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原子力損害の賠償負担金に係る質問主意書及び答弁書/国会答弁書

下記の「原子力損害の賠償負担金に係る質問主意書及び答弁書」は。立憲民主党衆議院

議員 山崎誠さんから提出されたものです。山崎さんは「原賠法に係る質問主意書」の提出もさ

れており、再選されれば、次の質問主意書を用意されています。

 

 下記の答弁書を見れば、質問の重要な部分は避けて答弁しておりません。それでも訴訟などの

参考になると思います。山崎誠さんには、さらに委員会などでも追及を続けて頂き、託送料金へ

原子力関連費用の上乗せの阻止を実現したいと思っております。

 (※MLで発言された方の選挙に関する私見部分を略し、以下に共有します。)

 

【動画】

チームパブコメcafe_ゲスト衆議院議員の山崎誠さん

脱原発のこと再エネ普及のことをお話ししました!

https://www.youtube.com/watch?v=vSn8Nte8gMo

 

山崎 誠(やまざき まこと)

立憲民主党

神奈川県第5区(横浜市戸塚区・泉区瀬谷区)総支部

 

政務調査会副会長

エネルギー調査会事務局長

経済産業委員会委員

東日本大震災復興特別委員会委員

https://yamazakimakoto.jp/

https://twitter.com/yamazakimakoto/

 

 

 

 

原子力損害の賠償負担金に係る質問主意書及び答弁書

 

 電気事業法施行規則第45条21の2「一般送配電事業者は、当該通知に従い、賠償負担金を

その接続供給の相手方から回収しなければならない。」に基づき、一般送配電事業者は託送料

金に賠償負担金を上乗せして回収している。賠償負担金は、次の法令及び閣議決定等により規

定されている。

 電気事業法施行規則第45条の21の3では「賠償負担金」を「(前略)原子力損害(原賠法第2条

原子力損害)の賠償のために備えておくべきであった資金であって、旧原子力事業者が平成23

年3月31日以前に原価として算定することができなかったものを、一般送配電事業者が行う接続供

給によって回収しようとするとき」の資金と規定している。

 原子力損害賠償・廃炉等支援機構法(以下、「支援機構法」という)第41条1項1では、「当該原子

力事業者に対し、要賠償額から賠償措置額を控除した額を限度として、損害賠償の履行に充てる

ための資金を交付すること」を「資金交付」と規定している。

 2016年12月20日閣議決定原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針について」で

は、その26ページで、「国民全体で福島を支える観点から福島第一原発の事故前には確保されて

いなかった分の賠償の備えについてのみ、広く需要家全体の負担とし、そのために必要な託送料金

の見直し等の制度整備を行う。」としている。

 さらに注14で「回収する金額の規模は、現在の一般負担金の水準をベースに、1KW当たりの単価

を算定した上で、これを前提に、2020年度前の2019年度末時点までに納付した又は納付すること

になると見込まれる一般負担金の合計額を控除した約2.4兆円とし、これを上限とする。」とし、「資

金の回収に当たっては、適正な託送料金水準を維持していく観点から、年間約600億円程度を、20

20年度以降、40年程度にわたって回収していくものとする。」と書かれている。

これら賠償負担金の規定等には疑義があるため、以下質問する。

 

〈過去に遡及・追徴する電気料金〉

質問1 事故前の電気料金は、規制料金であり法令及び買電契約約款等の手続きに基づき適正に支

払われたものである。一方、昨年10月から導入された賠償負担金は事故前の「原子力損害(原賠法第

2条2原子力損害)の賠償のために備えておくべきであった資金であって、旧原子力事業者が平成23

年3月31日以前に原価として算定することができなかった」分を全需要家に負担させるものである。全

需要家が過去分の電気料金を遡及して負担しなければならない法的根拠は何か。

質問2 電気料金の算定における過去分の保険料等の算入決定についても、電気料金審査専門小委

員会において算定・算入の判断をしており全需要家に責任はない。したがって、全需要家は算定できな

かった過去分を電気料金で負担する義務はないのではないか。あるとすれば、その法的根拠は何か。

質問3 事故後に保険金を「備えておくべきだった」として、「過去の保険料」を電気料金で需要家に請

求することのできる法的根拠は何か。

 

