策に対し、静観しているだけでなく、国に対し明確に「北海道にはあらゆる区分の放射性廃棄物を受け入れない」と明確な言葉で宣言してください。

 

<賛同団体>

自然エネルギー泊原発を考える市民の会 Shut泊 

脱原発をめざす北電株主の会

護憲ネットワーク北海道

幌延問題道民懇談会

北海道ピーストレード釧路グループ

脱原発ネット釧路

宮田まどか(釧路市議会議員)

 ℐ女性会議札幌

f:id:emikamassion:20170906111338p:plain

第6回【核ごみに関する政府との会合】報告①

第6回【核ごみに関する政府との会合】報告

日時:平成29年8月29日 14:00~ 場所:参議院議員会館 101号室

主催:核ごみ問題研究会 

鷲見悟(幌延町議会議員)/宮田まどか(釧路市議会議員)/マシオン恵美香(ベクレルフリー北海道代表)/山田清彦(青森県・一万人訴訟団)/野村保子(函館・大間原発訴訟)

協力:福島みずほ事務所 ・ 特定非営利活動法人 A SEED JAPAN

journalasia.blog22.fc2.com

becquerelfree.hatenadiary.jp

f:id:emikamassion:20170905093422j:plain

1.科学的特性マップに関する質問 (NUMO、経産省、地層処分WG 有識者委員会)

公開されたマップについて

質問①「公開された「科学的特性マップ」で、現在、「好ましい特性が確認される可能性が相対的に高い」とされている地域について、科学的特性マップ作成の際ワーキンググループが検討した科学的資料とその出典、その資料の調査対象地域のリストを開示して戴きたい。」

回答①経済産業省資源エネルギー庁K: 科学的特性マップがどういうものに基づいて作ったものなのかについては、地層処分ワーキンググループというものがあり、こちらにより今年4月に取りまとめをした。どういう出典なのかについては、これも同様に、7月28日マップを公表した日にホームページに掲載している「地層処分ワーキンググループ説明資料」に表記している。火山とか断層について何を参照したか、作図方法と使用文献データが掲載してある。ここをご覧いただくと、例えば日本の火山であれば日本の火山帯や、日本の火山カタログをそれぞれ紹介している。こちらを参照いただきたい。

 

質問②「海岸沿岸地域をほぼ一律に「輸送面でも好ましい」としているが、陸側に崖が連なる地域や、海側が砂地で遠浅になっている地域は、海運のための専用港を建設できるかどうかも判らないのではないか?」

回答②エネ庁: まず前提としてこのマップは、部に所属する地域の科学的特性を、既存の全国データに基づいて、一定の要件にしたがって客観的に整理して全国地図に示したもの。そうした中で、長距離の輸送は困難であるということや、移動させるときに高速の移動は難しいといったことから、陸上の輸送距離が短ければ短いほどリスクが低くなるだろうということに基づき、一律、海岸線から短い範囲は「輸送面では好ましい範囲」と整理をしている。一方で指摘の通り、専用港を設置できるかどうかについては、個別の地域で調査をしていく中できちんと検討していかなければならないと考えている。

 

質問③「断層帯がある地域の海岸線について、地表に現れていないからとしてそれらが考慮されていないのは不十分な評価ではなかったか?(サロベツ断層帯は44kmとする調査結果があるが、採用しなかったのは何故か?)」

回答③エネ庁:サロベツ断層帯を採用しなかった理由については、活断層データベースというものを用いているため。長さ45kmのサロベツ断層セグメントというものを掲載しており、こちらにサロベツ断層帯というものが網羅?されている。

一方で活断層データベースについては、たしかに掲載されていない細かい断層や、現時点では地表に現れていない断層が可能性としてはあるため、こちらについては調査の中で把握していくように考えている。

 

質問④「北海道が形作られた過去の地震や火山の動きを考慮すると、火山からわずか15㎞程の範囲のみを避けるのでは不十分ではないか? 20㎞、30㎞ではなく15㎞としたのは何故か?」

回答④エネ庁:第四期火山カタログ委員会、ここは私の調査によれば、97.7%がおおむね半径15kmの円の範囲に分布するというデータがある。そうしたこともあり、今回は保守的に見積もって15kmの範囲とした。一方でいくつかの事例で確かに15kmを超えるものも事例としてある。こうしたことからやはり、個別の火山の活動範囲については現地調査をしていく中で検討していく。

 

質問⑤「活断層の存在を認めつつ、配慮する範囲をわずか約1km幅の垂直方向に限定しているのは何故か? また、逆断層の可能性を認めた活断層に対しては、更に広い範囲の塗り分けが必要なのではないか?」

回答⑤:活断層をどのように評価するのかについては、断層活動が生じる可能性が高い範囲として、「破砕帯」と言って過去の断層のずれで生じた断層周辺の破砕群。その破砕帯の幅を考慮した。この断層の破砕帯の幅は、これまでの知検体から、断層の長さと関係があると知られており、断層の長さのだいたい1/100程度であるとされている。したがって、今回このマップを作成するにあたっては、1/100の範囲で設定した。

 

マップ公開後、最終処分地はどのように決めていくのか?

