becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

ニセコ町 ほくでん「泊発電所の安全対策等に関する地域説明会」

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2016.04.21 18:00~19:33 @ニセコ町曽我活性化センター

 

ほくでん説明員5名 + 会場要員6名

参加者:住民5名(うち倶知安在住1)、

役場職員(総務課参事 + 1)、

報道(道新・生田憲記者)

 

18:00~18:50 「安全対策」について、プロジェクタを用いて説明。

18:55~19:37 質疑応答(42′)

 

Q 1:各種の安全対策が必要なほどに危険な原発をなぜあえて運転するのはなぜか。安全な発電に切り替えていくという企業姿勢が見られない。ひととおり「安全対策」なるものを聞いても、机上の空論にすぎない。配管のつなぎ目が地震で破断する可能性は各方面から指摘されている。福島では現実に起こった。むりくり、原発を稼働させるという企業姿勢に疑問を感じる。

 

A:当社の電源構成は石炭、原子力など均衡ある構成を想定しているが、震災後は火発が約8割を占めるに至った。火発は計画通りに運転ができない「計画外停止」が増えている。CO2排出量も震災前比で1.8倍になった。燃料費用も火発依存が高まったことで2,000億円増え、料金値上げなどでご迷惑をおかけしている状況にある。

 当社としては、電力の安定供給や環境にも配慮しながら、天然ガス自然エネルギー原子力を含め、バランスよく活用していくことが必要だと判断している。

再生可能エネルギーの導入のとりくみについては、配布した小冊子「ほくでんエネリーフ」(エネルギーミックス)も参考にしてほしい。

 

A 2:新規制基準は福一の教訓を踏まえている。過酷事故対策、緊急時対策、津波対策などで厳格な基準が設けられた。配管がはずれるという懸念にたいしては、資料21ページにあるとおり、基準地震動620ガルに耐えるよう補強した。施設内でかなりの数にわたって実施している。

 

Q 2:周辺住民の避難計画について言及がなかった。避難計画の実効性が未検証のまま、再稼働はあり得ないと思う。アメリカなどでは、周辺住民が安全に避難する計画ができているかどうかが認可基準のひとつになっている。ニューヨーク州のショーラム原発は完成したけれども避難計画が不十分と審査されたために、一度も稼働することなく廃炉に至ったという事例もある。

 

 関連して、北電と5キロ圏内「地元自治体」との協定、北電と30キロ圏内の自治体との協定との間に差異があるのはなぜか。福一事故の教訓を生かすならば、被害の及ぶ範囲は原発からの距離には無関係だ。北電からも、合理性を著しく欠く国の基準の作り方について意見具申があってしかるべきだ。

A:防災計画については、国の防災対策指針にもとづく地域防災計画が自治体ごとに策定されている。5キロ圏、30キロ圏と距離に応じて、国、北海道、関係市町村の防災機関などが対応することになっている。

地域防災計画については、すでに関係自治体において策定されている。今後、ひきつづき、防災協議会で内容の検討改善にとりくむこととし、充実強化が図られることになっている。国が事務局となっている泊地域原子力防災協議会において、緊急事態対応がまとめられる予定だ。事業者として、責任を果たすべく対応していく。

(北電と自治体との協定に関する差別的扱いについては、言及なし)

 

Q 3:農業をやっている。福島事故で農業をやめた人たちのことをわが事として受け止めている。たくさんの資料で安全対策の報告をうけたが、つっこみどころ満載。

 北電社員のみなさんは絶対安全と断言できるのか。もし、過酷事故が起きた場合、みなさんは引き続き北海道に住みますか? 泊に使用済み燃料プールというのはあるのですか? その安全対策は? サイバーテロ対策はどうなっているか?

 

A:いままで(震災前に)とりくんできた安全対策をうんと強化した。過酷事故の起こる可能性がゼロとは言わないが、安全対策の強化によって確率的には極めて小さいものになったとは言える。

 こんなにも安全対策が必要な原子力発電をなぜやるのかという質問があった。根本的には資源に乏しい日本のエネルギー事情がある。ある程度の割合は原子力に頼っていくしかない。

使用済み燃料ピットの質問について。使用済み核燃料は六ヶ所村再処理工場にいくのが本来のルート。六ケ所村が稼働していないので、当面、泊発電所に置いておくが、この先15年くらいおいて置ける能力がある。毎回、点検のたびに、30体~40体の使用済み燃料が出て来る。

 

A 2:サイバーテロ対策については、実際にとりくみを進めているが、核物質防護上の話に及ぶので、具体的な中身についてはお答えできないことになっている。

 

Q 4:細かいことで疑問はたくさんある。私、昨年12月の原発事故避難訓練に参加したが、あの訓練だけでも課題山積だ。今後、私も勉強させてもらうが、きょうの説明だけではわからないことがいっぱいあったので、別会場での説明会にも参加させてもらい、また質問もさせてもらいたい。

 

A:私たちも、訓練のやりっ放しでよいとは決して思っていない。訓練ですから、いっぱい悪いところも出る。訓練を繰り返して、緊急時に備える。「改善のサイクル」にとりくんでいきたい。

 

Q:地域防災計画が、それぞれの自治体で「策定済み」という答えがあったが、その実効性は検証されているのだろうか。ほんとうに、ひとりの被爆者もなく安全に避難できると検証されたのか。「すでに策定済み」というのは非常に不誠実な答えだと思いますよ。確かに策定はされたが、できあがったものがほんとうに効力を発揮するものなのか、その点を確かめないままに、再稼働など許されないということを重ねて申し上げたい。(そうだ、の声あり)

 

A:繰り返しになるが、訓練などを繰り返し、実効性を高めていくことになるだろうと思う。

 

Q:実効性を高めていく過程で、事故がおこったらどうするのか。犠牲者が出てもかまわないということなのか。「万全の対策」といいながら、そうでないことは避難計画の一事をもってしても明らかではないか。

 

A:泊地域の緊急時対応という資料があります。(プロジェクタで表示)

その実効性については、最終的に国の原子力防災会議が判断することになる。

 

A2:北海道が作成した「原子力防災のしおり」なども参考にしてほしい。