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「核ごみに関する政府との会合」報告3 JAEA 厚生労働省 原子力規制委員会からの回答

「核ごみに関する政府との会合」報告3 
https://www.youtube.com/watch?v=7mD3rfawe-Q

動画記録(経産省の部分は削除)

 JAEA 厚生労働省 原子力規制委員会からの回答

質問広告8・9への各省庁・機関の回答および会場からの質問への回答

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8.もんじゅ廃炉と常陽についての国の見通しについて

JAEA日本原子力研究開発機構への質問>(一部文部科学省に対する質問)

2015年12月22日に当会が持った会合において、JAEA担当者から、使用済MOXの国内での再処理実績についての質問に対し、「常陽で発生した照射済燃料を使用済ウラン燃料と混ぜて一般の再処理と同様の方法で再処理することに成功している」との回答がありました。

今後、この再処理方法で処理したものとは桁違いの量の質的に異なる使用済MOXが、生じるのではないでしょうか? (プルサーマルでの使用済MOX高速増殖炉の照射済MOX、更に同じ高速増殖炉の照射済燃料であっても炉心燃料とプランケット燃料とでは含まれる核種組成が異なるのでは?)

常陽に関する以下の質問にお答えください。
(※幌延深地層研究センターを通じ、昨年末に、同様の質問をしていますが、確認のため、判り易くお答えください。)

8-①. これまでに常陽で発生している照射済燃料の累積総量は、 炉心燃料、ブランケット燃料それぞれについて、 集合体の本数およびトン数をお示しください。

※8は次世代高速炉開発吉田氏が回答。

回答8-①.次世代高速炉開発吉田:炉心燃料はMOX燃料で、ブランケットは劣化ウラン燃料です。その二種類で構成されているが、照射済みの燃料の総量は炉心燃料=MOX燃料総量は521体。金属重量の合算地(プルトニウムウラン合算値)でいうと7.2トン弱。ウランを除いたプルトニウムは1.3トン程度となる。
ブランケット燃料(劣化ウランの使用済み)は221体。7.7トン程度。うち、プルトニウム量は0.02トン(いずれもHMT)。約20㎏。

8-②. そのうち、国内及び海外で再処理されたものは、炉心燃料、 ブランケット燃料、それぞれ総量はどのくらいになりますか? 本数・ トン数などで判り易くお示しください。
回答8-②:常陽の使用済燃料のうち、1体2体という集合体での再処理ではない。その中の使用済み燃料のトータル160とか120本のうち数本のピンを抜き取って、東海のサイクル系のところに送り、CPSという高レベル放射性廃棄物研究施設‐そこで再処理関連の技術開発をしているが、その技術開発の一環で燃料ピンを処理している。そして大洗の方へ運び込んだ分は76本。集合体で見ると、1体が96本だから1体にもならない。抜き取った使用済み燃料はプールで貯蔵。金属重要換算でいうとプルトニウムウラン合計11.5kgが再処理された。集合体では処理しておらず、ピンで抜き取って移送して処理している。ブランケット燃料の再処理試験は実施していない。

8-③. 上記の再処理の方法について、 行われた場所と方法が違う場合は、その内訳をお答えください。(例えば) 一般のウラン燃料の使用済燃料に混ぜて再処理した量とその 処理施設名、照射済MOXに特化した方式で再処理した量とその処理施設名など、状況を詳細にご回答ください。
回答8-③:施設としては東海のCPFのみ。それ以外の施設では行っていない。

8-④. 上の再処理によって抽出したプルトニウム及びウランの質量を同位 体別にお答えください。
回答8-④:先ほど76本11.5kgという分量を再処理したと答えたが、同位体組成ごとの量は核物質防護上の観点で答えられない。

