becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

道民視察団 報告 ⑥蘭越町・寿都町 他府県参観者ルート

蘭越町寿都町 他府県参観者ルート

平成29年度 2018年2月8日 北海道原子力防災訓練
他府県参観者ルート
6:35 北海道庁前参観バス
9:15 蘭越地区ふれあいセンター 
大雪により孤立した要配慮者の救出訓練

f:id:emikamassion:20180328150815j:plainf:id:emikamassion:20180328150837j:plain

道民視察団として原子力防災訓練を参観 高橋国夫

原子力防災訓練が2月8日に実施され我々道民視察団は7ヶ所に16名でそれぞれ手分けして視察しました。その内私たちのチームは、道外から視察に来た役人のバスが6時45分に北海道庁を出発したのを追いました。次の通りに実施されました。

  • 9時15分から蘭越地区ふれあいセンターにて、「大雪により孤立した要配慮者の救助訓練」15分程度
  • 9時35分から蘭越町民センターらぶちゃんホールにて、「地震により屋内退避が困難な場合の対応・住民避難訓練」30分程度
  • 10時50分から寿都温泉ゆべつのゆ「避難退域時検査・安定ヨウ素剤配布訓練」30分程度。その後昼食を取り15時に道庁に戻って行きました。

私は次の三点が気になりました。まず、第一に孤立した要配慮者の救助訓練にスコップを手にした5名の消防士が狭い冬道を大型消防車に乗って駆け付けました。報道関係者に対するパフォーマンスに過ぎず非現実的なものでした。

次に感じられたことは、安定ヨウ素剤配布訓練では、アレルギーの過敏性について一人一人聞き取り調査を二人が一組になって保健師が実施しておりました。事故が発生して混乱している時ではなく事前に確認すべきだと考えます。事件当日は誰もが少しでも早く避難したいと思います。

3番目に、5日(月)に意思決定訓練がオフサイトセンターを中心とした情報収集・整理及び意思決定訓練が行なわれました。しかし、8日(木)の住民避難を中心とした実働訓練は別々に分けずに同時に実施すべきであると思いました。

結論は、住民の安全を第一考えて本当に役立つ原子力防災訓練を実施すべきだと考えます。甘い想定についても道新などの報道でも指摘されておりました。また、昨年に引き続き札幌雪祭りシーズンは避けて欲しいものです。


他府県から参観 バスルート
蘭越町民センターらぶちゃんホール
地震により屋内退避が困難な場合の対応・住民避難訓練

f:id:emikamassion:20180328151259j:plain f:id:emikamassion:20180328151321j:plain

f:id:emikamassion:20180328151333j:plain f:id:emikamassion:20180328151342j:plain

 
他府県から参観 バスルート
避難退域時検査・安定ヨウ素剤配布訓練
寿都温泉ゆべつの湯

f:id:emikamassion:20180328151705j:plain

経口安定ヨウ素剤配布訓練 問診票記入のための説明を受けている住民のようす

 

f:id:emikamassion:20180328151752j:plain

f:id:emikamassion:20180328151949j:plain f:id:emikamassion:20180328152006j:plain

体重によって服用量が違うため、乳幼児は2種類の内服ゼリーができました。
避難住民は安定ヨウ素剤放射線原子力防災の基礎知識について 医師によるレクチャーを受けました。
自然放射線と比較するのではなく、足されると説明すべきだと思いながら説明を聴いていました。

f:id:emikamassion:20180328152019j:plain

 原子力防災訓練 道庁ー蘭越寿都ー道庁 ルート報告

  報告者:黒田 伸(ジャーナリスト、北方ジャーナル執筆) 
<道から発表された日程>
2018年2月8日(晴れのち曇り、時々雪。現地もほぼ同じ)
6時45分発 道庁別館前出発
(道内外自治体の原発担当者数十人が大型バス1台で出発。中山峠を通って蘭越へ)
 
