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becquerelfree’s blog

NO NUKES,ONE LOVE

第 29 回放射性廃棄物ワーキンググループの審議事項に関する意見

11月5日に開催される脱原発をめざす首長会議にも講師として参加される寿楽さんが
第 29 回放射性廃棄物ワーキンググループの審議事項に関する意見を書面で提出しています。
 
第 29 回放射性廃棄物ワーキンググループの審議事項に関する意見

第29回放射性廃棄物ワーキンググループの審議事項に関する意見
平成28年10月18日
放射性廃棄物ワーキンググループ委員
東京電機大学 寿楽 浩太
本来は本WGの会合には万障を排して出席すべきところ、以前から予定されていた海外出張のため、誠に遺憾ながら欠席のやむなしとなりました。大変申し訳ありません。本日の会合では政府による「科学的有望地」の提示に先立ち、「社会科学的観点の扱い」についての確認や、原子力委員会による評価に対する対応、地層処分技術WGで検討結果に対する対応など、重要な審議が行われるものと理解しているところ、以下の各点について、書面にて意見を提出いたします。
1. 「科学的有望地の提示に係る社会科学的観点の扱いについて(案)」について
・ 本文書案については、前回までのWGでの審議、あるいは文書案作成過程で出された各委員からの意見を公平かつ適確に反映していると思われる。
・ また、論旨全体としても、「科学的有望地の提示に当たっては、社会科学的観点からの要件・基準の設定は行わない」とする結論には賛同する。社会科学的観点については、この問題において極めて重要な公正性・公平性、その他さまざまな社会的・倫理的論点が深く関わる。このため、行政機関の裁量において、あるいは当WGのような特定の審議体の判断によってあらかじめ一律の基準を示すことは適当ではなく、論点が広く公論に付され、社会的な議論の深まりを経て合意が形成されるべきものであると考えるためである。この意味で、「現時点で何らかの線引きを行うよりもむしろ、今後のプロセスの中で、建設的な国民的議論を慎重かつ丁寧に進めていくことが適当である」との記述を含めることには賛成である。
・ ただし、「国民的議論」を深めるための前提が十分に整っているとは言いがたい。原子力利用の今後と放射性廃棄物の関わりについての社会的了解、地層処分による最終処分を目指すことそのものについての社会的合意、関係主体に対する社会の信頼、処分プログラムの具体的な進め方に対する社会的支持のいずれもが十分ではないと思われる。
・ 小生としては、現時点においても、これらの事項は最終処分場の候補地選定に先だって順次取り組まれるべきものであり、本来であれば、候補地選定はその後に行うことがもっとも適切と考えているが、本WGの「中間とりまとめ」、本WGからも助言を行った政府の「基本方針」、また数次にわたる「最終処分関係閣僚会議」の決定等において、これらは処分場候補地選定と並行して進める方向性が示されてきたと理解している。
・ 今般、処分場候補地としての調査対象地域に関する「科学的有望地」の提示を行うにあたって、その後の「国民的議論」について言及することは、その意味で非常に大きな重みのあるものだと理解するべきである。すなわち、「科学的有望地」の提示後の「国民的議論」は、政府やNUMOの取り組み方針を様々なイベントやチャンネルを通して「広く社会に説明する」ことのみで喚起しうるものではないと考える。今回、「社会科学的観点」として整理された事項や、今回、技術WGの取りまとめ案に対して市民の皆さまから提起された論点等、人びとの意見が分かれうるような社会的・倫理的な事柄について、実質的に議論を尽くし、ひとつずつ結論を得て、それに基づいて関係機関が実際の政策・施策・事業に取り組むプロセスに入ることを意味する。
・ こうした認識から、特に「科学的有望地」の提示後に、「社会科学的観点」等についてどのように「国民的議論」を喚起し、議論を尽くす場を設けていくのか、政府において明快で腑に落ちる見通しを示すことが必要と考える。本文書案の「科学的有望地のマップの提示後のプロセスについて明確に示し広く共有していくことも重要」との記述で示した方向性の具体化に、ただちに着手するべきである。
・ また、その際には、処分場候補地としての調査を念頭に置いた各地域での「対話活動」と並行して進めるかたちとなることから、政府やNUMOとの対話に応じてくださる地域が現れた場合の当該地域の裁量(特に、一度関心を示したとしても撤退が自由であること)などについてあらかじめ明確に示すことが極めて重要であると考える。

 

