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9月13日「科学的特性マップ」提示に係る高レベル放射性廃棄物最終処分地選定に関する 知事宛て要請書提出

「科学的特性マップ」提示に係る高レベル放射性廃棄物最終処分地選定に関する

知事宛て要請書の提出が行われました。

9月13日午前11時から道庁西館4階 経済産業会議室2にて

参加者 報道を含め30名あまり。

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始めに、「ほろのべ核のごみを考える全国交流会」の参加団体5団体(核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会、生活クラブ生協北海道、市民ネットワーク北海道、北海道ワーカーズ・コレクティブ連絡協議会、ベクレルフリー北海道)を代表し、「核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会」の東通氏が、要請書を読み上げ、北海道経済部振興局環境・エネルギー室 調整グループ 主幹の若妻博彦氏に要請書を手渡しました。

 続いて、「生活クラブ生協北海道」、「市民ネットワーク北海道」、「北海道ワーカーズ・コレクティブ連絡協議会」が共同の要請書を、ベクレルフリー北海道と賛同する道内10団体、「泊原発廃炉をめざす会」、「地方自治を考える市民の会」がそれぞれの要請書を提出しました。

 

「ほろのべ核のごみを考える全国交流会」が7月30日に幌延深地層処分研究センター(夢地創館)にて、JAEA(日本原子力研究開発機構)に対する申し入れを持った際に平成31年以降の埋戻し計画では、新しい見通しが示されたことや、国が公表した「科学的特性マップ」の評価を受け、あらかじめ8月25日に北海道知事に対し、要請内容をお伝えし、これに対する返答を求めていました。
担当部署課から、回答する用意が出来たとし、議会会期中であるにもかかわらず、「9月13日に対応する」という知らせを受け、要請書提出に加え、要請内容について知事からのお考えをうかがうことになっていました。

 道の回答としては「北海道条例と三者協定を遵守し、国の法律に照らして適宜、対応してゆく」「国は低レベル以下の放射廃棄物の処分については発生者責任であるとしている」とし、北海道独自の判断を避けました。

 参加者から「高橋知事宛ての質問書や要請書に関してきちんと知事本人に届いているのか?」という質問がありました。
 

 これ対し、担当部署課主幹は、本件の要請内容については「部署課裁量」であり、実際には知事が直接目を通すことはなかったことに加え、「知事の回答」とされた内容は、北海道としての考え方であり、「過去の知事の議会等での発言を踏まえて担当職員が作成したもの」であった事実を認める発言がありました。

 申し入れ参加団体としては、部署課が作文した文言を知事回答と認める訳にはいかないので、改めて、実際の知事のお考えを下さるようお願いしました。

 道北連絡協議会から「公開された科学的特性マップ」に広がりとして塗り分けられたエリア内にどの自治体があるか、該当自治体を確認しているのか?」と質問がありました。
 担当部署としての認識は、マップ自体を科学的としながら、「200万分の1というもので境界線精度も低いため」という説明を繰り返し、質問趣旨への回答を避けました。
 市民ネットワーク北海道からは、「北海道として該当自治体を調べ、その評価をどう認識するか確認し、お答えいただきたい」という要望がありました。
 
 主催側として、「知事回答が出てから、再び場を作っていただきたい。」
 「回答しない場合は、その理由」を示すよう、お願いし、要請の場を閉じました。

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 北海道知事 高橋はるみ 様

 

「科学的特性マップ」提示に係る高レベル放射性廃棄物最終処分地選定に関する要請書

                         ほろのべ核のごみを考える全国交流会

本年7月28日に、国は高レベル放射性廃棄物の最終処分地の適地として可能性がある地域を「科学的特性マップ」として公表され、これによって北海道に記された「輸送にも好ましい地域」は、配慮される要件基準を加味しても、長い沿岸線に広範囲の面積が示されました。つきましては、下記二点につき、明確な意思表明をしていただけますよう、北海道知事に要請します。 

 

要請事項

1.北海道条例と三者協定を遵守してください。

2.北海道内にはあらゆる区分の放射性廃棄物処分に係る新規研究事業や文献調査、処分場を受けないでください。

 

要請理由

経済産業省は「科学的特性マップ」公表直後から、このマップ制作の留意事項として「縮尺200万分の一であるため精度を保証するものではなく厳密なものとなっていない」としています。

しかし、同時に、「このマップ提示によって地層処分の科学的な特性を確定的に示すものではなく、これ自体で処分場所を決定するものではない。NUMOが処分地選定調査を行い、科学的特性を詳しく調べて評価する必要がある」としていることから、北海道の長い沿岸線に緑色に塗り分けられた「輸送面でも好ましい地域」、広範囲に示されている「好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域」での掘削調査などが、北海道民への周知や理解を得ずに行われていく可能性を危惧します。

公開された地図が記している評価の根拠となる要件・基準についても、考慮される範囲や条件が不十分で科学的とは言い難い内容が多く見受けられます。

  

1.「科学的特性マップ」に北海道内広範囲に「好ましい」地域が記された


 公表された地図では北海道が長い沿岸線を持つことから「好ましい」「輸送面でも好ましい」地域と絞り込まれた条件下でも99もの自治体が該当したことを意味します。このため、明確な反対表明のない地域に対し、核のゴミ処分場の受け入れを打診されることが懸念されます。 

  • 海岸部を全国一律に緑色の「輸送面でも好ましい地域」とし、沿岸部の港湾設備、沖合の深さ、崖の高さ等の詳細な要件から総合的に検討せずに海岸部を全国一律に「輸送面でも好ましい」と単純に塗り絵のように示されました。
  • 断層の傾斜の存在を無視し、活断層から数km離れても、直下型地震やズレが生じる可能性は否定できないはずなのに、わずか1㎞の幅の線描で位置を示しているのみ。

③火山活動の歴史を踏まえておらず、今ある火山から15㎞のみの範囲を留意した評価が記されている。

など、配慮すべき事項ごとの評価は、どの観点も甘く、配慮の範囲が狭すぎます。

2.三者協定・北海道条例の遵守

本年7月30日に幌延深地層処分研究センターにおいて、日本原子力研究開発機構に「研究事業の完全な終了時期と行程表の明示時期がいつになるのか」等を「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」参加者が質問したところ、「平成31年度内(平成32年3月31日まで)に埋戻し工事計画を示す」とし、「埋戻し完了までには最速で何年を要するか」に対して、「工事設計計画に最低でも2年、着工が即座にできない場合、年度をまたげばプラス1年、工事自体には、その後、数年かかる」などと、これまで示されなかった見通しによって、平成31年度以降に更に大幅に終了時期を先延ばしするとも取れる回答が出されました。

北海道が核のゴミ処分場拒否の姿勢を明確にするために、「三者協定締結時の約束が守られず、なし崩し的に研究調査機関が延長される」などということがないよう、北海道知事として厳重にこの回答に対する意思表明をしてください。

 

以上