本日、2017年4月10日に北海道原子力安全対策課から平成28年度原子力防災訓練に関する質問書に対する回答書が届きました。
この回答と質問主旨を照らし合わせ、追質問や要望書を提出する予定です。
この質問書に関する内容、提出団体等の詳しいい情報はこちらをご参照ください。
本日、平成29年3月30日、北海道総務部危機対策局 原子力安全対策課を通じ
高橋はるみ北海道知事に「秋季および冬季の 北海道原子力防災訓練に関する質問書」を提出致しました。以下に内容を記します。(報告: 道民視察団)
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2017年3月30日
北海道知事 高橋はるみ殿
秋季(平成28年11月13,14日)、および冬季(平成29年2月4日) の
北海道原子力防災訓練に関する質問
道民視察団
脱原発をめざす北電株主の会
地方自治を考える市民の会
ベクレルフリー北海道
北海道民と道内滞在者の安全を守る道庁関係部署課の方々のご努力に、道民として敬意を表します。私たちは平成28年11月13,14日、本年2月4日に国と北海道が合同で実施した平成28年度原子力総合防災訓練を自主参観しました。訓練参観を通して抱いた疑問などを質問として以下にまとめました。貴職と各担当部署課の皆様の今後のお仕事に活かしていただきたく存じます。
1. 避難訓練で実際に他地域へ移動した住民、屋内退避として自覚を持って訓練に参加した住民、要配慮者は、それぞれの自治体ごとに、 どこに何名居ましたか?
実施前の見積もりではなく、訓練日の実績でお答えください。
2. 共和町ビシャムナイ会館へ移動されたけが人(要配慮者)は、その後、どこに移動しましたか?
介護者は何人で、どのような立場でしたか?
3. 冬季訓練当日は、道外研修者(バスルート参観)には、総勢何名参加され、
どこからどのような立場の方が参加されていましたか?
また、原子力防災訓練参観の募集は、現地や他府県からの参加者に対し、どのようにされていますか?
4. 2017年2月4日の訓練では、共和町より避難した住民1,464名は、全員がバスで避難となっていますが、なぜ自家用車での避難を想定しなかったのでしょうか? 現実的でないのではないでしょうか?
5. 同日の訓練では、泊村より自家用車で766名が避難となっていますが、自家用車の台数は何台でしたか?
<以下は北海道の原子力防災計画に対する質問>
6. 冬場に自家用車で避難した車が事故やスタックで動けなくなった場合、救出する手筈はどのようになっていますか?
7. 冬場に自家用車で避難した車が多重事故を起こした場合、救出する手筈はどのようになっていますか?
8. 2017年2月4日の訓練では、北電体育館近くのヘリポートは事前に除雪されていましたが、2月26日に同じ場所を通りかかったところ、除雪されておらず、20センチ程度の積雪がありました。
20センチもの積雪で、2月4日の訓練で使われたのと同型機のヘリの離着陸は可能ですか?
9. 上記の条件でヘリの離着陸が不可能であれば、除雪にかかる時間と、重機・人員の数はどれくらいと推定さされますか?
2.安定ヨウ素剤配布訓練について
10. 2月4日の冬季訓練で、共和町をはじめ、泊村ほか訓練に参加された関連自治体住民は、 どこでどのように安定ヨウ素剤を受け取りましたか。実際に受取った人数は何名ですか?
11. 共和町の安定ヨウ素剤配布訓練では「3台の車でヨウ素剤を戸別配布する巡回コースがあり、3台の車のうち1台が一部の地域25軒だけを訪問し、ほか2台は周辺を走行するのみで1457名分を配布したことにした」との報告がありました。共和町の戸別配布訓練のコースや、実際に配布できたヨウ素剤の実数を教えてください。
12. 共和町では暴風雪時に職員が安定ヨウ素剤を戸別配布することになっているようですが、訓練後の問題点の洗い出しの中で、この暴風雪時のヨウ素剤配布に関して反省や、改善すべき点の指摘がされましたか。された場合は、その内容を教えてください。
13. 2月4日の冬季訓練ではPAZ内の住民のみを対象としました。避難および一時移転がPAZの外側まで拡大される場合、一定以上の放射線量が観測されてから避難指示が出され、安定ヨウ素剤はその時点以降に配られるものと理解しています。この理解でまちがいありませんか?