質問⑥「2017年2月14日の会合の回答1-①では、「地震津波・地下水をマップ上は考慮しないが、その根拠を示す」としている。今回、科学的特性マップ公表用サイトにはマップ作成に使用した資料とその出典など、根拠となるデータの詳細が掲載されなかった。その理由についてご説明されたい。」

回答⑥エネ庁:要件、基準を設けなかった理由については、先ほど紹介した「地層処分技術ワーキングの取りまとめ」と「科学的特性マップの公表サイト」にも掲載している。少し解説すると、大きく分けて2つの理由がある。

ⅰ地下施設の閉鎖後の長期の安定性の観点

地震の揺れについては、地上と比べて地下深部は非常にゆれが小さくなる。津波については、処分所の閉鎖口が完全にふさがれる。地下水については、現地調査などで個別地点ごとに評価が異なるということから、全国一律の明確な基準を制定するのが困難ということから、要件、基準を設けていない。

ⅱ地域、地下、地上の安全性の管理の観点

地震津波なども個別の地点ごとに条件が異なることから、現地調査を踏まえたうえで検討が必要になるため、要件、基準を設けていない。

 

主催者追質問:それぞれの個別のデータを採用するにあたり、「どういう理由で採用したのか」ということをお伺いしたい。それらを採用した評価の過程がどこかに記されたり検討されているのか、またそれが有識者会議で行われていたかということについてもう少し詳しく説明いただいても良いか。

エネ庁回答:地層処分ワーキングブックとりまとめのほうに記載している。具体的には13ページ。「今回の検討にあたって用いたデータというものは、我が国全体における地域の科学的な特性を示し、均一が確保され、地域間のデータが客観的に比較可能とし、現時点で一般的に入手することが可能であること」。例として活断層について申し上げると、これまで確認された活断層は600断層くらいあるが、これらが「活断層データベース」に包括的に整理されているため、用いた。

 

質問⑦「国は法律に定められた三段階の技術的調査(文献調査、概要調査、精密調査)を行い、処分施設の建設に適した場所を絞り込んで選定するとしているが、事業主体と規制機関(第三者)による安全性の客観的評価は保証されるのか?」

回答⑦エネ庁:閣議決定している最終処分法に基づく基本方針によれば、法廷調査の結果、選定NUMOが報告書を作成しその報告書について説明会をするほか、意見書を提出する機会を設ける。このようにして関係する住民の意見を聞く機会を設けることになっている。

また規制機関についても、最終処分法に基づく基本方針において、原子力規制委員会が安全確保のための規制を順次整備して運営をしていくという風にしているところである。

質問⑧「国は「核ごみ最終処分地選定にかかる合意形成のために地域や国民から意見を聴く機会を持つ」としているが、原発建設の際行われた公聴会パブコメ募集といった、従来通りの形式的意見聴取になるのではないか?」

回答⑧エネ庁:国の立場を申し上げると、最終処分の事業は処分地の選定、建設、埋め戻すまで数十年以上に及ぶ長期間になる。そうしたことを考えるとやはり国民の皆様、地域の皆様の理解がなくては、実現することでは当然ないと考えているため、少しでも国民の皆様の理解を促進できるよう、今回はこの科学的特性マップを契機に、丁寧に、期限ありきのものではなく、させていただく予定である。

 

質問⑨「地域自治体に拒否権はあるのか?首長の意見を聴くだけでなく、住民投票国民投票が必要なのではないか?」

回答⑨エネ庁:先ほどの質問の答えと重複するが、地元の理解、協力がなくてはいけないと思うし、最大限努力していきたいと思っている。地元の方々の理解がない場合に法廷調査とか処分地の制定などは行わない方針。これが大前提。住民の皆様の意見をどのように聞くかということについては、地元の判断に委ねられている。

 

【以下、⑨に関する追質問】

主催者追質問「首長の意見を聞くだけでなく住民投票国民投票のような、一人の気持ちをおもんばかる場が必要なんじゃないかという趣旨で質問したが、議会のほうで、住民がこういう風に思ってるよと決める場合がある。また、「住民の理解がない」という状態をどのように知るのか?ということも説明していただきたい。」

エネ庁回答:今政府の方針では、住民の意見を聞かなければ次に進めないということがあるため、これについては我々も色々、説明活動を受けて仮に調査を受け入れてくださる地域が現れる、そういった過程の中でどういった手続きを取るかが重要であると考えている。

主催者質問「議会で意見書や条例のようなものが出されたりした場合、それをその地域の住民の意思として受け取るというようなことが配慮されるように聞こえたのだが、どういう手順で行われるのか?」

エネ庁回答:おっしゃる通り、条例を議会に制定される場合もあれば、意見書の報告ということもあるかと思う。大変恐縮だが、どのように国として受けとめるかは、まだはっきり手続きができていないため、それは今後の検討課題。

主催者質問:言葉を返すようだが、私はてっきり、議会で意見書や条例のようなものができて、「この自治体は受け入れないのだ」と首長も言い、議会も言い、住民も声を上げたときに、完全にそれは否定されたものとされると受け取ったのだが、手順の中でははっきりと決まっていないということですか?」

エネ庁回答:条例が制定されているということであれば、それは地域の声であるとして受け取ることが極めて高い。

主催者質問「極めて高い、というのは可能性はゼロではないということですか?

エネ庁回答:条例ということであれば、可能性はゼロということになる。

福島みずほ「沖縄(米軍基地)のように、たとえば決議が出て地元から反対が出ればもちろんやらないということでよろしいですよね?」

エネ庁回答:はい。

 

 質問⑩「文献調査の範囲について伺う。港湾から処分場に至る専用道路の建設や、地下水の流れを勘案すると、文献調査をしなければならない範囲が相当広がることが予想されるのではないか?」

回答⑩ NUMO:文献調査の範囲は、基本的には応募、申入れの受諾をいただいた市町村中心に調査を行うが、必要に応じてその外についても行う。例えば地下水は地形の影響を受けるため、周りの地盤、山の構成がどういう構造になっているか、そういったことをいちばん最初に調べなくてはならない。

 

質問 ⑪「調査が自治体の境界をまたぐ必要がある場合(該当する自治体とその周辺)、交付金の配分などはどうなるのか?」

回答⑪エネ庁:交付金の配布については、調査を実施する市町村の配分が5割以上、周辺の隣接市町村および都道府県の配布については地域の実情に基づいて配布する。一方で隣り合う二つの市町村をまたいでの配布はどうなのかということについては、現時点では方針がないため、必要に応じて検討していきたいと考えている。

 

質問⑫「マップ公表にあたり、変更された、あるいは新しく加わったスケジュールはあるか?」

回答⑫エネ庁:期限は無いため、マップの公表をしたからといって何か新しいスケジュールが出てきたり変更が生じたということはない。いずれにしても皆さんに理解していただけるように、今後丁寧に説明をやっていきたいなと考えている。

 

質問⑬「今後、「地層処分ワーキングループ」は存続するのか? その場合、どのような意味を持って存在するのか?」

回答⑬エネ庁:現時点では決まっていない。

 

質問⑭「処分場に特定された地域に建設される沿岸域からの輸送路が、一般道と交差する場合、その安全性を確保するためにどのような条件をクリアしなければならないと考えられているか?」

また、核ごみ輸送車両及び警備車両等の全重量に耐える物理的強度の実現は道路事情を勘案して可能なのか?