9時15分着 蘭越地区ふれあいセンター
(大雪により孤立した要配慮者の救出訓練)
 現地に着くと、センターの玄関前は数メートルの高さの雪で扉が埋まっていた。消防車が到着し白い防塵服を着た数人の隊員が素早い動作で雪を掘り進み、部屋の中にいる人に対して「もうすぐですよ」と声を掛け、6、7分で玄関への通路を確保すると一人の男性が中から救出され、訓練が終わった。
 <疑問点1>
 雪山を掘り進む作業は、原子力防災に限定した特殊な作業ではない。スコップで掘り出す作業を見学者に見せる意図が不明。救助活動に大型消防車で来るという設定が現実的ではない。暴風雪の際に大型車が町内の狭い路地に入って来られるのか。(隊員は北電社員か)。
9時35分着 蘭越町民センターらぶちゃんホール(JR蘭越駅そば)(地震によって屋内退避が困難な場合の対応・住民避難訓練
集会場には、緑のカーペットが敷かれた上に10人ほどの町民がパイプ椅子に座り、車座になって訓練の開始を待っていた。到着した報道陣は館内に展示されている非常用食品や飲料水などを撮影した。ほどなくして館内に緊急の放送が流れる。
 「訓練放送です。蘭越町からお知らせです。警戒中の泊発電所3号機でアークが発生し、施設、敷地緊急事態となりました。国から蘭越町を含むEPZ圏内の町村に対し、泊発電所の事態の発展にそなえ、屋内退避を準備するよう要請がありました。当センターに避難している皆さんの中で地震による家屋倒壊等により自宅での屋内退避が困難な方につきましては今後の事態の進展に備え、当センターにおいて屋内退避の準備をお願いいたします。なお地震による家屋などへの被害に加え、現在防風雪警報が発令され、数年に一度の猛吹雪になっており、外出は危険な状況にありますので外出はしないようにしてください」
 次に住民に直接指示していた若い男性職員が説明に立った。
 「ただいま施設敷地緊急事態が進展しました。こちらについては屋内退避を準備するよう指示されている内容になっています。まだ屋内退避まではいかないんですけども、事前にでね、もしかしたら事態が悪い方向に進んでしまうかもしれませんので、これから運営スタッフの者が窓があいていないかだとか、確認をさせていただきます。皆さんは次の指示があるまでは落ち着いて焦らずに、不安にならずに落ち着いて待機の方をお願いします。それでは(職員2人は)窓が開いていないか確認をお願いします」
<疑問点2>
 いくら避難訓練とはいえ、北電に気を使った表現や役所用語が多過ぎないか。たとえば「メルトダウン」という言葉を使いたくないために「警戒中の泊発電所3号機でアーク(放電)が発生し」と言ったり、「EPZ圏内」と、専門用語をそのまま使っている。泊原発から半径30キロ圏内のことならそのまま「半径30キロ圏内」と言えばいいだけのこと。
緊急時に耳慣れないアルファベットは間違いの元だ。連絡網が寸断された東日本大震災を考えれば、町の緊急情報によって住民が避難場所に行き着けるのだろうか。
 
10時50分着 寿都温泉ゆべつのゆ
甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤の緊急配布訓練)
避難した住民30人ほどが医師の問診を受けるために椅子に座っていた。ヨウ素剤はアレルギー体質や過敏症の人に対してはまれに、じんま疹や呼吸困難、血圧低下などを引き起こすことがあって、医師の診断が必要だという。そこで問診票を配布して、服用不適格者であるかないか、をチェックしなければならない。チェックシートを医師から入手。
 
A摘要不適項目
 「今までに安定ヨウ素剤の成分、または、ヨウ素に対して過敏症があると言われたことがありますか。(うがい薬に含まれるポピドンヨード液及びルゴール液使用後並びにヨウ化カリウム丸服用後にじんま疹や呼吸困難や血圧低下などのアレルギー反応を経験したことがありますか?)
 
B慎重投与項目
 1 今までにヨード造影剤過敏症(造影剤アレルギー)と言われたことがありますか?
 2 今までに甲状腺の病気(甲状腺機能亢進症など)と言われたことがありますか?
 9 現在、以下のお薬をお使いですか?(全部で9項目 途中省略)
 「はい」と答えた方は、該当する薬品にチェックを入れてください。
カリウム含有製剤、カリウム貯留性利尿剤、エプレレノン
□ ACE阻害剤、アンジオテンシン受容体拮抗剤、アリスキレンフマル酸塩、などなど。
 この欄の下に「*町村使用欄」として、次のように書かれている。
「A-1、B-1、6、8に一つでも『はい』があったら配布しない。上記以外に該当ある
場合は、周囲の見守りと体調不良時の連絡先を案内」
 
<疑問点3>
 これだけのチェック項目を避難して来る人に面接して書かせることができるのか。パニックとなっている際に理解できるとは思えない。医師や医療関係者が避難施設にいるのか。
 
 今回の訓練では、医師が住民を問診してからヨウ素剤が配られるまで、1人あたり5分かかることが分かったという。
道は「1時間で千人」に配布するのを想定しているというが、あまりに無責任な試算にあきれてしまった。                                      
以上

f:id:emikamassion:20180323154454j:plain

 ⑦泊村―岩内町/共和町保健センター・はまなす幼児センターなどに続く