8-⑤. 上の再処理によって取りだされたウラン及びプルトニウムの内、 既に燃料として加工された量、既に使用されたものの量を、ウラン燃料用・MOX燃料用に分け、同位体別にお答えください。
回答8-⑤:8-②でも答えたが、CPFで処理した11.5㎏のうち0.06kgが同じ施設内のプルトニウム燃料試験施設(第一開発室)に持ち込み、ペレット(60個程度)を製造している。ペレットから燃料ピンまで作った(燃料集合体1体の一部)。それを、大洗でA型特殊燃料のピンの一部に加工し、常陽の照射試験で使った。これがS59年の話。照射後の燃料1体は使用済み燃料池に保管されている。今は冷却中。

8-⑥. 1の照射済燃料のうち、 2で再処理されたものを除く残りの照射済燃料は、何処にどれだけ保管されていますか? 炉心燃料・ ブランケット燃料に分け、場所別に集合体の本数とトン数でお答えください。
回答8-⑥:ブランケット燃料は221体。
炉心燃料は521体のうち、2体を照射後試験施設に送り、SFSという試験施設に仮置きしている。519体は使用済燃料貯蔵水冷却池に貯蔵している。
金属重量は、壊変したもの等を除いて、炉心燃料は合計7.09トン、そのうちプルトニウムは1.3トン。
ブランケット中のプルトニウムは金属重量で7.72トン、うちPu0.02トンとなっている。(精製すると0.02トンになる、ということ)

進行役M.:計算上こうなりますよ、という事実も実証試験の一部になるのか?
回答:→原子炉等規制法による規制要件を満足するかという安全上の観点になる。
臨界にならないように、最大でもPuはこれ以下にしておこうということを確認する。

8-⑦. ⑤の、照射済MOXの再処理で取り出され、 新たに燃料として再使用された燃料について、使用された原子炉名と、その使用によって発生した照射済燃料の、ウラン燃料、MOX燃料に分けた発生量をお答えください。

回答8-⑦:常陽の照射試験用としてはA型特殊燃料集合体1体の1部に使われ、今は使用済み燃料となっている。MOX燃料となっている。ピンとしては1本がその中に入っている。全体100本程度あるうちの1本。
常陽の1本のペレットとして、常陽で使用され、照射済み燃料となって池に保管されている。

8―⑧. 7で発生した照射済燃料の量と保管場所、 更なる再処理が行われているか否か
( 再処理されている場合にはその処理施設と量と取り出されたウラン 及びプルトニウムの量も)について、 また使用原子炉が高速炉だった場合は、炉心燃料、ブランケット燃料に分けてお答えください。
回答8―⑧:常陽の1体は照射され、冷却池に保管されている。中身はMOX燃料。

市民T.:軽水炉とMOX、高速増殖炉の再処理は再処理工場が違う→異なる理由を教えてほしい。

回答JAEA吉田:プルトニウムの割合が多いと硝酸で溶けづらくなる。また、臨界管理が厳しくなる。処理量が少なくなる。そういう意味では安全を担保しながらどう効率的に分離するかが論点。形状が変わるだけで大きな変更はない。

市民B.:これらの使用済み燃料の処分についての方針は決まっているのか。

回答:JAEA:将来の扱いについては検討中。許可上は使用済燃料の処分についての項目が必要で、国内もしくは国外で再処理することを明記させられている。どこで再処理するかは検討中。今後は、高速炉研究の会議で議論されることになるだろう。研究用の原子炉でも項目について書かなければならないことになっている。

市民T.:新聞報道されていた常陽での事故は、今どうなっているのか。また、常陽は再稼働の申請をしようとしていると思うが、その狙いは何か。

回答JAEA: 特殊燃料の一種を上に上げようとして引っかかり、その操作が終わらないまますべて抜けきれないのに横から機械がスライドしてきてしまった。今は収束した。再発防止策も取った。