回答⑭ NUMO:全重量については、海上輸送は輸送容器に20体~30体を入れて運搬することを想定しているが、それがだいたい輸送量規模の100トンを超える重量になる。それを港にあげて処分場に輸送するということになるため、量としてはかなり高規格のものが必要。今は専用の道路を作るのが適当だと考えている。また一般道と交差する際は立体交差が良いかと考えている。

 

質問⑮「地域自治体の拒否権は、法的に地層処分事業のどの段階まで担保されるのか?」

回答⑮エネ庁:2000年に作成しました最終処分法に基づくと、法廷調査の各段階、文献調査から自治体の意見を聞き、充分尊重する。したがってここで反対があれば、次の段階には進まないということになっている。

 

質問⑯「「廃棄物埋設開始以降の拒否権」を保証するためには、「回収可能性」が欠かせない。特に地下施設埋め戻しが始まった後の段階において、回収可能性は技術的に担保されるのか? そのために、現時点でどのような方策が準備されているのか?」

回答⑯ NUMO:廃棄体はベントナイトで覆って格納するが、一つのトンネルで作業が終わったら、そのトンネルを埋め戻し、次のトンネルを埋めていくというふうに、順次埋めていくようになると考えている。そのように、埋められた段階で回収しなければならないという風になればそこを掘り返すという、技術的な検討。基本的には概念検討はやっております。これからは地底が決まりいろいろな地質等が分かっていけばもう少し進んでいく。手順としてはそういうふうにトンネルごとに埋めていって、最後はアクセスとか地上にいたる坑道が残っているため、そこを埋めて閉鎖となるんですが、閉鎖となる前に、閉鎖許可申請というのを国の規制委員会で出すのだが、そこまでは回収可能性を担保する。閉鎖許可をいただいて、そのあとは、回収は考えていない。閉鎖の前までは、回収可能性というものをしっかりと担保する、というふうに考えている。

 

質問⑰「地層処分事業で国は「回収可能性」を担保するとしているが、これと「廃棄物埋設後に、汚染物質のエレベータとなる様な隙間のできない、精度良い埋め戻し」は技術的に両立するのか? 現時点で、そのためにどの様な方策が検討・準備されているか?」

回答⑰NUMO:埋め戻すときにベントナイトという水を吸うと膨らむ粘土を、取り出した土砂と混ぜ合わせたものを埋め戻しの材料として使う。埋め戻した後に地下水が入ってきて材料が膨らみ、入り口をふさぐということになる。そして回収するときに、材料をちゃんと取れる?かということを研究している。これはもう両方、両立すると考えている。

 

質問⑱「将来世代の選択権のため、可逆性を担保する」というなら、技術的調査(文献調査・概要調査・精密調査)の各段階、「建設地決定後、処分場が建設開始になった段階」、「施設建設が進み、地下施設への廃棄物埋設が始まった段階」「埋設作業が一応終了し、管理・監視を行っている段階」「管理・監視が終了し、埋め戻しが始まった段階」など、事業進行過程のどの様な段階であっても、地域自治体の拒否権は保証されるべきである。今後、どの様に法律の中に明記されるのか?

回答⑱エネ庁:可逆性に関しては、今後の技術、その他いろいろな将来的な変化の可能性に柔軟かつ適切に対応することができるようにといった観点から担保する。そういった可逆性のはなしと、自治体の意見を聞くというのは異なる話と考えている。いずれにしても、自治体の方のご意見はきちんと各段階で聞いていきたいと思っている。

【以下、1に対する追質問】

主催者質問「首長の同意問題についてお伺いしたい。2002年からNUMOが文献調査に応募する自治体を求めていた。現在は国が前面に出て候補地しぼりをして行くわけだが、政府が自治体に文献調査を要請して、政府が応募書を判断する。そして応募書には、市町村長の公印が必要だという。したがって文献調査は、現在も公募の状態で変わりが無いという認識で間違いないか?」

エネ庁回答:ご質問の趣旨は、公印がない書類のその後の取り扱いについてか?

主催者質問「手続き上は、例えば住民がなにか明確にその地域の意思を示す動きがあったとしても、首長さんが正式なものにハンコを押してしまった場合、こういう場合はどうなるか?」

エネ庁回答:その件については各地域によって、どのように住民合意を取っていくかということ次第。ただ、これまでの政府の取り組みや過去の経緯を踏まえると、今のようなご質問をいただいているという状態の中で、国として次に進むのはかなり難しいだろうと思う。

 

核ごみ問題研究会Yの発言

「回収可能性の問題について。今六ケ所村にある低レベル放射性廃棄物は満タンだが、その放射能レベルに間違いがあったことが先日わかった。しかしモルタルで固めてありいちいち回収できない。同じようなことが高レベルの中でも言えるのでは。本当に回収するための手順というのは、低レベルの反省を受けてできるかどうのは非常に難しい問題だと思う。言うのは簡単だけど。全部ちゃんと点検ができるかどうか、皆さんの方ももっときつくやらなきゃいけないんじゃないかなと思う。」

NUMO回答:その通り。過去の反省を踏まえて、場所が決まって地質が決まればそれに合わせて。非常にその通りだと思います。

 