〈遡及した過去分を追徴する託送料金〉

質問4 事故前に「原価として算定することができなかった」費用を2020年度から全需要家に託送料金で

負担させることは、本来、託送料金の原価ではない「原子力損害(原賠法第2条2原子力損害)の賠償の

ために備えておくべきであった資金であって、旧原子力事業者が平成23年3月31日以前に原価として

算定することができなかった」費用を算入することになる。これは総括原価方式の原則に反するのではな

いか。反しないとすれば、その理由は何か。

 

〈全需要家の負担する責任〉

質問5 事故を起こした責任は誰にあるのか、損害賠償責任は誰にあるのか。全需要家に事故責任と損

害賠償責任のあることの法的根拠は何か。なければ「備えておくべきだった資金」を全需要家が負担する

法的根拠は何か。

質問6 事故が起きたときの備えの責任は誰にあるのか。全需要家に責任のあることの法的根拠は何か。

なければ「備えておくべきだった資金」を負担する根拠はないではないか。

答弁:1から6までについて

お尋ねの「法的根拠を示されたい」が具体的に何を想定しているのか必ずしも明らかではないが、需要

家は、小売電気事業者の定めた小売供給に係る料金を小売電気事業者に支払うこととなっており、小売

電気事業者が、託送供給等に係る料金の変更に伴い、小売供給に係る料金をどのように定めるかにつ

いては、電気事業法(昭和39年法律第107号)上、特段の定めはない。

また、お尋ねの「本来、託送料金の原価ではない「原子力損害(原子力損害の賠償に関する法律第2条

第2項に規定する原子力損害)の賠償のために備えておくべきであった資金であって、旧原子力事業者が

平成23年3月31日以前に原価として算定することができなかった」費用を算入すること」が「総括原価方

式の原則に反するのではないか」の意味するところが必ずしも明らかではないが、原子力災害からの福

島復興の加速のための基本指針」(平成28年12月20日閣議決定。以下「基本指針」という。 )において、

福島第一原発の事故前には確保されていなかった分の賠償の備えについてのみ、広く需要家全体の負

担」としたことを踏まえ電気事業法施行規則(平成7年通商産業省令第77号)の改正を行い、一般送配

電事業者が「福島第一原発の事故前には確保されていなかった分の賠償の備え」に相当する額を、託送

供給等に係る料金の原価に含むことができることとした。

「事故を起こした責任は誰にあると考えているのか」とのお尋ねについては、基本指針において、被災者・

被災企業への賠償は、「東京電力の責任において適切に行う」としている。

原子力発電による事故が起きて原子力損害が生じた場合に備える責任は誰にあるのか」とのお尋ねであ

るが、原子力損害の賠償に関する法律(昭和36年法律第147号)第3条第1項において、「原子炉の運転

等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業

者がその損害を賠償する責めに任ずる」としている。

〈備えておくべきであった資金〉

質問7 そもそも事故前に「原子力損害の賠償に備えておくべきであった資金」とは何か。電力システム改革貫
徹のための政策小委員会のとりまとめによれば、福島事故前に確保されておくべきであった賠償への備えは3.
8兆円である。これは事故前の費用である。一方、支援機構の借入金は、事故後に発生した費用である。この全
く意味も主旨も違うものを支援機構法でいう「一般負担金」として、混同させて負担、回収することは法令に反す
るのではないか。反しないとすれば、その法的根拠は何か。

答弁:7について

お尋ねの原子力損害の賠償に備えておくべきであった資金」については、基本指針において、「福島第一

原発の事故前には確保されていなかった分の賠償の備え」として「広く需要家全体の負担」としたものである。

また、お尋ねの「原子力損害賠償・廃炉等支援機構の借入金は、事故後に発生した費用である。この全く

意味も趣旨も違うものを支援機構法でいう「一般負担金」として、混同させて負担、回収すること」の意味する

ところが明らかではないため、お答えすることは困難である

右、質問する。

 以上