さる11月9日、「さよなら玄海原発の会・久留米」の代表者以下7名が、
九州電力久留米営業所に太陽光発電の接続制限に対する抗議文提出に行きました。
ベクレルフリー北海道も賛同団体として名を連ねましたため、以下に報告します。
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<提出した抗議文の内容>
九州電力社長 池辺和弘 様
九州電力久留米営業所長 様
「太陽光発電の接続制限に抗議します」
今年の夏は久留米にも台風が近づき、強い風が吹きました。しかし、久留米では停電はありませんでした。このような自然災害の時でも私たちが自由に電気を使うことができたのは、九電の社員の皆様のおかげだと感謝しています。
さて、新聞の報道によりますと、10月の13,14,20,21日には九電によって太陽光発電の接続制限が実施されました。
九電は3.11の福島第一原発事故発生以後、最初に規制委員会の認可を得て原発を再稼働させました。プルサーマル発電を実施したのも日本で最初でした。そして今度は、全国の電力会社の中で一番に、太陽光発電の接続制限をされました。九州には太陽光発電所を設置している家庭が多いという事情は分かりますが、脱原発を求める国民が多いなかで、このような原発に熱心な姿勢は非常に残念です。
21世紀は、企業も利潤の追求が一番ではなくて、社会的な信頼を大事にすることが求められています。九電もヤラセメールの発覚を機に社会的な信頼を大事にする企業になって頂けるものと期待していました。社員の方は全員がその目標を胸に付けられたはずです。太陽光発電のパネルを自宅に設置している人の中には、経済的な損得を離れて、太陽光発電が安価になり普及に貢献することを願って設置した人も少なくありません。ドイツの人の中には、そんな日本人の動機が分からない人もいるそうですが、私は、環境のことを考えて目の前の利害に左右されずに行動することは素晴らしいことだと思います。
昨今は、電力の供給過剰で大規模停電の可能性、太陽光発電の制限、と報じられています。これではまるで太陽光発電を設置している人が悪者であるかのようです。放射線の心配もなく温暖化もない世の中を求めて太陽光発電をしている者には耐えられない苦痛です。
九電は、太陽光発電を断ることを恥ずかしいことだとは思われないのでしょうか。原発は急に停止したりできないことは知っています。政府が、電力の余剰に対しては、原発よりも火力発電や太陽光発電を先に調整するように決めていることも知っています。しかし、社外の太陽光発電を制限する前に、社内の発電設備を調整する努力はされたのでしょうか。また、余った電力を他の地域へ融通するための、九州と本州を結ぶ連系線の増強の取組みはされていますか。
九州でも、11年12月から15年8月まで原発は稼働ゼロでした。その間はそれなりのご苦労はあったのでしょうが、原発無しでもやっていけたのです。その後はもっと太陽光発電は増えています。もはや原発無しでは電気が足りないとは絶対に言えません。
九州電力が太陽光発電接続制限を中止し、脱原発を一番に実現されることをお願いします。
2018年11月09日 さよなら玄海原発の会・久留米 代表 堤静雄
<賛同団体>
北海道 ベクレルフリー北海道
青森県 花とハーブの里
福島県 ふくしま-環・話・和-の会
八王子市民の学校がっこうまなび・つなぐ広場
ハカルワカル広場(八王子市民放射能測定室)
埼玉県 未来の福島こども基金
愛知県 脱被ばく実現ネット日進 Peace & Musicイン東浦実行委員会
福岡県 怒髪天を衝く会 原発事故から学ぶ実行委員会 今を生きる会
パワーシフト福岡 風ふくおかの会 原発とめよう!九電店前ひろば
原発八女ん会 たんぽぽとりで
鹿児島県 反原発・鹿児島ネット
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抗議行動の報告(ダイジェスト)
さよなら玄海原発の会・久留米 代表 堤静雄
抗議文提出行動 会議室 10時~10時20分
九電からは3人
会員は7人 井上 丸山 藤木繁 吉永 縄崎 縄崎 堤
抗議文を堤が読む 賛同団体は25
質疑(順番は正確ではありません。記録が間に合わなかった部分もあります。)
Fさん 太陽光発電を制限するに至った経緯を
九電 電力は需給量が一致してないといけない。バランスが壊れると全部停電の可能性もゼロではない。
太陽光発電は変動が大きい。太陽光発電パネルが雲に陰っただけで発電量が大きく落ちる。(個々の太陽光発電所では変動が激しいが、広い九州全体の発電量は滑らかな変動になる。-堤)
Iさん 原発を止めることはできないのか。
九電 原発は止めることが非常に難しい
Yさん 止めやすい小さい原発を造って調整はできないのか。
九電 まだ検討していない。
(小さい原発でも出力調整は無理。規模を小さくしても、稼働・停止には時間がかかるし、その時の危険性はほとんど変わらない。一方、小さい火力発電所はできるし、九電も造っている。-堤)
Nさん 今後も制限はするのか。
Yさん 火力発電を止めることはできないのか。
揚水発電で調整はできないのか。
九電 努力している。電力の微調整は非常に難しい。
Mさん 余剰電力を貯めるための蓄電器の研究をしているか。
Yさん 原発の中の配管等が心配。福島第一原発も津波ではなくて地震で既に配管等がやられたのかもしれない。玄海原発も老朽化の心配がある。規制委員会の元委員長の田中さんも原発が安全だとは言わなかった。
Iさん 使用済み核燃料の処分方法もないし、処分場もない。先日、福島から京都に避難している人の話を佐賀で聞いた。お母さんとその娘さんの話を聞くことになっていたが、娘さんは涙で一言も発することができず、母親が代わって原稿を読んだ。日本はオリンピックに湧き上がる時ではない。九電の皆さんも、自分の家族の事として原発を考えてほしい。
Mさん 最近は地震が多発している。日本はその時期になっている。
堤 太陽光発電で発電した電気を九電に送ることを止めたら、太陽光発電のパネルが発電した電気はどうなるのか。まさか太陽光発電が壊れることはないのでしょ。先日、本社に電話で質問したら、係の方は「壊れることはないが、発電した電気がどうなるのか分かりません」と言われた。
九電 分かりません。(小さな声で、発電しないのではないか、とつぶやく)
(太陽光発電に発電をさせるか、させないかのスイッチはないので、このつぶやきは間違い。-堤)
堤 普段でも電力の需給量は完全には一致してない。いつも少しは余っているはず。その余った電気はどうしているのだろうか。
九電 発電量と送電量は違う。(回答になってない。-堤)
堤 地熱発電は調整できますか。
九電 知らない。
堤 九電の地熱発電所では、説明者が「この発電所は発電量が小さくて駄目です」と言ってけなしていた。おかしいこと。もっと地熱発電は増やしてほしい。
堤 九電社内の太陽光発電も調整しているか。
九電 している。
堤 九電の社員は福島第一原発の現場に行って収束作業を見て研修をしてほしい。以前に本社でそのことを要望したら、福島に行っていると言われたので、何をしたのですか、ときいたら、立ち入り禁止地域の交通整理をしてきたと言われた。九電の社員がすべきことは、交通整理ではありません。(堤のこの発言は、以前もこの部屋でしました。しかし、担当者が全員代わっていたので、繰り返しました。)
堤 今日、私たちは7人しか来ていません。平日の昼間なので、来たくても来れない人もたくさんいます。私達の声は大勢の意見だと思ってください。(黙ってうなづいていた。) また、この私たちの声は、会社の幹部の人たちにも届けて下さい。久留米営業所の社員のみなさんにもお願いします。
本日は時間を設けて頂いてありがとうございました。
以上