参加者Bの質問

「質問18で、「拒否権」という言葉を使ってるからまぎれた回答になっているが、可逆性を担保するという場合にどの段階まで担保するのか、という質問だとすれば、ここに書かれている通り埋め戻しが始まった段階までは担保されているという認識でいいのか。許可申請があり途中段階まで進んでいるという話でも、回収可能性は担保されているということでいいのか?」

エネ庁回答:担保される。

 

参加者Oの質問

「2012年に日本学術会議が高レベル放射性廃棄物の処分について原子力委員会に回答を提出している。このなかで大きなポイントは総量管理と暫定保管。いま議論されている中で、「可逆性」という言い方をされているが、いずれにしても、最終処分という前提で動いているふうに私には聞こえる。少なくとも学術会議で提示しているのは暫定保管という考え方。要するに「最終処分だが可逆性を維持する」ということと、「暫定保管」というのはまったく別だと思う。いずれにしてもこのことに関する法律を作ると思う。そのなかの基本的な考え方として、暫定保管なのか、最終処分なのか、どちらなのか?」

主催者発言「最終処分という言い方も、深地層処分を最善とするという意味での核ごみの最終処分ということ言っているのか?核ごみにも、いろんな最終処分があると思うが、NUMOがいま受けているお仕事は、深地層処分の事業をお受けになるのだから、そのほかの最終処分の仕方ではないとわたしは理解している。」

参加者O質問「普通の考え方として、新聞報道かなんかでマップが出てきたが、これの基本的な考え方が皆さんいまいちわからない。高レベル放射線廃棄物の処分問題というときに、暫定処分なのか、最終処分なのか、どっちなんだということ。」

エネ庁回答:最終処分が現時点では最適な処分方法としている。また一方で日本学術会議が示したものは、保管期間を原則50年としたときに、いずれにしても地層処分を目指すものであると提言をしている。したがって、現時点では我々としても地層処分の方法を考えている。一方で最終処分法に基づく基本方針にも明記されているが、将来世代がよりよい処分方法を選択できるようにはするということで、あくまで我々も並行して回収可能性などの研究・調査を進めている。

 

参加者Kの質問

「日本学術委員会の決定についてもう一つ重要な視点がある。まず原発を動かすかどうかをまず検討することだ。今18,000トンの使用済み燃料がある。これらの最終処分をどうするかを考えてからだと思う。今ここでいうべきじゃないかもしれないが、辞めないと決まらないぞ、と思っている。フィンランドオンカロでさえ10万年もつかわからないといわれている。それなのに、4つのプレートが集まる日本列島で、活断層だけでは大丈夫ですか。プレートの問題も考えなければならないと思うが、どうか?」

エネ庁回答:最終処分は相当な処分量が発生しているため、いますぐにまずことが大前提だと思う。再稼働にかかわらず、我が国の資源問題の点や地球温暖化対策から考えると、今すぐに原子力稼働をやめるのは難しいと考えている。プレートについては、本来マップは、国民の皆様に考えてもらいたいものや、考えなきゃいけない要素といったものまずは示すものであるため、これだけですべてが考慮されているわけではない。今後調査をする中で活断層などをアップデートするのかどうかなど、考慮していかなければならないと考える。

福島質問「地下水に関しては個別に検討ということだが、地震に関しては、活断層のことは言わないのか。地震があれば、ひび割れがあるし、原発でも活断層でずれるというのはわかるが、地震そのものが安全性に大きく影響するので、その点について考慮しないのは大きな間違いだと思うがどうか?」

エネ庁回答:地震については、一般のゆれが地表に比べて地下の方が少ないということもあり、様々なことから対策可能であろうと考えている。地域ごとに特性が異なるため、具体的な地点においてどのように解決していくかを決めるため、今回は一律の基準を使用できない。そのため、表記しなかった。

 

参加者H質問

「今回のマップは、国民の目にわかりやすく作られたということは評価すべきところだと思う。しかし、「社会的特性マップ」「倫理的特性マップ」など、すべて網羅できるような、重層的に重ね合わせた上での安全性を見せるのであればわかりやすいのではと思う。このマップ以外に作成する計画はあるか?」

エネ庁回答:社会科学的な要素、たとえば人口や土地の売却などがあるが、考慮していかなければならない要素だと考えている。

 

核ごみ問題研究会Y質問「青森県では高レベル放射性廃棄物貯蔵管理が22年。最長50年したら搬出するというが、残り28年で本当にそれができるかどうか問うと、経済省では「それを守る」という回答をもらう。具体的にこの28年、本当にできると思っているのか。それとも計画だけ立ててスルーすればればもう50年過ぎても青森県は納得すると思っているのか?」

エネ庁回答:青森県との約束はきちんと順守していかなければならないと考えている。その上で、理解活動や調査、青森県との約束を守っていきたいと考えております。

 

参加者T質問

大隅町では拒否条例を作っているから、それで拒否したという事で良いか。すべての自治体が反対し、県も受け入れないと言っている。その場合は説明会に来られないということで良いか。すべての地域に対して、南山新聞が首長に対して受入れ可否を聞いている。すべて受入れ反対です。また知事の8月17日の定例記者会見でも反対している。また、市町村長が文献調査について、「受け入れる、応募したい」と発言した場合、知事が反対すると発言しているためその場合、国はどういう判断をするのか。知事がどれほど反対しようが文献調査に入るという状況は変わっていないのか?」

エネ庁回答:処分場を受けいれないと明言している事と、説明会をするかしないかということは別の話。説明会をする理由は基本計画でも明記しているように、社会全体の問題だという認識を皆が持つことが大事という趣旨に基づいている。もし、説明会開催に反対されているのであれば、広く国民の皆さんに理解してもらうという観点で、開催を考えてくれないかという説得から入りたいと考えている。ただその過程のなかでどうしてもということであれば、対応を考えていかなければならないと考えている。市町村長と知事の関係については、知事の意見、市町村民の意見を聞くということになっているため、知事が反対した場合、われわれは次のステップに進むことはできないと考えている。

