「ほろのべ核のゴミを考える全国交流会」報告(2017年7月29・30日)
豊富町で開催された「核のゴミを考える全国交流会」では、立石雅昭 新潟大学名誉教授(地質学)が「核のゴミ地層処分〜安心・安全な「適地」あるの?」と題し、講演をされました。
科学的特性マップが公開されたことを受け、高橋はるみ知事に対する要望書を「核のゴミを考える全国交流会」として、また各団体がそれぞれに提出しようということが提案されました。
以下に報告します。
報告1:講演会の内容 ブログURL2つ
(アシードジャパンのブログなどを参照ください)
報告2: 7月30日 JAEAへの申し入れと質疑で判った新たな「埋戻し工程」に係るタイムテーブル・幌延浜里地区の掘削事業・放射線検知事業
<報告1> 立石雅昭 新潟大学名誉教授(地質学)が 「核のゴミ地層処分〜安心・安全な「適地」あるの?」講演内容
http://journalasia.blog22.fc2.com/blog-entry-751.html
科学的特性マップに対する立石教授の評価@「2017ほろのべ 核のゴミを考える全国交流会」講演会
/asjkakugomi.amebaownd.com/posts/2732895
A SEED JAPANブログ
立石教授の講演ポイント:「科学的特性マップは、科学的根拠に基づいていない」
①海岸部を全国一律に緑色(好ましい)としてしまっている
港湾設備、沖合の深さ、崖の高さ等総合的に検討せずに海岸部を全国一律に「輸送面でも好ましい」としており、塗り絵みたいなもので科学的とは言い難い
②活断層から数km離れても、直下型地震が襲ったり、ズレが生じたりする可能性を否定できないのに、線描で位置を示しているのみ
③火山活動の歴史を踏まえていない(今ある火山から15キロ範囲だけに留意している)
講演の中で、立石幸寿は「科学的特性マップをそれなりに期待していたのだが…まったく科学性がないことに、がっかりした。」と締めくくった。
<報告2>JAEA(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構)への申し入れと質疑から
①深地層研究事業の終了時期・埋戻し工程表の提示と調査・研究の完全な終了はいつ?
JAEAは「埋戻しの行程表を平成31年度内に出す際、埋戻し工事設計計画に2年、
工事か開始が即座にできない場合や年度をまたぐ場合プラス1年、工事終了までに数年」と回答したため、
これまで埋戻しの行程表を提示するよう交渉してきた道北連絡協議会や全国交流会の同席者は、初めて具体的に出た数字に驚き、「当初計画を約20年とし、終了時期を不明確にしてきたが、工事設計計画や実際の埋戻しさえも調査事業として約束の期限を更に延長するかのようなこの回答は、どういうことなのか?!」と詰め寄った。
②平成29年度、新たに幌延町浜里地区での掘削事業(平成28年度受託事業に引き続き採水調査)を受諾・実施
日本原子力研究開発機構(理事長 児玉敏雄)は、産業技術総合研究所(産総研)、電力中央研究所(電中研)、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センター(原管センター)と共同で新たに
「平成29年度高レベル放射性廃棄物等の地層処分に関する技術開発事業(沿岸部処分システム高度化開発)」(経済産業省資源エネルギー庁委託事業)を受託した。
③北朝鮮の地下核実験の予兆を希ガス(放射性キセノン)の検知・観測する事業を幌延町が受諾
幌延深地層研究センター(夢地創館)の隣の「トナカイ牧場」の敷地内に機器を設置する予定(6月20日に公開)
まだ設置されていないが、10~11月までには稼働したい見通し。
https://www.jaea.go.jp/04/iscn/org/ctbt.html
CTBTOについて
幌延町は原子力関連の交付金が出る事業を、次々に受け入れています。
一方、科学的特性マップでは道北・道東の長い沿岸線、泊原発周辺のわずかなエリアもが「適正のある地域」と示されました。
「高レベル放射性廃棄物以下の区分の放射性廃棄物最終処分についても、同様の要件を当てよう」とした(昨年8月9日)
地層処分WG(有識者会議)の委員の発言があったことから、今後、「北海道条例」を遵守し北海道のどの地域にも、あらゆる区分の放射性廃棄物を受け入れないよう、運動を構築しなければならないと感じました。
マップ公開を受け、緊急に、「核ごみに関する政府との会合」を8月29日に持つことになりました。(後日詳細をお知らせします)
以上
(報告:泊原発の廃炉をめざす会 核ごみ問題担当世話人 マシオン恵美香)