14. 安定ヨウ素剤は、最大の効果を期するならば、本来被曝する前に服用すべきであり、放射線量が上昇してから配布したのでは意味がありません。冬季悪天候のため住民も行政担当者も屋内退避となった場合、避難指示が出されるべき状況になっても配布が行えない場合の対応は考慮されていますか?
<以下は北海道の原子力防災計画に対する質問>
15. 少なくとも、後志全地域に、将来的にはそれ以外の地域にも、ヨウ素剤事前配布が必要と考えますが、検討していますか? いつを目途に実施予定ですか?
検討していない場合、その理由を説明してください。
16. 11月の秋季訓練では余市スペースアップル救護所で水溶性ヨウ素剤の配布がされる設定でした。
専用要員はどのような立場でどこから来る予定ですか? また、その担当者は救護所の設置や開設に間に合うような場所に勤務・在住していますか?
17. 旅行者等の一時滞在者の人数、所在はどのように把握する手筈になっていますか?
18.安定ヨウ素剤を一時滞在者にも配布することが北海道原子力防災計画および訓練実施内容の中でどのよう盛り込まれていますか?
19.原子炉が全面緊急事態になってからどれくらいの時間で、一時滞在者へのヨウ素剤配布を完了する見込みですか?
3.実動訓練内容について
20. 冬季訓練の早朝、北電臨時ヘリポートはさして雪もないのに除雪をされていましたが、 実動訓練直前の除雪を指示したのは、どの部署のどのような立場の方ですか?
21-1 バスなど車両洗浄のために備蓄する水量、車両や自家発電機器用燃料の備蓄総量を予測していないと昨年の質問にお答えですが、 今回3日間の訓練実施日には、どのような記録がされましたか?
※11月大型バス洗浄訓練ではまともに一台も洗浄しておらず、汚染水をためるプールに水がありませんでした。 訓練で、大真面目に洗浄すると1台あたりどのくらいの水が必要になるのかを計測すべきではないでしょうか?
21-2 冬季訓練で車両の洗浄訓練をしていなかったのは、何故ですか。(凍りつくからですか?)
22. 2016年11月13日の訓練では、津波被害は泊村盃地区で「比較的重大」な「津波がれき堆積」との想定でしたが、この地区の住民はどのような交通手段を選択するとしていましたか?
また、陸路を移動する場合、橋脚などの崩落、がけ崩れ、高波、瓦礫の撤去など想定されるべき道路状況ごとに、復旧にかかる時間、重機と人員の数はどれくらいと見積もっていますか?
23. 同じく11月13日の訓練では、泊村で3.4メートルの津波を想定しています。しかし、泊原発周辺で予測されている最大12.6メートルの津波に襲われた場合、避難道路の被害の程度や、復旧にかかる時間と人員・重機の数はどれくらいと見積もられていますか?
24. 2017年2月9日に道防災会議地震専門委員会から発表された津波浸水予測図では、泊村は最大19.3メートルの津波が来るとされていますが、来年度の訓練でこの予測を反映させて訓練を行う予定がありますか?
25. PAZ全域と積丹半島のほぼ全域が震度5強以上という想定下で、道路の損傷・不通が神恵内村の一部地域だけとするのは、被害想定が甘いのではないでしょうか?
26. 「屋内退避をした」とされる住民に、「換気扇をとめる」「窓にめばりする」「水を貯める」「食べ物にラップなどをかける」「やむを得ず外出するときはマスクをする」などの指示はありましたか。また暖房のための換気や、煙突などについてはどのように指示しましたか。
<以下は北海道の原子力防災計画に対する質問>
27. 2010年7月29日から31日まで、集中豪雨により岩内町で全世帯が断水した事例があります。これに原子炉の全面緊急事態が重なった場合、全世帯へ飲料水を届ける手筈はどのようになっていますか? また、これに必要な人員と所要時間の見積もりは?
5.訓練の想定について
28-1 毎年、訓練日の風向きが妥当ではない(西風、北西の風、および偏西風を考慮すべき)と指摘しています。 年間を通じた風向きの平均を考慮した避難を想定しないのは何故ですか?
28―2 避難計画の実効性検証のためには、訓練当日の風向きで避難の方角を決めるブラインド訓練をすることが必要です。また、オフサイトセンター,避難退域時救護施設等の設置と要員招集を事故発生時点に開始し、避難指示地域の全住民と同程度の人数を、必要な道路啓開措置等を行った上で避難させる訓練も必要です。次回以降に実施する予定はありますか?
29-1 今回の冬季訓練において、事故時の猛吹雪のみを想定し、地震・津波等の複合災害を視野に入れていなかったのは何故ですか?