福島質問「基本教材をみて、今日の質問の中にもないが、漏れた場合どうする、あるいは漏れているかどうかをどう検査するのか、どういうふうに掘り起こすのか、誰が入るのかという検討についてはどうか?」

主催者発言:最悪シナリオを作ってますかということ。NUMOの近藤さんは「現在最悪シナリオは最終処分についてはございません」とシンポジウムの度に仰っている。

NUMO回答:現在、千年、万年の安全性については、地下に埋めた場合地下水によって、周りから人口バリアにしみこんでいって漏れるかどうかなど、そのシナリオを作って、もし漏れた場合に、人口バリア、地盤を通って、生活の安全をきたさないか、そのようなことについて安全評価を行っている。それを示しながら、いろんなケース調査を行って、何が一番安全性が高いかを評価し、研究開発や評価を実施していくということを、現在NUMOも一緒にですね… 

福島質問「原発も、最悪事故を問題にする。高レベル放射線廃棄物の交渉をやってていつも理解ができないのは、地震も起こるかもしれないし、ありとあらゆることが起こるかもしれない。海底炭鉱だって陥没して、中を一切開けられない状態が起こって、人が入るのか機械が入るのかということが実際ある。何が起きるのか、最悪シナリオを検討していないのは致命的だと思うがどうか。」

NUMO回答:たとえば1万年持つものについて、1000年で漏れたらどうなるかなど、色んな、もし漏れたらどうするのかという検討はやっている。

福島質問「わかりました。やっていらっしゃる、漏れた場合について、資料がほしい。また、最悪事故にたいする検討、評価はやっているか?」

NUMO回答:地震への対策等、行っている。

福島質問「シミュレーションはやっているのか?」

NUMO回答:やっています。

福島発言:では、1000年で漏れた場合のシミュレーションなどについての文書を事務所にください。それから地震、火災などのシミュレーションについてもやってらっしゃるということですので、その文書もください。

主催者発言:科学的特性マップについては、個別な要件・基準についてもう少しお伺いしたいことはある。(回答に)満足していないことがあるため、詳しい質問は文書で出します。これからも素人でもわかるように回答をお願いします。

 

f:id:emikamassion:20170905093712j:plain

 参考資料

www.numo.or.jp/kagakutekitokusei_map/detail.html

記録

www.youtube.com

質問項目2以降へ続く

「高橋はるみ知事への要望書提出」9月13日午前11時道庁別館

高橋はるみ知事への要望書提出に関するお知らせ」

科学的特性マップ提示に係る「高レベル放射性廃棄物最終処分地選定に関する要請書」
 
日 時  9月13日(水) 11:00~
会 場  経済部2号会議室
(札幌市中央区北3条西7丁目「北海道庁別館西棟」4階)   
※「北海道庁別館」の西隣(北海道大学植物園側)の建物
060-8588 札幌市中央区北3条西6丁目
TEL 011-231-4111(内線26-160)
FAX 011-222-5975
 
核ごみ採取処分地選定に係る「科学的特性マップ」が公表されたため、知事宛てに要請書、要望書、意見書、質問書などを手渡しに行きましょうと、過日、呼びかけを致しました。
 
道北連絡協議会、および「ほろのべ核のごみを考える全国交流会」に賛同した道内市民グループと共に、
対応をしていただけるよう、先週、申し込みましたところ、
本日、道庁北海道経済部産業振興局環境・エネルギー室 調整グループ から
9月13日11時にお目にかかれる旨、お知らせを頂きました。
 
ほろのべ核のごみを考える全国交流会」の要請書前もって8月23日に送信しました。
賛同団体は、独自の書面などを、その場でご提出いただけます。
 
議会開催中なので、あまりにも長時間、担当部署課を煩わせたくはありませんが、
私たちが知事に望むことに対し、回答をいただくことになっております。
その程度の時間は調整してお取りいただきました。
 
20から30名ほど入れるお部屋ですが、参加希望の方は前もってお知らせ下さい。
 お問い合わせ窓口:emika69@yahoo.co.jp

 

 

f:id:emikamassion:20170828214441j:plain

日本原燃からの回答⑥~⑫

6月に 日本原燃に提出してあった質問への回答⑥~⑫

becquerelfree.hatenadiary.jp

 
※質問と回答が別れてしまうため①~⑥の最後に付けた⑥の7ページ目の情報を重複掲載しておきます。

f:id:emikamassion:20170826103240j:plain

f:id:emikamassion:20170826102538j:plain

f:id:emikamassion:20170825223940j:plain

==================================

※質問5の「U232」について強いガンマ線については、

質問者が「アルファ線」との書き間違えをしたのではないか?と思われる
(注意書き/ブログ責任者)

==================================

 

 

f:id:emikamassion:20170825223958j:plain

f:id:emikamassion:20170825224403j:plain

f:id:emikamassion:20170825224636j:plain

 

f:id:emikamassion:20170825224707j:plain

 

※この回答内容についてよく解析し、皆さまにお伝えしたり、
会合での質問に反映させたいと思います。

 

ベクレルフリー北海道 

 

日本原燃からの回答①~⑤

2月13日勉強会の質問に対する回答を受け、6月に核ごみ問題研究会のH氏が追質問を提出しており、長らく待っていました。

それ以前に回答が不十分であった事項についても、8月29日の会合への質問項目として日本原燃に提出しておりましたが、会合直前の本日になって、6月の質問への回答が日本原燃から本日、畠山和也衆議院議員の事務所に届きました。以下に報告します。(全12頁)

※ページの名前は一つずつズレており、2~13となっています。

 

f:id:emikamassion:20170825223315j:plain

f:id:emikamassion:20170825223334j:plain

f:id:emikamassion:20170825223354j:plain

f:id:emikamassion:20170825223410j:plain

f:id:emikamassion:20170825223428j:plain

報告は以下につづきます。

becquerelfree.hatenadiary.jp

becquerelfree.hatenadiary.jp


becquerelfree.hatenadiary.jp

8月22日岩内町議会原発問題特別委員会

昨日 8月22岩内町議会原発問題特別委員会(原特委 議員全員で構成)が開かれました。

原特委は年4回ある定例議会が開会される前に開かれる委員会です。

今回は3点ありました。

 

