「エネルギーシンポジウム2017in札幌〜これからのエネルギーを考える〜」報告
開催日:2017年12月1日
主催:経産省北海道経済産業局
会場:京王プラザホテルのホール
基調講演2つ、パネルディスカッション、そして若干の質疑応答という構成。150めいの募集に対し、100人ほどの市民が参加した。(JCなど保守系の経済関係者が動員で多く参加していた。)
【川口マーン恵美氏の基調講演】
ピアノ科卒業、「住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち」「ドイツの脱原発がよくわかる本〜日本が見習ってはいけない理由」などの著書がある。ドイツ在住。
「太陽光発電でCO2は実は減っていない。」
1日の電力使用量の変化グラフを示し、
「日中に上がる総量とそれにリンクするように上がっている太陽光発電量に対し、原発や水力はずっと一定」
日本はドイツのように隣の国と電力のやりくりができず、
国産のエネルギー源を持たない」
「原油輸送のルートも危ないところが多い」
「エネルギーの安定供給のために、安全なものから原発を動かす必要がある」
「電気はあまり貯蓄ができないから、できるようになるまで、再生エネルギーは今のところ間違い」
【小澤典明氏の基調講演】
経産省資源エネルギー庁の資源エネルギー政策統括調整官
「我が国エネルギー政策の最新動向」
・再生エネルギーはコストが高い
・原発のCO2排出はゼロ
「エネルギーミックス」「原発は重要なベースロード電源」
・・・など、かつての原子力安全神話、必要論のPRそのものの要旨を説明された。
<パネルディスカッション>
コーディネーター:元アナウンサーの橋本登代子氏。
川口市、小澤氏のほかに
札幌青年会議所の理事長
北海道ガス執行役員が加わった。
「パネルディスカッション用データ集」が配布された。
「エネルギーの安定供給を考える」という資料では、石油ショックのこと、日本の需給率が低いこと、原子力には「特長」があることが強調されています。
<会場からの質疑>
最初の発言者A
「泊原発付近には活断層があり、事故が起こったら取り返しがつかない」「地熱の利用をもっと進めるべきだ」
これに対し、政府からの回答は
「掘ってみないとわからない」など否定的。
二人目の発言者B
「廃炉費用が膨大で確立していない」「核ゴミは将来世代への負担になる」ことを指摘。
川口氏はこれに対し、
「廃炉費用も見積もられているようです。嵩まないようにすべき。」「トイレなきマンションと言えばその通りですが、高レベルは乾電池1〜2個分....だし、日本では2箇所で地層処分の研究が進んでいる。」「日本は資源がないのだから、再生エネだけだと採算が合わないし、ある安全で政治家がGOサインを出すべき。」だなどと、正しい情報知識には基づかない発言。
時間切れで質疑応答は2名のみ。
東日本大震災の教訓が一切感じられない東電福島原発事故以前の原子力安全PRを政府や原子力関係者が再び始めたことを印象付ける内容であった。
基調講演や政府の説明内容には、明らかに虚偽、あるいは誤魔化しと受け止められるものがあり、シンポジウムの内容には何かしら抗議すべきと感じます。
以上