再稼働の申請については、もんじゅ廃炉に基づいて国も戦略ロードマップを作っている。実証炉開発のために、これからフランスが作ろうとしている実証炉があるのだが、なんとかそれを実証炉の建設につなげていこうというのが閣議決定。常陽の将来戦略ロードマップで議論されることになるが、常陽の役割はより重要になってきている。ASTRIDのデータを合わせて実用炉へつなげたい。材料開発やペレットの長時間あぶった時に強度を保てるかなどを、照射試験しながらデータを取っていきたい。

市民T.:高速炉か高速増殖炉かというところでは、常陽は増殖炉?
回答:JAEA:あくまで実験炉。

主催F:貯水冷却池に使用済み燃料を入れているという話を聞いたが、ナトリウムに使っているものを水につけられるようになるにはどのような処置をするのか。

JAEA:一般論としてはナトリウムがついているので、ある程度流して落とし、その後蒸気でナトリウムをじわじわ落としていく。

☆所作の工程について後日、ふくしま事務所にデータを送っていただく

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JAEA 日本原子力研究開発機構の回答

 

 <厚生労働省への質問>(一部、規制委員会)

9.核ごみ再処理・最終処理にかかる労働者被曝について

原発事故以前は、日本の法令では、一般人の被曝許容限度は1年当 り1ミリシーベルト

原子力規制委員会は緊急作業時被ばく限度をそれまでの100ミリシーベルト(mSv)から250mSvへ緩和することに加え、同時に「緊急時対応を行った労働者が継続して仕事ができる措置」を決定しました(15年8月5日)。
この緩和は、労働者の被ばく管理を管轄する厚生労働省も連動して導入し、昨年4月からすでに施行されていると認識しています。
「労働者の被ばくを管理する法律」は、原子力規制委員会が管轄する「原子炉等規制法」と、厚生労働省が管轄する「電離放射線障害防止規則」ですが、両法律とも同様の内容変更を行いました。

質問
9-①. 厚生労働省として、労働環境における被曝について、どのようなお考えですか? 
原子力施設、とりわけ原子力発電所もんじゅのような核施設の廃炉、再処理、特定放射性廃棄物の最終処分に係る労働者の労働環境における被曝について、労働者の健康と命を守るために厚労省がどのように関わるか、現在の国の方針や、今後の見通しについてお答えください。
回答9-① 厚労省労働者健康対策室森:原発事故を含めて上記のような仕事に従事する方は、被ばく線量管理や健康管理につきましては万全を期することが重要で、電離則やガイドライン福島第一原発に関するもの)を定めているものもあり、それらにより被ばく線量管理、健康診断、特別な教育などもろもろ規則で定めていて、厚労省としてはそれらの実施を指導している。

回答9-① 原子力規制庁規制部布田:原子力規制委がどのように関わっていくかということについて。緊急作業の従事に関しては事業者に対して放射線の影響に関する情報提供をあらかじめ作業従事者に提供した上で参加の意思を表明し、必要な訓練を受けた従事者に限るという措置をすることが法令に定められている。
事業者が、管理上の規定をきちんと明記することを義務付けており、定期的に検査をしている。

9-②. また、厚労省として、労働者被曝に関する法律改正、規制緩和に同調する変更を行った根拠をお示しください。
回答9-② 厚労省森:昨年4月に施行された被曝への引き上げのことだが、東電の事故は急遽起きた事故だった。こうしたドタバタの中で緊急事態宣言があった後に労働者の健康リスクとか周辺住民の命であるとか第三者利益を守るとか、というったことを考慮して、特別に緊急被ばく限度250mSvに引き上げた経緯がある。もともとの被曝限度は50mSv/年、100mSv/5年というものだが、緊急時だったので引き上げた。

また、同じような状態が他の原発で起こらないとは言い切れないということで、今後、仮に、そのような事故が起こった事態に備えて、あらかじめ改正して一定の事象が生じた場合は250mSvまで引き上げるということを定めている。
あと、例えば作業につく方についても事前にどういった方が作業につくのか、具体的に原子力防災要因という方があらかじめ指定されているが、対象者をある程度選別するということと、対象者には特別教育などを行うことを、新たに定めている。
万が一発生した場合に備えて、改正した。