2. 原子力委員会による「最終処分関係行政機関等の活動状況に関する評価」に関して
原子力委員会による第三者的評価については、本WGにおける審議においてその有用性・重要性が指摘され、「中間とりまとめ」での提言、「基本方針」の改定を経て実現した経緯があることから、本WGとしては、真摯かつ前向きにその提言内容に応えるべきであると考える。
・ 報告書の概要の整理とそれに対する初動の応答としては、今回事務局から示された資料の内容に大きな異論はないが、以下の諸点について注意喚起と補足を行いたい。
・ 当該報告書における、「国による地方公共団体への理解と協力の申入れに係る手続については、科学的有望地提示後の地域対話の状況等を踏まえつつ、具体化に向けた検討が行われることが期待される」との指摘については、「科学的有望地」提示前の現段階から、随時遅滞なく対応することが極めて重要と考える。原子力委員会は、「科学的有望地提示後の地域対話の状況等を踏まえつつ」としているが、前項でも述べたように、有望地提示前においても、地域の立場に立って今後のプロセスの原則や方向性を明らかにし、積極的に示すことが望ましい。
・ これは、当該報告書の「処分地選定を着実に進めていくに当たっては、国民の当事者意識を喚起しつつ、どのようなプロセスを経て処分地選定を行っていくかということについて、引き続き必要な検討を行うとともに、その検討状況を国民に説明し、理解を深めていくことがますます重要になる」との指摘とも合致するものである。事務局案における「提示後の取組の進め方について分かりやすい説明を準備」という記述からもう一歩、二歩と踏み込む必要があると考える。
・ 当該報告書における、「我が国の規制当局にも諸外国における早期関与の取組と同様の取組が期待される」との指摘については、規制当局が社会の負託を受け、政策・事業推進側とは独立の、第三者的立場から厳正にチェックを行い、その結果を社会に示すことは死活的に重要であると思われることから、小生もかねて指摘してきた点であり、賛同するものである。
・ また、これに関連して、規制当局と経済産業省、あるいはNUMO等の関係機関の間の健全でオープンなコミュニケーションを深化させることを強く要望したい。以下のような論点について疑問が生じているからである。
・ 低レベル放射性廃棄物の中深度処分について去る8月に規制当局が決定した規制方針では、事業者を300〜400年間存続させ、その期間にわたって規制を継続し、また、その期間における閉じ込め性能の実績を確認してから最終的に施設を閉鎖するとの考え方が示された。当該文書末尾には、高レベル放射性廃棄物における安全確保の考え方との共通性の指摘もある。
・ これまで、高レベル放射性廃棄物の最終処分においては、能動的管理を数百年以上の長期間継続することの困難性を指摘して現世代における地層処分の必要性を訴えたり、将来世代が所要の安全確保を確認し、閉鎖の意思決定を行う時点は定置完了後そう遅くない時点を念頭に置く説明を行ったりしてきたと理解している。両者の考え方を直ちに整合的に理解するにはやや困難があるようにも思われる。また、一般に、高レベル放射性廃棄物処分には低レベル放射性廃棄物処分以上の厳重な措置を求めるのが社会通念上、通常であろう。そうすると、高レベル放射性廃棄物処分においても、同程度の期間にわたる人的管理を安全確保の前提とし、規制を継続する期間も延長して、施設閉鎖の時点をさらに先の将来にするべきだとの意見もありうるだろう。こうした疑問について、今後、関係機関あるいは関係専門家の間で公明正大に議論を尽くし、そのプロセスや結果を明快に社会に示していただくことを希望する。

 


3. 地層処分技術WGにおける報告書の取りまとめについて
・ 同WGの取りまとめは、「科学的有望地」提示の技術的な支えとなり、また、そのプロセスの妥当性は今後のプロセスに対する社会的な信頼・支持の基礎ともなりうる極めて重要なものであるところ、杤山同WG委員長から示された留意点については、その懸念を共有する。
・ ただし、「国民の不信感・不安感の払拭」に関しては、すでに述べた通り、そもそも、高レベル放射性廃棄物処分プログラム(政策・事業・研究開発)全体の中で今般の「科学的有望地」の提示がどのような位置を占めるのかについての広範な社会的了解を得る中で、自ずとその意義が定まり、また、具体的な基準設定の妥当性が人びとに判断されるべきものである。その際には、当然、「科学的有望地」の提示後にどのような手順を踏むのかという、プロセスについての社会的合意を得なければならない。
・ したがって、情報の受け手の側に立った伝え方のさらなる改善や津波等の社会的関心事項に関する説明の補充はもちろん行うべきであるが、基本的には本文書で前述した事項に対応する中で、根本的な解決が図られるものと考える。
・ なお、これに関連して、パブリックコメントで寄せられたご意見のうちには、輸送に関する条件の社会的側面、「科学的有望地」の呼称の是非、その提示後のプロセスの提示、原子力政策全体との関連などに関するご指摘が見られる。これらの論点は本
WGにおいても改めて審議すべきと思われる。
・ 「科学的有望地」の提示に関しては、今後のプロセスが社会的な支持を得たものとなるかどうかにおいて極めて重要な局面であるため、拙速があってはならず、慎重で謙虚な手順を踏むことが肝要と考える。
以 上

 
総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 原子力小委員会 放射性廃棄物ワーキンググループ(第29回)‐配布資料
 
動画
 
 委員が大慌てで海底下を含む沿岸域のを(より適正が高い」の「より」を 削除すべきとしたり・・・
 
  マシオン