第93回北海道電力株式会社定時株主総会 報告
昨日、2017年6月28日午前10時から、札幌市中央区(札幌ビューホテル大通)に於いて、北海道電力が第93回定時株主総会を開いた。
議決権を持つ株主数:55,389名
議決個数:2,045,265個
議決権行使者:15,788名
議決権行使個数:1,298,413個
このうち、インターネットでの
行使者:15,676名決
権行使個数:1,024,970個
会社側の提案3つ、株主からの提案は7つの議案が出された。
このうち、泊原発の廃炉を求める議案を含めて7つの議案の総てを反対多数として否決した。
参加者は2011年の東日本大震災で600名以上が参加したことに比較すると半数以下の279名(会社側発表)で、開催時間も昨年より44分も短い1時間50分程度だった。
※延べ人数22名で26の質問があったが、社長が質疑打ち切りを提案し、挙手により、素早く進行される場面もあった。
北海道電力は2012年の株主総会から5回、会長である佐藤佳孝氏が株主総会当日の議事進行役を務めてきたが、本年は会社法の改定に拠るとして真弓代表取締役が行った。
第10号議案で、泊原発の再稼働の遅れによる営業不振に陥った責任を問うとしてた理由で会長解任案を提出されていたが、こちらも同様に否決されている。
会社側は、昨年度営業報告の中で、本年3月の連結決算では純利益が87億9300万円の黒字を確保したとする報告をしているが、昨年度の社債発行額は1300億円、本年度の見通しは300億円多い1600億円を適時に発行するとしている。
また、2年前に発行した優先株500株のち、昨年は30株分を償還し、5年後をめどにすべて返還したいとした方針を示した。
総会参加者からの質問では、泊原発の安全対策費が多額に充当されているが、
「泊発電所の原子力事業のコスト計算を厳密にするための損益分岐を示さなければ、電力事業全体として間尺に合うかどうかを見通せないのではないか?」との株主からの指摘もあった。
会社側はこれに対し、「損益分岐の額などを詳しくお知らせできない」とし、あくまでも泊原発再稼働によって安価な電力を供給できると主張した。
本年度の電力事業者の株主総会に対する報道の取り扱いは一様に小さい。
北海道新聞でさえも、昨夕の夕刊第三面に小さく写真なしの報告をしたのみ。
本日の朝刊(2017年6月29日)は経済面に「経営への不満浮彫」と題し、会長解任案が出されたのは、泊原発の再稼働を待つ意見のみと書いた。
(実際には、原発反対派の株主会に拠り、取締役の解任議案が提出されている。)
会社側の提案で、取締役を昨年より一人多い14名を選任した。
昨年の取締役延べ人数は17名(三名が退任したため)で、取締役17名の年報酬を総額3億5770万円、前年土と比較すると1億3200万円も増額されている。
会社の経営が不振なときに、取締役の人数や報酬総額がこれほど増しているのはいかがなものか?
電気料金を2年連続で値上げした際、金融庁に平均年報酬を、経営が他電力会社に比較して安定している北陸電力並の1800万円以下にするよう指摘され、それでも平均報酬2000万円を超えたことを、翌年の消費者庁が主催した意見交換会の場で非難されたことを思い起こすと、妥当な判断とは考え難い。
(株主総会後の記者会見のようす 15:00~ 北海道庁記者クラブにて)
以下に資料として各報道機関の動画、記事を転載します。
朝日新聞が総会当日に掲載した記事を観ると、四国電力と北海道電力が自治体との安全協定を結ぶべしとした株主の議案を取り上げている。
http://www.asahi.com/articles/DA3S13007751.html
http://movie2.hbc.co.jp/news/t05-6_01_111-201706292201.mp4
HBCニュース動画
去年より1時間ほど早く終わりました。北海道電力は28日札幌市内で株主総会を開き株主から提案された脱原発についての議案は否決されました。
総会には去年より約20人少ない279人が参加しました。北電は「価格競争力向上と収支改善のために泊原発の再開は欠かせない」と停止から5年がたった泊原発の早期再稼働に向けて総力を上げて取り組むと説明しました。一方、株主からは定款の電気事業に「原子力発電方式は排除する」などの文言を追加する議案が出されましたがいずれも否決されました。会場の前で泊原発の廃炉を訴えた株主の団体は総会後の会見で北電の姿勢を批判しました。株主の団体は2018年も同様の議案を提出する予定です。
今日ドキッ!で放送 6月28日(水)18時00分
※脱原発をめざす北電株主の会の記者会見
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20170628/4396141.html
NHKニュース
北海道電力の株主総会が札幌市で開かれ、会社側は、泊原子力発電所を再稼働した上で、電気料金の値下げを行う方針を示しました。
北海道電力の株主総会は、28日午前10時から札幌市中央区のホテルで行われ、270人あまりの株主が出席しました。
会社側は、去年4月から始まった家庭向けの電力小売り自由化で競争が一段と厳しくなっているとした上で、泊原発の再稼働を実現し、その際には電気料金の値下げを行う方針を示しました。
総会では、会社側が3年前に実施した電気料金の再値上げで業績が改善したことから、株主への配当を2期連続で行うことことなどを提案し、賛成多数で可決されました。
一方、株主からは、原子力発電事業からの撤退や、原子力災害に備えた安全協定を道内すべての市町村と締結することなどを求める7つの株主提案が出ましたが、いずれも反対多数で否決されました。
株主総会に出席した札幌市の30代の男性は、「電気料金が高いままで北海道の経済がだめになっては元も子もないので、再稼働はやむを得ないと思う」と話していました。
一方、会場の前では、脱原発を目指す株主でつくる団体が横断幕を掲げて原発再稼働への反対を訴えました。
札幌市の70代の女性は、「これ以上放射性廃棄物を増やさないためにも、泊原発の再稼働はやめてもらいたい」と話していました。
uhbニュース動画
総会終了後の会場入り口前