回答9-② 規制庁規制部布田:第一の事故の時緊急的に250に引き上げた。このような事故を完全に否定することはできないので、必要な時に対応するために法令の改正をした。

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進行役M.:例えば不測の事態を見越してという事だと思うが、現場の労働者あるいは周辺の一般の労働者が想定もしていないようなことが起こった場合、どうなってしまうのでしょうか。こうったことを処置する人がものすごく沢山必要になってしまった場合、訓練を受けている場合ではなくなってしまうのではないか?

布田:事業者に対して、重大事故が起こることをあらかじめ想定して審査の中で考えさせるようにしている。そこで、重大事故に必要な人員も見積もりをして申請時に確定していく。防災訓練についても規正法の中でやることにしている。再処理事業については申請中。

 

市民T.:線量管理をしなければならない単位は何か。1万ベクレルを超えたら線量管理しなくてはいけないと聞いたのだが。それはどうでしょうか。
放射線管理区域の定義は1.3ミリシーベルト3か月。環境中にあるベクレルで表したときは20万ベクレルでいいのか。
また、放射線管理区域を定義する場合に、空間に漂っている放射性物質粒子の濃度について定めはないのか。つまり内部被ばくについては?

森:ベクレル数という点で見ると、ある一定の濃度以上のモノについて定めているのだが。㎡に合わせると、アルファ線を放出する場合は4千ベクレル、アルファ線を放出しない場合は4万ベクレルとなる。
1万ベクレルというものは、事故由来廃棄物の処理にあたる方に対する規定。
事故由来廃棄物、原発の敷地内で適用になる規則は伝利息。
屋外の除染業務は除染伝利息。中身は似通っている。
1万ベクレルを超える廃棄物を収集・運搬する業務は除染伝利息が適用になる。
空間に漂っている放射性物質粒子の濃度について定めはない。

規制庁布田:濃度管理について、年間で5mSvを超えないという形で各核種ごとにある。Webにも掲載してある。

電離則α0.4Bq/cm2 非α40000Bq/cm2。事故由来廃棄物の作業環境は10000Bq/m2を超える場合に電離則の適用となる。

 

市民K.:250ミリシーベルトに挙げる件ですが、「一定の事象」、これはあらかじめ定められているのか。

布田:基本的には15条通報(減災法に基づくもの)、それに至る可能性がある事象の時に250に引き上げる。例えば制御棒が入らなくなったりとか、敷地のモニタリングポストの線量が高くなった場合は国に通報しなさいという規定がある。重大事故に至る可能性の高いものの場合は15条通報だが、その際には250に挙げる。事業者の判断で。放射線審議会に諮問をしたはず。

 

市民K.:労働者の被ばく管理について。例えば労働をやめてしまった方は無管理状態になってしまうと思うけれど、生涯放射線管理手帳を持たせてほしいという話を厚労省へ要請しているが対応はまだ。そこについては。今7000人の人たちが第一原発で働いているが途中で労働を辞めた場合。

森:放射性影響協会というところがあり、労働者はそこに加入をしているので、そこに登録していると、誰がどれだけの線量を浴びたかが把握できるようになっている。福島第一原子力発電所平成23年3月から12月までの間は緊急作業時となっている。その期間中に働いている方2万人程度については特別に指針を定めており、一定を線量を超えた方については離職後も検診を受けることができるので、その中でフォローできる。

 

市民O.:どんな事象が15条通報にあたるのかは各電力事業者に委ねられているのか。

布田:原子炉等規制法では、最低限を想定しなければならない重大事故を定めている。その事故が起きた場合でも収束できるかどうかを評価する。
事業者の方で確率的に評価をする。そのほかに起こりうる重大事象があるとなれば、それについてもきちんと指導する。

 

以上

会合の報告終わり