泊発電所周辺地域原子力防災計画(計画編)修正(案)の概要

 

1 修正の目的

 本計画は、災害対策基本法に基づき、作成・修正する地域防災計画の一つとして、泊発電所原子力防災協議会(会長:泊村長)が原子力災害の防災対策について規定したものであり、住民等の安全を図ることを目的としている。

 今回の修正は、原子力防災訓練の実施結果を反映するなど、北海道地域防災計画(原子力防災計画編)の修正(平成29年5月)が行われたことから、早急に原子力災害対策の内容を充実し、北海道電力(株)泊発電所における事故時に迅速かつ的確な対策を図ることを目的としている。

 

2 修正の概要

 泊発電所周辺地域原子力防災計画(計画編)

  (計画の内容)

第1章        総則(計画の目的、防災対策の範囲、関係機関の業務など)

第2章        原子力災害事前対策(日常における事前対策)

第3章        緊急事態応急対策(災害発生時における応急対策)

第4章        原子力災害中長期対策(災害発生後の復旧対策)

(1)         北海道地域防災計画(原子力防災計画編)

原子力防災訓練結果の反映

地震津波などの自然災害との複合災害時において、自然災害による差し迫った危険がある場合には、生命の安全確保を優先して対応することを規定。

○住民の防護措置について、よりわかりやすくなるよう、緊急事態の区分等に応じて規定を明確化。(警戒事態、施設敷地緊急事態、全面緊急事態、放射性物質放出後)

熊本地震の教訓の反映

地震等の影響により屋内退避が困難となった場合の対応を明確化

※退避等措置計画編は、計画編との整合性により修正

 

 

泊発電所周辺地域原子力防災計画」は関係4町村(泊村・共和町・岩内町神恵内村)と北海道など関係機関で組織する泊発電所原子力防災会議協議会が平成元年(泊原発1号機が運転)から作成。今回の修正で33回目。

今回の修正もいろいろあります。  

概ね半径5キロメートル圏の即時避難区域PAZprecautionary action zone 予防的防護措置を準備する区域)

予防的防護措置準備区域PAZ:   )

などあるが、道計画修正にともなく修正、ということで上が修正したから、現地も修正と、現地が当事者であることを忘れた指示待ち原子力防災計画です。

新旧対照表は膨大なものです。

 

 

    平成29年度 泊発電所原子力事業者防災業務計画の修正案について  平成29年8月10日北海道電力株式会社

今回の修正は、緊急時活動レベル(EAL)の改正等によるものであり、修正内容の概要は以下のとおり。

1 緊急時活動レベル(EAL)の改正に伴う修正

  避難等の防護措置を開始させるEAL発動時期の最適化等に係る原子力災害対策指針等の改正を踏まえた事業者EAL判断基準解説の適正化、記載の明確化による改正。

2 通報等様式の修正

  原子力防災訓練結果を踏まえた通報等の運用見直しによる修正。

3 北海道地域防災計画(原子力防災計画編)[平成29年5月修正]、北海道地域防災計画(原子力防災計画資料編)[平成29年6月修正]との整合

  緊急時モニタリング班の構成名称、職務内容の反映及び北海道への貸与する資機材の数量等の変更の反映。

4 その他

(1)         原須力規制委員会組織規則の一部改正に伴う通報連絡先名称の修正

(2)         原子力防災関連資機材の追加による修正

(3)         記載の適正化、明確化等による修正

5 添付資料

   泊発電所原子力事業者防災業務計画 修正前後比較表

 

 ③点目として 北電からの資料として

泊発電所における地元活用について[平成28年度]が示されました。

f:id:emikamassion:20170823024923j:plain

 

 

「核ごみに関する政府との会合」(第6回)質問内容

「核ごみに関する政府との会合」(第6回)

 

日時:平成29年8月29日 14:00~16:30

場所:参議院議員会館 101号室

主催:核ごみ問題研究会 

    鷲見悟(幌延町議会議員)/宮田まどか(釧路市議会議員)

    /マシオン恵美香(ベクレルフリー北海道代表)/山田清彦(青森県・一万人訴訟団)

    /野村保子(函館・大間原発訴訟)/深町ひろみ(地方自治を考える市民の会)

協力:福島みずほ事務所 ・ 特定非営利活動法人A SEED JAPAN

 

<本会合の次第>  予定時間・話題(出席を打診している省庁)

 

①14:00~14:50(50分)科学的特性マップ (NUMO、経産省、地層処分WG 有識者委員会)

TRU廃棄物以下の放射性廃棄物の地層処分(地層処分WG 有識者委員会・経産省

②14:50~15:10(20分)幌延関連   (JAEA経産省,産総研,電中研、文科省

浜里地区掘削事業/深地層処分研究センター事業終了期限に関する質問/CTBTO設置

③15:10~15:30(20分)NUMO教材案について(NUMO,経産省文科省

④15:30~15:50(20分)室蘭金属加工事業のその後(日本製鋼所神戸製鋼所、日本原電、電気事業連合会

⑤15:50~16:10(20分)再処理関連(日本原燃・使用済燃料再処理機構)

機構の事業主体としての仕事内容・拠出金法に関する質問 

前回から引き継いだ質問・追質問

⑥16:10~16:30(20分)再処理事業(技術)(日本原燃・使用済燃料再処理機構)

再処理事業に関する技術的質問・前回の回答に対する追質問

 

1.科学的特性マップに関する質問 (NUMO、経産省、地層処分WG 有識者委員会)

