泊発電所周辺地域聞き取り調査のまとめ③
<泊発電所周辺4自治体への詳細な質問>
原発立地周辺自治体として、本年改定された「泊発電所原子力事業者防災業務計画」と
「泊発電所周辺地域原子力防災計画」の内容が、改定前と後でどのように変り、
原発立地周辺自治体として、これに対応すべきとお考えなのかについて、それぞれの自治体ごとに措置の内容、住民への周知内容等を、ご説明いただいた。
修正内容の中でのポイント
各自治体にはそれぞれ以下のような実問事項にお答えいただきたい旨をお知らせしておいた。
① 計画の変更箇所と理由
②経口安定ヨウ素剤の備蓄量、種別、集会場所の数と位置
どのようなタイミングで配布場所となる集会ポイントで配布されるか。
※泊村は全戸事前配布 PAZ内共和町は事前配布しない。
③除雪対策 前回調査後の除雪機器の増減、オペレータの数と協定内容の確認
(写真:泊村役場)
【泊村の回答】田原 寧(企画振興課長)、藤田秀也(総務部企画振興課 係長)
経口安定ヨウ素剤の備蓄量:1万錠
(通常は大人一人に2錠のため5千人分に相当する人口の三倍程度をめやすに備蓄)
種別:乳幼児 3歳未満用に ゼリータイプのヨウ素剤を備蓄
集会場所の数:10ヶ所(バス避難集会場所、学校など)
PAZ内の観光客は自家用車を使用していると想定し、「先にUPZ外に避難していただく」ことが基本的な考え方(※避難バスの集会所にたどり着いた避難手法のない観光客を乗車させないという意味ではない)
除雪事業:協定によりほぼ外注している。
除雪機器の増減:泊村の所持する除雪機器はロータリー1台のみ。
泊村内村道は泊村が行うが、それ以外は原子力安全協定を結んでいる事業者や国、北海道、自衛隊などに依頼する。
泊村として北海道電力に対し、安全対策が現在、何割完了しているのか、防潮堤、防波壁の工事の見通しなどについて、お知らせを受けていない。
放射性豪語対策として「陽圧施設」はむつみ荘と役場のみ。
非常用電源(発電機)用の重油、飲料水などの備蓄は3日間程度。
道民視察団からの質問事項
Q1「協定している小樽建築業組合に所属するオペレーターの数は裕司の際、十分なのか? 四ヶ町村、13ヶ町村と重複して登録していることがあるのではないか? 確認の必要があるのでは?」
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
岩内町役場
【岩内町の回答】
青塚信司(総務部財政化 防災後方担当課長)、菊池孝之(防災交通担当 係長)
救護班:84名 ※災害災害対策基本法により、防災に従事する役場職員の名簿制作は義務付けられている。
岩内町内での災害避難集会場所:18ヶ所 うち4ヶ所は様圧施設
岩内町での経口安定ヨウ素剤の備蓄量:8万3千錠(41500名分)
岩内保健所・役場に備蓄
ゼリータイプのヨウ素剤 乳幼児(16.3㎎)の備蓄:330名分
新生児用(32.5㎎)の備蓄:119名分
除雪機器の増減:大型ロータリー1台、ブルドーザー1台を新しくした(足りない分は民間に委託)
岩内町の場合、除雪作業にあたるオペレーターがほかの自治体と重複することはない。
住民への周知:岩内町役場HP,原子力防災のしおり、全町内会代表者会議でお知らせしている
※岩内町防災担当者として北海道に対し、原子力防災避難訓練の実施日の告知を早くしてもらえるよう要請(本年度は12月15日に北海道のHPで実施日等について公開)
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/gat/bousaikunren3002.htm
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sm/gat/3002kunren-leaflet.pdf
平成 29 年度-北海道原子力防災訓練
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
共和町役場
【共和町の回答】
小石川 訓(企画振興課長)、津田拓人(原子力発電係主事補)
共和町はPAZ(原発から5㎞圏内)に位置し、2800世帯 6200名
誤飲などを含む事故を避けるため、事前配布をしない町の方針
安定ヨウ素剤の配布に従事する担当者は13ヶ町村に48名
安定ヨウ素剤備蓄場所:共和町役場
配布場所:役場を含む27ヶ所
経口安定ヨウ素剤の備蓄量:3万7千錠(18500名分)
ゼリータイプのヨウ素剤 乳幼児(16.3㎎)の備蓄:75名分
新生児用(32.5㎎)の備蓄:190名分
陽圧施設:共和町役場・保健福祉センター・みのりの里共和
放射線防護対策施設での石油・水の備蓄は3日間程度 ※飲料水:600ℓ
共和町防災倉庫に緊急用食料3000食 700食分の副食・毛布800枚を備蓄
除雪は主にオペレーターを含め、共和町でほぼ賄っている
除雪機器:ダンプ1台、ロータリー3台、雪上車2台、
除雪用トラック1台、ドーザー2台、グレーダー1台を所持
オペレーターは常に2名体制で行い、正職員2名、
季間雇用(農家の方が冬季の準職員として登録)
共和町役場
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
神恵内役場
【神恵内村の回答】
稲船義則(総務課長)、長浜伸志(総務課課長補佐)
小田嶋剛史(情報・広報統計係長)
避難のための集会所:介護福祉施設などなど5ヶ所
村内に登録されており、独立して生活する要配慮者は7名のみ福祉視閲との協定により、避難の際にはお願いする。
平成31年に基準津波に対応する役場庁舎を設置することに決まっているが、場所は見当しているものの確定していない。庁舎は古く、津波だけでなく、耐震基準にも外れるため、建設・完成を急ぐ必要がある。
村が所持する除雪機器:ダンプ1台、ロータリー1台、民間借り上げロータリー1台
各町内会に:小型ショベル機、バケット、ホイールローダー 4台を設置
除雪機器を動かすための石油備蓄は各町内会に保管。
神恵内ハイツ(要圧放射線防護施設)には98名の利用者が生活している。
避難場所(集会場所)の代替え施設:現在は神恵内中学校だが、新しくなる役場を予定
赤石地区の海抜が低い崖下100メートルの道路沿いに65歳以上の人口の40%が住んでいるという状況。
村民の暮らす地域は、集落の独立化が目立ち、若い世代が高齢化地域の避難を手助けする必要がある。
村として新規に予定している防災対策:柵内地区のヘリポートを整備
そのほかにも見当中の課題がある。
▼北海道と神恵内村の安定ヨウ素剤の保管に関する契約書(平成29年4月21日)
▲神恵内村の保健所に保管するための契約内容
経口安定ヨウ素剤の備蓄量:6000錠(3000名分)
ゼリータイプのヨウ素剤 乳幼児(16.3㎎)の備蓄:4名分
新生児用(32.5㎎)の備蓄:20名分
上記を保管専用缶に収納し、神恵内保健所に設置・保管
北海道が公開している環境放射線の測定データと温排水に関するデータ
▲北海道電力が出した泊発電所敷地内への「原子力事業者防災事業計画」の変更
泊村役場担当者から、「この変更箇所などについては自治体は答える立場になく、事業者である北海道電力へお尋ねするほうが良い」とのお答えをいただいた。