29-2 大津波により住民が高台へ避難した後に、原発事故がおきたら屋内退避そのものが完全に無効になります。家は流されてしまっているかもしれません。これは起こりうることです。この場合は、どのように対応する予定ですか。
30. 北海道内各地で、自然災害による影響や、冬季の暴風雪による視界不良、道路の通行止めが2日以上続く記録があります。今回の訓練では警戒事態に至ってから数時間で天候が回復し、避難可能な路面状況も確保されることになっていました。
後志地域で、過去のデータでは、冬季の悪天候及びそれによる倒木などのために道路が通行止めになった場合、天候回復とその後の除雪により全線開通するまで、最長何時間かかっていますか?
31.また、同地域で冬季の暴風雪、道路の通行止めにより孤立した集落や、屋内に閉じ込められた住民がその状態を脱するまで、最長何時間かかっていますか? 記録が残っている範囲でお答えください。
32. 北海道の防災訓練においては、過去の自然災害被害などの記録・実績を想定に取り入れ、活かすべきだと考えますが、今回の訓練では、どのような考慮がなされましたか?
33. 11月14日の渋滞対策訓練時、「国富交差点で6キロの渋滞が発生しており、警察官が対応している。他の地域では特に渋滞の連絡は入っていない。」と、オフサイトセンターでの合同対策協議会による情報共有がなされる場面がありました。これは内閣府規制庁の担当者が組み立てた訓練シナリオによるものですか?
訓練地域の現状を知り北海道原子力防災対策にあたる貴職も、「原子力有事において、同時に2箇所以上の渋滞が発生する可能性は考慮しなくて良い」という見解ですか? 冬季についても同様の認識ですか?
34.訓練のシナリオに、大規模な渋滞が複数箇所で起こるケースを取り入れるべきだと考えますが、予定はありますか? 今後、この課題にどの様に取り組むことにしていますか?
35.秋季(11月13,14日)および冬季(2月4日)の訓練内容と参観ルートを追いました。原発事故発生時から避難、原発事故拡大への対応等の行われた訓練時のタイムテーブルが、現実の事故時に想定されるシナリオとはそぐわない場面が多くありました。
秋季の原子力総合防災訓練では、2016年11月13・14日の両日とも、昼間「スキップ」と呼ばれる時間の飛びが設けられ、また2日目 11月14日には、訓練が開始された朝8:30時点が、 訓練上の想定では、前日11月13日の17:30時点に重なるものとされました。
時間設定の逆行やスキップをせず、原子力事故や自然災害の被害の進行予測どおりの流れで、実際の避難実施を最優先とする訓練内容を設定するべきではありませんか?
36.原子力総合防災訓練の日程を1カ月以上前に公表できないのですか。
37.当事者である道民のバスルート参観について、一般参観者枠を設けていただけていませんが、
費用のほかに理由がありますか?
以上の質問にお答えください。
昨年2016年11月13日、14日に国と北海道が合同で開催した原子力防災訓練
関根達夫さんが道外視察団バスルートを視察した報告をされました。
道民視察団は11月13日 22人でマイクロバスをチャーター
11月14日の道民視察団が4大の車
2012年から北海道原子力防災訓練視察参加を継続している深町さんが
11月13日、公平号で早朝6時半に札幌を出発し、共和
神恵内で行われた仮設へリポー
共和町オフサイトセンターで行われていた動きの中で、ア
共和町オフサイトセンター
年明け2月4日の冬季原子力防災訓練の実施内容を報告す
泊周辺の原子力防災訓練や避難に関する実際の受験
公平さんは2月4日に行われた日本で一番最初の「冬季原子力訓練」についてと
過去の自然災害実績から判ることとして、北海道における原子力避難訓練全体をまとめました。
PAZ, UPZの同心円と地図を示しながら、平成16年2月末か
2月4日は、道民視察団は自家用車4台に分乗して参観
総論で、11月、2月の両方の事故想定、現地の地形、風
道民視察団代表の太田規之さん
今後も継続して調査研究を行う必要があり、支援をお願いしました。
会場参加者から「想定のアマさ」現実の状況に即していない、規模の小ささ、
事故想定と避難を考えると風向が間違っているなどを指摘する発言がありました。
2017年3月2日、総合資源エネルギー調査会 地層処分技術ワーキンググループ(核のゴミ処分地選定提案会合 委員の大半が原子力機構やNUMO等の委員会に所属する人々)が、適性の低い地域、適性のある地域、より適性の高い地域という名称変更を承認しました。