◆公開されたマップについて

  • 公開された「科学的特性マップ」で、現在、「好ましい特性が確認される可能性が相対的に高い」とされている地域について、科学的特性マップ作成の際ワーキンググループが検討した科学的資料とその出典、その資料の調査対象地域のリストを開示して戴きたい。
  • 海岸沿岸地域をほぼ一律に「輸送面でも好ましい」としているが、陸側に崖が連なる地域や、海側が砂地で遠浅になっている地域は、海運のための専用港を建設できるかどうかも判らないのではないか?
  • 断層帯がある地域の海岸線について、地表に現れていないからとしてそれらが考慮されていないのは不十分な評価ではなかったか?(サロベツ断層帯は44kmとする調査結果があるが、採用しなかったのは何故か?)
  • 北海道が形作られた過去の地震や火山の動きを考慮すると、火山からわずか15㎞程の範囲のみを避けるのでは不十分ではないか? 20km、30㎞ではなく15㎞としたのは何故か?
  • 活断層の存在を認めつつ、配慮する範囲をわずか約1km幅の垂直方向に限定しているのは何故か? また、逆断層の可能性を認めた活断層に対しては、更に広い範囲の塗り分けが必要なのではないか?

 

◆マップ公開後、最終処分地はどのように決めていくのか?

  • 2017年2月14日の会合の回答1-①では、「地震津波・地下水をマップ上は考慮しないが、その根拠を示す」としている。今回、科学的特性マップ公表用サイトにはマップ作成に使用した資料とその出典など、根拠となるデータの詳細が掲載されなかった。その理由についてご説明されたい。
  • 国は法律に定められた三段階の技術的調査(文献調査、概要調査、精密調査)を行い、処分施設の建設に適した場所を絞り込んで選定するとしているが、事業主体と規制機関(第三者)による安全性の客観的評価は保証されるのか?
  • 国は「核ごみ最終処分地選定にかかる合意形成のために地域や国民から意見を聴く機会を持つ」としているが、原発建設の際行われた公聴会パブコメ募集といった、従来通りの形式的意見聴取になるのではないか?
  • 地域自治体に拒否権はあるのか?首長の意見を聴くだけでなく、住民投票国民投票が必要なのではないか?
  • 文献調査の範囲について伺う。港湾から処分場に至る専用道路の建設や、地下水の流れを勘案すると、文献調査をしなければならない範囲が相当広がることが予想されるのではないか?
  • 調査が自治体の境界をまたぐ必要がある場合(該当する自治体とその周辺)、交付金の配分などはどうなるのか?
  • マップ公表にあたり、変更された、あるいは新しく加わったスケジュールはあるか?
  • 今後、「地層処分ワーキングループ」は存続するのか? その場合、どのような意味を持って存在するのか?
  • 処分場に特定された地域に建設される沿岸域からの輸送路が、一般道と交差する場合、その安全性を確保するためにどのような条件をクリアしなければならないと考えられているか?

また、核ごみ輸送車両及び警備車両等の全重量に耐える物理的強度の実現は道路事情を勘案して可能なのか?

・地域自治体の拒否権は、法的に地層処分事業のどの段階まで担保されるのか?

・「廃棄物埋設開始以降の拒否権」を保証するためには、「回収可能性」が欠かせない。

 特に地下施設埋め戻しが始まった後の段階において、回収可能性は技術的に担保されるのか? 

 そのために、現時点でどのような方策が準備されているのか?

・地層処分事業で国は「回収可能性」を担保するとしているが、これと「廃棄物埋設後に、汚染物質のエレベータとなる様な隙間のできない、精度良い埋め戻し」は技術的に両立するのか?

現時点で、そのためにどの様な方策が検討・準備されているか?

・「将来世代の選択権のため、可逆性を担保する」というなら、技術的調査(文献調査・概要調査・精密調査)の各段階、「建設地決定後、処分場が建設開始になった段階」、「施設建設が進み、地下施設への廃棄物埋設が始まった段階」「埋設作業が一応終了し、管理・監視を行っている段階」「管理・監視が終了し、埋め戻しが始まった段階」など、事業進行過程のどの様な段階であっても、地域自治体の拒否権は保証されるべきである。今後、どの様に法律の中に明記されるのか?

 

2.幌延地域関連の質問(JAEA経産省文科省産総研電力中央研究所

浜里地区掘削事業/深地層処分研究センター事業終了期限に関する質問/CTBTO設置

 

  • 7月30日幌延町深地層研究センターでの地元住民の申し入れで、平成31年度内に示すとする研究終了時期について、「工事設計計画に2年、施工開始に年度をまたいだ場合は更に1年、工事完了までには数年かかる」としたJAEAの回答があった。研究課題の完了を優先し、期限を重視せず、設計計画や工事自体を20年という当初予定の期限外に設定するようなこの回答は、三者協定締結時の約束と違うのではないか? 
  • 浜里地区旧音類小学校跡の掘削事業など、開かれた研究と称して資源エネルギー庁が発注する事業が行われているとうかがっている。「コントロールボーリング技術開発に関わるプロジェクト」、「沿岸地域の地質環境特性の調査」、「地層処分実規模設備に関するプロジェクト」について事業内容の説明を求める。
  • JAEAが新たに幌延町(トナカイ牧場敷地内)で受託した事業 CTBTOについて、ご説明されたい。 

3.「電気を作ると出るごみについて考えよう」教育教材案について (NUMO,経産省文科省

  • この教育教材を制作した経産省、NUMOの趣旨を説明してください。
  • 「ごみの発生量」グラフとその説明で、原子力発電によって生じるごみが、あたかも高レベル放射性廃棄物のみであるかのように扱っていますが、燃料の掘削・製造・加工・輸送時に発生するごみのこと、また発電及び再処理等に使用したプラント自体が放射性廃棄物になる事実は、何故説明されないのですか?
  • 文部科学省として、原子力発電の稼働によって出された廃棄物を、他の発電法で生じた廃棄物と同列に、総じて「でんきのごみ」と呼ぶ教育教材が学校現場で使用され、その理解度が教科の評価にまで持ち込まれる事態に発展しかねないことを、どのように認識していますか? また、文科省としてこの教材の取扱いについて、どのように周知していますか?
  • 使用済核燃料の処分方法、放射性廃棄物に関する処分の手法や合意点については今後も国民の議論を要することを経産省も認めていますが、早期に「電力利用者がすべて放射性廃棄物の未来への責任を担う」と結論付けることについて、文科省、学校指導要領などでは、どのように捉えているのか説明してください。
  • このような教材の使用については現場の学校長以下、誰の責任、判断に拠って決められますか?(文科省へ)
  • こうした教材の使用が、現場の教師に義務付けられることはありませんか?