2017年2月28日に親部会である放射性廃棄物ワーキンググループで「科学的有望地」の提示を「科学的有望地に関するマップ(以下マップ)の提示に向けて」p.1<リンク>において、「科学的有望地に関するマップ(以下マップ)の提示」と言い換えることを提案し、了承を得ています。
この放射性廃棄物ワーキンググループも個別委員にご説明することでほぼ了承を得ました。
・適性の低い地域
(処分場選定調査によって、処分地としての適性が認められることが期待しにくい)
↓
好ましくない特性があると推定される
・適性のある地域
(処分地選定調査によって、処分地としての適性が認められることが期待できる)
↓
好ましい特性が確認できる 可能性が相対的に高い
・より適性の高い地域
(処分地選定調査によって、処分地としてより高い適性が認められることが期待できる)
↓
輸送面でも好ましい
言い換えた理由は、「国による科学的有望地の提示」を「マップ」の提示と表現し、「適性のある地域」及び「より適性の高い地域」という表現が、処分地に決まったかのような印象を与えるとの
資源エネルギー庁の意図が具体的に書かれているのが2017年3月2日の資料1 エネ庁説明「これまでの検討成果に関する精査等について」p.23以降に明確に記されています。、「地域の特性区分の呼び名に係る 表現・説明ぶりの精査・充実等(精査の総括)」<リンク>
2016.9.5放射性廃棄物ワーキンググループ提示エネ庁資料
2017.2.3 地層処分技術ワーキンググループ提示エネ庁資料
・「将来掘削される可能性」
油田・ガス田、炭坑等の全てを含むものではないこと。
上記以外の地下資源の個別名称や量、質などに規程がない。
基準も規程もなきに等しいので、恣意的に運用できる仕組みでること。
2017年3月22日
本年2月13日に衆議院第二会館で持った「核ごみに関する勉強会」の場で日本原燃に対してした質問の回答が、畠山和也衆議院議員事務所を通じ、本日、届けられました。
内容については精査し、判らない点については再び追質問をしなければならないかもしれません。
質問は、主に再処理に関する技術的、科学的論拠についてですが、サイエンスのセンスがなければ判らない専門的なことばかりです。
Q1の回答の中で際立って「本当?」という印象的な内容は、2012年までに高レベル放射性廃棄物ガラス固化技術の確立ができたと翌年7月26日に国に報告したため、安全運転の確認を達成できているのだとしていることや、試験では温度管理が把握できているとしている点。
Q2では廃液の管理料の増減の差異が大きい理由をお訊ねしましたが、水や硝酸などを補給(薄め)るため増減ができた、保管期間内に水分などは蒸発するが、保有する放射性物質が消失したわけではない(核ゴミの量は変わらない)としています。
Q3については質問したこちら側が別の条件のものに対する時間情報を認識間違いしていたようですが、ついでにうかがった算定式は出てきました。
回答内容は下記に。
(報告:核ごみ問題研究会)
さようなら原発1000万人行動 IN 釧路
アーサービナードさん講演会 アメリカ人が原爆ドームにきいた「核心の話」
主催:さようなら原発1000万人行動 IN 釧路
本年は、アーサー・ビナードさんをお迎えしました。
11日の北海道新聞朝刊に「自衛隊の南スーダンからの撤退」が一面を飾ったため、主に、アメリカと日本の戦後の捉え方や原子力そのものの脅威についてを、新刊絵本「ドームがたり」を解説しつつ、お話しいただきました。
予定していた時間を超過しての大変充実したお話しでした。
また、刺激的な表現に、会場の参加者から大きな笑いや反応の声が聞こえていました。
そもそも、英語と日本語のセンスが全く違うことにより、翻訳して明確になることがあるということを、「駆けつけ警護」という言葉を引き合いに、解説される場面では
「強い勢力の思惑や意図」を自分自身で考え、判断すべきというメッセージを受け取りました。
釧路新聞 3月14日
3月12日 北海道新聞 釧路地方版 朝刊
新刊本「ドームがたり」の一場面
会場のロビーでは即席サイン会に長蛇の列
厚岸町役場前の「最終処分場はいらない」宣言看板
3月10日 厚岸町 図書館「ほんの森」ではコーナーを作ってもらいました。
3月11日 午前 講演前に釧路市立図書館に寄贈しました。
児童室で読み聞かせする一場面
この日の記録については、またのちほど加筆します。