 

4.室蘭金属加工事業のその後 日本製鋼所神戸製鋼所、日本原電)

  • 本年6月末に、昨年から開始された「東海村原子力施設の廃炉で出されたクリアランスレベルの放射性金属廃棄物加工事業」に関する説明会が、室蘭市で開催されたとうかがいましたが、北海道内ではこうした情報がさほど大きく報道されませんでした。道民の理解を得るため、説明会の周知に努めるべきだったのではありませんか?
  • 事業報告会で配布された報告資料などを求めます。

これらを使用し、事業がその後、どのようになっているか説明してください。

  • 製造された余裕深度処分用容器は現在、どこに置かれており、今期以降(将来)は、どこでどのように保管または使用される予定ですか?

 

5.再処理等拠出金法施行後の機構の事業主体としての仕事内容・拠出金法に関する質問 

日本原燃・使用済燃料再処理機構)

  • 9兆円に修正された再処理費用の内訳について説明してください。

(2月13日の説明では再処理費用総額はその時点では当初計画通りであり、「再処理費用の総額は、以前の12.6兆円から上方修正されていない。」という回答でした。)

  • 7500億円ともいわれる再処理工場安全対策費の、調達見通しと回収計画について説明してください。
  • 2月の会合では、新たに発生する使用済燃料分の再処理等費用の拠出金による回収に関する算定式が出されておらず、これから検討するとの説明がありましたが、すでに平成28年度に発生した新たな使用済燃料の分の再処理等費用について、各電力会社から拠出済みとうかがっています。

単位量当たりの費用算定式とその根拠をお示しください。

 

6.再処理事業に関する技術的質問・前回の回答に対する追質問 日本原燃・使用済燃料再処理機構)

日本原燃㈱への質問事項(追加分)

<6-1 再処理工場と核燃料サイクル施設について>

  • 高レベル放射性廃液のガラス固化について、白金族の「詰まり」状態はどのようにして解消されたのでしょうか? 解消されたのであれば、その実験の概要と、実験した日時、及びその報告書を開示してください。
  • 高レベル放射性廃液の危険性と貯蔵タンクの健全性、早期ガラス固化について、事業者として、どのように措置をされていますか? 今後の見通しについてもお答えください。(例えば、ガラス固化施設の改造・拡充などの計画はありますか?)
  • 以前公表された六ケ所村再処理工場にある高レベル放射性廃液の量は240m3とされていましたが、その後公表された高レベル放射性廃液の量は223m3とされています。その差=17m3はどうなったのでしょうか?

 

<6-2.株式会社日本原燃 「会社概況書」の内容について>

(1)2010年10月以降、有価証券報告書の公表を取りやめ、会社概況書のみが開示されるようになりました。なぜ、有価証券報告書を作成して公表しないのでしょうか? (有価証券報告書よりも内容が貧弱です。)

  • 平成27(2015)年度日本原燃(株)会社概況書6ページにおける、事業別の売上高の内容がよくわかりません。特に「再処理事業の売上」とは何ですか? またそれに対応して、同16ページ損益計算書にある「売上原価」には、操業していないのに、いったい何を計上しているのでしょうか? 

ウラン濃縮事業では「ウラン製品売上なし」と書かれているのに、どうして売上が88億円もあるのでしょうか? 

  • 同会社概況書14ページの貸借対照表にある流動資産の有価証券は具体的に何ですか? その保有目的は何ですか?
  • 貸借対照表中の「廃止措置資産」とは何ですか? 21ページ下段に説明がありますが、この説明は不十分です。

そもそも何故「資産」として計上できるのでしょうか? 資産性はあるのですか?

  • これまで六ヶ所再処理工場建設にかかった費用は2兆2千億円程度と言われていますが、同会社概況書14ページの貸借対照表にある有形固定資産は1兆4千億円程度しかありません。残りの約8千億円はどうなったのですか?
  • 同15ページ貸借対照表中の「再処理料金前受金」が対前年度比で約685億円のマイナスとなっています。これはどういうことですか。何故、前受金を前受し、それがどう使われて、どう収支に反映され、何故に残高が大きく減少しているのでしょうか。それは平成27年度のみですか?
  • 同15ページ貸借対照表中の「加工施設等廃止措置引当金」とは、いわゆる「廃炉費用引当金」だとすれば、金額が少なすぎるのではありませんか? 再処理工場は建設に着手して25年以上が経過しています。施設の残りの寿命はそう長くはないと思われますので、このままでは、その間に巨額の廃炉費用を計上しなくてはならなくなるのではないですか? 計上する金額が少ないと、将来、国民負担になるのではありませんか?
  • 同15ページ貸借対照表中の「資産除去債務」と上記「加工施設等廃止措置引当金」とは何が違うのですか?

「資産除去債務」の方は再処理施設とその関連施設以外という理解で良いでしょうか?

  • 同15ページ貸借対照表中の資本の欄について、この「資本」にこれまで計上されてきた「資本金」「資本準備金」「利益準備金」「その他」について、過去の金額推移をお示しください。この金額の大きな変動(減資など)については、何があったのか説明してください。
  • 再処理工場(または日本原燃全体)にかかる過去全期間の「累計(累積)損益計算書」のようなものを開示してください。数字は概略(百~千億円単位)で結構です。

https://asjkakugomi.amebaownd.com/posts/2800239

 

 

f:id:emikamassion:20170816110343j:plain

f:id:emikamassion:20170816110426p:plain